後藤真希、不倫報道後も「夫は裁判続行」……“オトコのプライド”は死語になるのか?

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2019年03月22日 00:02  サイゾーウーマン

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 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「そこ(裁判)をなしにして頑張っていこうとはならなかったのか?」極楽とんぼ・加藤浩次
『スッキリ』(日本テレビ系 3月14日)

 不倫は男性がするもの、というイメージを持たれていた時代もあったが、探偵をしている友人によると、今は「妻の不倫を調べてください」という依頼もかなり増えてきているそうだ。男女で違いがあるのは、女性が依頼をして来たとき、夫が不倫をしていないことは多々ある。しかし、男性が依頼してきたとき、妻はほぼ100%不倫しているそうだ。

 男性の方が、勘のニブい人が多いので、浮気の兆候に気づかないと見ることもできるだろうが、友人は「女性は思い立ったらすぐ行動するけど、男性は『女性に不倫をされたくない』『証拠を見たくない』というオトコのプライドが邪魔して、相談をするのが遅くなるのではないか」と分析していた。

 オトコのプライドという言葉は、意味がわかるようでわからない。しかし、女性はオトコのプライドを傷つけないように行動しろというのは、私が若い頃から現在に至るまで、脈々と受け継がれている。しかし、もう、オトコのプライドという言葉自体がなくなるのかもしれないと、ゴマキの不倫報道を見て思った。

 元モーニング娘・後藤真希。国民的アイドルグループの中心メンバーだったが、3歳年下の建設現場で働く夫と結婚、2児を設けている。最近はママタレ業にシフトしつつあり、料理や子ども、夫とのキス写真などをSNSに投稿し、家族円満を掲げてきた。しかし、実際はA氏(地方在住のハケン社員である元カレ)と不倫をし、これを知った夫が330万円の損害賠償を求めて裁判を起こしていると「週刊文春」(文藝春秋)が報じた。陳述書には、ららぽーと豊洲の映画館で、カップルシートに座って映画を見たことや、アパホテルに宿泊したこと、またセックスの回数についても触れられている。訴えられたA氏は、後藤から夫のモラハラやDVについて聞かされており、婚姻は破綻していたので不倫に当たらないと主張しているそうだ。

 同誌によると、不倫がバレたきっかけは、ドライブレコーダー。錦糸町のラブホテルに移動した際の記録を夫が見つけ、警察の実況見分さながらに後藤を問い詰め、後藤も白状したという。

 「文春」の報道を受け、後藤はブログで謝罪、夫とは離婚せずにやり直す意志を明かした。小さな子どももいることだし、めでたしめでたしと言いたいところだが、『スッキリ』(日本テレビ系)の司会・加藤浩次は、今も裁判が続行中であることに触れ、「夫婦でもう一回頑張って家族を作っていこうとなったんだから、不倫相手に対して訴えたい気持ちは残るのか?」と、その必要性を疑問に感じたようだった。

 同じような意見は、他番組でも出ていた。『バイキング』(フジテレビ系)で、「ご主人のはらわた煮えくりかえる気持ちはわかるけど、彼女とやっていこうと思うなら、ちょっと違うんじゃないかな」「家庭修復しようと思っているんだったら、外部には出しちゃいけないよね」と薬丸裕英が述べていた。

 加藤・薬丸は、離婚しないのであれば、裁判をする必要はないと判断したのだろう。不倫を「なかったこと」にするためにも……という考えがあったのかもしれない。これを、オトナの常識的な判断と見る人や、芸能人である妻を傷つけかねないことはやめた方がいいという判断と見る人もいるだろう。

 が、冒頭で述べた「妻に不倫されることを恐れるがあまり、不倫の証拠を突きつけられるのが怖い」ことをオトコのプライドだと仮定すると、「不倫を世間に明らかにするような行為をすべきではない」といった発言も、「自分は知りたくないし、ましてや世間にも知られたくない」という意味で、オトコのプライドを重視していると考えられるのではないだろうか。

 自分のパートナーに不倫をされてうれしい人はいないだろう。やり直すか離婚かはカップルそれぞれの決断だが、一つのポイントになるのが”収入”である。離婚して一人で生活をしていく自信がないので、収入の高い配偶者を手放したくないという判断をしても、なんら不思議はない。

 加藤も薬丸も妻は専業主婦であり、それぞれ3人、4人の子どもを育てている。これは、夫の収入がそれだけ多く、妻が差し迫って働く必要がないことをほのめかしている。この時代に、妻を専業主婦にできる甲斐性を持つ高収入な男性だ。加藤・薬丸本人がはっきり発言しているわけではなく、私の推測にすぎないが、金銭的な苦労を家族にさせていないという自負のある男性は、自分という存在を失いたくないため「妻は浮気しない」という一種の安心感を持っており、だからこそ一層「不倫された夫」が晒し者にされる今回のようなケースでは、「気の毒だ」「やりすぎだ」とオトコのプライドの面から思っているように、私の目には映るのだ。

 しかし、後藤の夫は、加藤や薬丸とは違う。人気の女性タレントは会社経営者やスポーツ選手など、高収入職の男性と結婚することが多いが、後藤の夫は一般的なサラリーマンなので、収入は後藤の足元にも及ばないのではないか。となると、後藤と離婚することは、子どもたちから母を奪うことになるだけではなく、人気タレントで高収入という自慢の妻をなくすことになる。そう簡単に手放したくないだろう。となると、溜飲を下げるために、不倫相手のA氏をワルモノにして訴えてもおかしくはない。「不倫をしたら、こうなる」と後藤にお灸を据えることにもなる。

 後藤を手放したくないのは、A氏とて一緒だろう。『バイキング』に出演した清原博弁護士によると、「文春」に掲載された陳述書は、「利害関係のある人しか見られない」ため、利害関係にある誰かが週刊誌に売ったと考えることができるだろう。不倫にうるさいこのご時世に、妻の仕事がみすみす減るようなことを後藤の夫がするとは思えないので、となるとA氏が売り込んだ可能性は低くはないだろう。後藤が芸能活動の謹慎に追い込まれたら、自分の元に帰ってくると思っているのかもしれない。

 夫もA氏も後藤が自分から逃げていかないように必死だと考えた場合、今回の騒動はそう理解できないものではない。二人とも後藤を手放さないために必死で、オトコのプライドなんて言っている余裕はないのだ。

 今から30年近く前、松田聖子が全米進出をし、白人男性と不倫をしていると報道された。家庭を持った女性が、夫と子どもをほっぱらかして仕事をするだけでもバッシングされた時代、それに加えて不倫である。聖子もバッシングされたが、確か「文春」の連載だったと思うが、林真理子が「オトコがしたいことは、オンナだってしたいんだ」と書いていた。

 今、本当に「オトコがすることは、オンナもする」時代になっている。仕事をする女性が増え、年収も「男性だから高い」「女性だから低い」という時代から、人それぞれになりつつある。浮気や不倫も、男女ともする人はするし、しない人はしない。

 2017年、Abema TV『極楽とんぼKAKERU TV』で、自身の年収を「億よりちょっと少ないくらい」と述べた加藤。結局、オトコのプライドなんてものを掲げられるのは、高収入男性であり、絶滅寸前種と見ることができるだろう。加藤のように高収入でない男性が掲げるオトコのプライドとは、オンナへの見くびり、もしくは怠慢を言い換えただけのものではないだろうか。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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  • 「不倫された夫」が晒し者にされる今回のようなケースでは、「気の毒だ」「やりすぎだ」とオトコのプライドの面から思っているように、私の目には映るのだ。←頭おかしいんじゃないか?取られかけてんのに?
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