『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』に見た、“ブッ殺す以上にブッ殺されまくる”フロムの真髄

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2019年03月16日 10:51  リアルサウンド

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 恐ろしいことに、フロム・ソフトウェアさんの新作『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』(2019年)の試遊会にお邪魔しました。フロムと言えば、ゲーム好きにはお馴染みの老舗開発会社であり、近年は「DARK SOULS」シリーズ(2011〜2016年)が、プレイヤーが何度も死にながら試行錯誤を繰り返して遊ぶ、いわゆる「死にゲー」の代名詞として知られています。そんなフロムの新作試遊会に私のような人間が、今でも昇竜拳が出せずに苦しんでいる私が、いくら仕事だとしても訪れて大丈夫なのだろうか? 会場でもオロオロするばかり。しかし結論から言いますと、物凄く良い感じに仕上がっていました。


(参考:『ダークソウル』から振り返る「死にゲー」クロニクル ゲーマーを惹きつけてやまない魅力とは?


 本作は西洋ファンタジーだった「DARK SOULS」から一転、戦国時代らしき架空の日本を舞台に、忍者となって死闘に身を投じるアクションRPGなわけですが……これがまた凄い。タイトル画面からニューゲームで20分ほど遊んだのですが、まず驚いたのは、いい意味で荒み切ったOP。コンセプトアート通りの美しいビジュアルの中、血みどろで戦場を這いずり回る足軽、殺し合う武将たち、そして主人公の出自が描かれるイベントシーンが終わると、画面は地下深くで眠る主人公に切り替わってゲームスタート。このビジュアルで一気に引き込まれました。


 プレイアブルになって最初に驚いたのは、操作性の良さです。主人公が忍者なので、テンポよく地下からジャンプで抜け出せて、あまりの軽快さに「これは俺でもイケるんじゃない?」と思ったわけですが、そうは上手くいきません。調子に乗ってピョンピョンしていたら、崖から転落死。気を取り直して慎重に崖を渡ると、今度は進む先にNPCが。まずは挨拶かなと声をかけてみると、速攻で惨殺されて2回目の死。話が通じる相手ではないと分かり、3回目の挑戦。手持ちの武器がないので、NPCの間を走り抜けようと頑張ってみますが、これまた即死。容赦のなさに驚きつつ、このままでは移動チュートリアルすらクリアできないぞ、ゲームの目玉の戦闘を経験しないまま試遊時間が終わると焦っていると――。


「よければ、お手伝いしましょうか?」


 私の下手さ加減を見かねて、やさしいフロムのお兄さんが手を差し伸べてくれました。お兄さんの助言を聞きながら、NPCから隠れるように草むらを進むことに。まず突っ込もうとする己の浅はかさを恥じつつ、助言通りにNPCを避けると次なる道が見えてきました。「その調子!」と褒めてくれるフロムのお兄さん。「なるほど! こういうことですね!」と調子よく返す私。その直後、お兄さんが――。


「あっ」


 驚きの声を上げました。刀を持った侍がいきなり突っ込んできて、主人公が斬殺されたのです。画面に映る「死」の一文字。もう脱帽です。散々プレイしているはずの自社のスタッフすら、油断すれば情け容赦なく斬り捨てる難易度。フロムの神髄を見た気がしました。


 気持ちを切り替え、次のトライで移動チュートリアルを終了。武器をゲットすると、今度は戦闘です。すると状況は一変。あえて物騒な表現をしますが、とにかく人をブッ殺すのが気持ちいい。刀をガツガツぶつけ合う感じに、豪快に吹き出す真っ赤なエフェクト。特に必殺技の「忍殺」が決まる瞬間は最高です。これが決まればザコ敵は一撃なのですが、もちろんザコ敵も強いわけで、ブッ殺す以上にブッ殺されました。マップを把握した上で、敵がどこにいて、どういう動きをするかを死にながら覚えて続けます。そして確実に3人目、4人目を倒せるようになってきたところで、試遊時間が終了。わずかな時間でしたが、死の試行錯誤による達成感、アクションゲーム的な軽快さを存分に楽しむことができました。難易度の高さと爽快感は両立し辛いものだと思うのですが、今回の試遊で遊ぶ限りは見事に両立していたように思います。夢中になってテンションが上がってしまい、ウッカリお兄さんに「どうやってこういうゲームを作っているんですか?」と聞いてしまう始末。しかし、こんな小学生の社会科見学みたいな質問にも、お兄さんは笑顔で答えてくれました。


「達成感を意識して作っています」


 この答えには、頷くしかありませんでした。スタッフですら死ぬ「死にゲー」らしさと、アクションゲームの軽快さ、そして達成感は間違いなく感じることができるでしょう。今はともかく、フルで遊べる日を楽しみに待ちたいと思います。(加藤よしき)


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  • ダクソ感ぱない死にゲー系ゎ心へし折られるから作業ゲーより嫌や
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