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ネット恒例「オタク川柳大賞」から見えたオタク社会 平成最後に主催とともに振り返る

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2019年03月22日 17:08  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真第14回オタク川柳大賞
第14回オタク川柳大賞

 「アニメ観て 泣く俺を見て 母が泣く」「パソ消して 消える美少女 映るデブ」「デュフフコポォ オウフドプフォ フォカヌポウ」――例年受賞作が発表されるたび、オタクの境遇をユーモラスに表現した句にネットで笑いと称賛が起こる「あなたが選ぶ オタク川柳大賞」。3月22日に第14回の受賞作が発表されました。大賞は「細胞は はたらいてるが 俺無職」……人気漫画のタイトルをもじりながらの自虐っぷり、まさにオタク川柳らしい一句です。



【画像】オタク川柳大賞の第1回の様子



 オタク川柳大賞は開催14年目と、長寿イベントの域に達しつつあります。しかし10代〜30代のネットユーザーの中にはオタク川柳大賞の名前は知っていても、主催が「インターリンク」というインターネットサービスプロバイダー(ISP)企業であるのを知らない人は多いかもしれません。



 なぜインターネット接続事業者がオタクをテーマにした川柳アワードを14年も続けているのか。また平成が終わる今、オタク川柳大賞を開催しながら見えたオタク社会、ネット社会の変遷はあったのか。インターリンク(東京・東池袋)に取材しました。



●池袋乙女ロードに面していたので



 オタク川柳大賞がスタートしたのは2005年。1995年開業のインターリンクが創立10周年を記念して開催しましたが、当初は「あなたが選ぶ IT川柳」という名前でした。IT関連の言葉を入れた川柳(五・七・五)を募集し、インターリンクが厳選したノミネート作品から一般投票で受賞作を決めるというものです。



 第1回の大賞は「人生も 戻るボタンが 欲しい父」(作:楽天家)。他の受賞作も「妻が来た 閉じたいサイト フリーズし」(海光)、「ブラウザは どこの星座と 聞く夫」(のり)と、一般家庭にブロードバンドが普及したもののインターネットに不慣れな人が多い、そんな時代を思わせる句が目立ちます。「当時は14年も続く長寿イベントになるとは考えもしませんでした」(インターリンク担当者)



 しかし2008年の第4回開催で、名称を「オタク川柳大賞」に変更。お題もIT全般ではなくオタク全般に広げます。



 「インターリンク本社は“腐女子のメッカ”と呼ばれる『池袋乙女ロード』の目の前にあり、オタク(玄人)に支持をいただいている、上級者向けのインターネットサービスプロバイダーでした。ITだけにこだわらないコアな川柳を募集したく、オタク川柳と名前を変えました」



 この「オタク川柳」の誕生は国内最大のニュースポータル「Yahoo!ニュース」のトピックスに掲載されるなど大きく話題に。第4回の大賞は「聞いてない 誰もそこまで 聞いてない」(Vmax/30代)で、応募作品数は6974句と前回の約2倍に、第5回では1万5887句も集まるなどさらなる盛り上がりを見せていきます。



 第7回の年(2011年)には第4〜6回の入賞作や各著名人の作品を収めた書籍『オタク川柳〜―人はみな何かしらかのオタクです〜』が学研パブリッシングより出版。増刷されるなど大反響となりました。



 「大手企業の方からコラボのお話をいただいたなど、名称を変えたことで大きな反応をいただいたのは今でも強く印象に残っています。また、第9回のネ申(グランプリ※)を受賞した『アニメ観て 泣く俺を見て 母が泣く』の作者である、れおにだす様がご自宅でテレビの取材を受け、その様子が朝の情報番組で放映されたことは、忘れられません」



※同アワードでは大賞を第4回から「神」、第8回から「ネ申」と表記している。



●自分の「萌」を大切にしていることは変わらない



 オタク的な流行はめまぐるしく、毎年投稿作品から時代の変化は感じているとのこと。「『仮想通貨』など昔は使われていなかった単語を見たときは強く時代の変化を感じました」。大賞作品も第12回は「『君の名は』 聞いてくれたの ポリスだけ」(全全全然大丈夫/30代)、第13回は「いいじゃない 通貨も彼女も 仮想でも」(ポチパパ/40代)と、世相を感じられます。



 一方でオタクに変わらないと感じていることについては、「それぞれ自分自身の『萌』を大切にしていることです。オタクに普遍的なことではないかと思います」と回答。オタク川柳大賞ではキャッチコピーに「人はみな 何かしらかの オタクです」と掲げていますが、歌手のスガシカオさんが自身のブログでオタク川柳大賞のファンであることを公言しながら、このコピーを「ですよね・・・(^_^;)」と強い共感を持って紹介したこともありました。



 「昔は、オタクと言えばごく一部のステレオタイプのマニアだけを指す蔑称のイメージでしたが、今はとてもカジュアルにオタクを自称して、趣味をとことん楽しむ人たちが増えました。オタクを自認する有名人やタレントも増え、歌手のスガシカオさんがファンであるとブログに書いて紹介してくださったことは、『人はみな 何かしらかの オタクです』を強く感じたエピソードです」



 本業へのメリットについては、「インターリンクの名前は知らなくても『オタク川柳をやっている会社』として覚えてもらえることが増えました」とのこと。他にも毎年多くのオタクに刺激されることで、主軸商品である“ドメイン提供サービスのオタク”になるよう努めているそうです。



 2018年からはヴァージン諸島の「.vg」やツバルの「.tv」、アンギラの「.ai」など、南太平洋やカリブ海でドメインを持つ島、約50種類を4年かけて実際に巡る企画「ドメイン島巡り」を実施中。他にも一般的に知られていない/求められていないドメインの知識を一方的に提供するブログ「あなたの知らないドメインの世界」を開始しました。これはドメインオタクといわざるを得ない。



 「今後もライトなオタクからディープなオタクまで、全てのオタクの川柳であり続けられるよう、『聞いてない 誰もそこまで 聞いてない』(第4回ネ申)の精神でオタク道に精進して参ります。2019年11月、第15回オタク川柳でお会いしましょう」(インターリンク担当)



●歴代ネ申(グランプリ)



・第1回「人生も戻るボタンが欲しい父」(楽天家)



・第2回「増えすぎて どれがホントの お気にいり」(T侍)



・第3回「メール打つ さ行のつもりが 切るボタン」(打ったメール台無し/10代)



・第4回「聞いてない 誰もそこまで 聞いてない」(Vmax/30代)



・第5回「この知識 オタクに普通 世に不通」(とさか/30代)



・第6回「待受を 見た同僚に 謝られ」(なんでなんでなんで/30代)



・第7回「一児より 二次に手をかけ 家事惨事」(まゆみう/30代)



・第8回「生活のレベルを下げてレベル上げ」(LV28/20代)



・第9回「アニメ観て 泣く俺を見て 母が泣く」(れおにだす/20代)



・第10回「壁ドンを やってくれるの ルンバだけ」(ぴんくのかば/40代)



・第11回「パソ消して 消える美少女 映るデブ」(メグメグ/30代)



・第12回「『君の名は』 聞いてくれたの ポリスだけ」(全全全然大丈夫/30代)



・第13回「いいじゃない 通貨も彼女も 仮想でも」(ポチパパ/40代)



【訂正】2019年3月22日18時50分:記事初出時、「いいじゃない 通過も彼女も 仮想でも」と表記しておりましたが、正しくは「いいじゃない 通貨も彼女も 仮想でも」でした。お詫びをもって訂正いたします。


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