ストライプ新業態は"フォークとナイフを使って食べる"ドーナツ屋、低迷気味の市場に新風

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2019年03月20日 00:21  Fashionsnap.com

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「コエ ドーナツ」外観 Image by: FASHIONSNAP.COM
ストライプインターナショナルが展開するブランド「コエ(koe)」の新業態となる工場併設型のドーナツファクトリー「コエ ドーナツ(koe donuts)」が、3月21日のオープンに先駆けて関係者に公開された。コンビニ各社が撤退するなど低迷気味のドーナツ市場に、従来の手づかみで食べるスタイルではなく「フォークとナイフを使って食べる」という新感覚のメニューで新たな風を吹き込み、イノベーションの創出を狙う。
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 コエ ドーナツは、飲食店や土産物屋などが立ち並び、地元住民や観光客で賑わう河原町駅から徒歩1分の京都松竹阪井座ビル1階に出店。店舗デザインは建築家の隈研吾が手掛け、嵐山の竹を使用した伝統的な六ツ目編みのかごを天井に装飾することで京都らしさを取り入れた。延床面積は約440平方メートル。店内には工場が併設されており、カウンター席からは間近でドーナツの製造工程を見ることができる。壁やカップ、ナプキンなどには、同店のクリエイティブを担当したイラストレーターの長場雄が"京都のどこかの大学にいる教授"をイメージし考案したオリジナルキャラクター「ドーナツ博士」がデザインされた。

 コエのブランドコンセプトである「エシカル」の観点から「オーガニック・天然由来・地産地消」をキーワードに、ドーナツの原材料には自家製の有機小麦全粒粉をはじめ、有機グラニュー糖や京都美山産美山牛乳、国産米油、京都美山産の"美卵"などを使用。イートインメニューはシグネチャードーナツ「ドーナツメルト」の「ストロベリー」(850円)と「クラシック」(650円)をはじめ、ドーナツバーガーの「テリヤキベーコンエッグ」(750円)と「京野菜チーズ」、ドーナツパイ「ドーナツアップルパイ」(850円)など全5種類を展開する。

 テイクアウトドーナツでは、和を意識した「ほうじ茶」や「みたらしクルーラー」や「抹茶オールドファッション」など37種類のフレーバーをラインナップ。ドリンクは、チーズムースをトッピングした「チーズタピオカティー」をはじめ、コーヒーや京都産のお茶、有機ドリンクなどドーナツと相性の良いメニューを用意する。物販ではマグカップやTシャツ、トートバッグ、キャップといった長場とのコラボグッズを揃えた。
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 コエ ドーナツが入居する京都松竹阪井座ビルは、かつて新京極阪井座として興行が行われていた歴史を持つ。ストライプインターナショナルは歌舞伎座タワーにオフィスを構えているという縁もあり、今回の出店は松竹サイドから「文化の発祥の地でイノベーションを起こし、新しい文化を作ってもらいたい」と声がかかったという。
 同社の展開ブランドの中でも、コエでは「コエ ハウス(KOE HOUSE)」内に併設するサラダショップ「コエ グリーン(koe green)」や、ホテル併設型グローバル旗艦店「ホテル コエ トーキョー(hotel koe tokyo)」など様々な業態を展開している。出店の打診を受けた4年前に新業態の構想を練り始めたという石川康晴代表取締役社長は「ストライプでは『ライフスタイル&テクノロジー』をビジネスドメインにしているが、食の部分がまだまだ足りていなかった」とし、コエ ドーナツを立ち上げたという。

 なぜドーナツを選んだのか。石川社長は「ドーナツは国民的なおやつだが、高カロリーかつ素材もケミカルなものが多く、マーケットを見ていてもドーナツ産業の売上は年々下がっている。カロリーを低くし、素材はオーガニック素材を使い、フレンチの最後に出てくるスイーツのようにフォークとナイフで食べる体験を提供することでマーケットを再定義できないかと考えた」と狙いを説明する。メインターゲットはSNSで情報発信を日常的に行うM1〜F2層。1号店が構える京都は観光客が数多く訪れ、国内外の美食家にもリーチできると捉えている。初年度の目標売上は2億円を掲げる。今後の出店計画に関しては「まずは京都の店舗に集中するが、いつかはグルメの街として知られる中国の広州や、ドーナツの本家があるアメリカでも挑戦できたら」とコメントし、世界展開に前向きな姿勢を見せた。

■koe donutsオープン日:2019年3月21日(木・祝)所在地:京都府京都市中京区新京極四条上ル中之町557番地 京都松竹阪井座ビル1階延床面積:439.08平方メートル (132.82坪)営業時間 :8:00〜20:00(不定休)※グランドオープンの3月21日のみ10:00オープン公式サイト
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