JR東海、2019年度重点施策について発表 - 新幹線N700Sの投入準備も

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2019年03月22日 19:22  マイナビニュース

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JR東海は22日、2019年度重点施策と関連設備投資を発表した。安全・安定輸送の確保を最優先に、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策、土木構造物の大規模改修工事等を着実に進めていく。

新幹線ではN700A(3次車)の投入を完了し、N700Aタイプへの車種統一を行うとともに、既存車両に地震ブレーキの停止距離短縮など3次車の特徴を反映させる改造工事も完了。車種統一による東海道新幹線の全列車の最高速度285km/h化を最大限に生かし、利便性・安定性をさらに高めるダイヤ改正を2020年春に実施するなど、輸送サービスの充実に取り組む。

加えて、2020年度に予定している次期新幹線車両N700Sの営業運転開始に向けて、地震ブレーキ距離の短縮や状態監視機能の強化による安全性・安定性の向上、バッテリ自走システム等による異常時対応能力の強化など実現をめざす。ハイブリッド方式による在来線次期特急車両の試験走行車も新製して走行試験を開始するほか、「しなの」「ひだ」をはじめとする特急列車は引き続き需要に合わせ、弾力的に増発や増結を行う。

超電導リニアによる中央新幹線計画については、工期が長期間にわたり、難易度が高い南アルプストンネル・品川駅・名古屋駅のほか、山岳トンネル・都市部非常口などについては工事の安全と環境の保全を重視し、引き続きトンネルや非常口の掘削、地中連続壁の構築等の各種工事を着実に進める。2018年10月の大深度地下使用の認可を受け、都市部トンネルの掘削に向けてシールドマシンの製作も行うという。

また、山梨リニア実験線において、営業線仕様の車両・設備により2編成を交互に運用し、引き続き長距離走行試験を実施。営業車両の仕様策定に向けた改良型試験車を製作し、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた実証を進めるとともに、さらなる超電導リニア技術のブラッシュアップと営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組むとしている。改良型試験車の投入も見据え、必要な走行試験を着実に行う中で、「超電導リニア体験乗車」を実施して超電導リニアのさらなる理解促進も行う。

その他、高速鉄道システムの海外展開、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーの一体的な運営のさらなる充実など、相乗効果を発揮することで収益拡大を図るとしている。(木下健児)
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