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偉大な父に劣等感…『まんぷく』の源ちゃんは、朝ドラ終盤の重要キャラ

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2019年03月23日 09:01  女子SPA!

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女子SPA!

写真(画像:『まんぷく』公式サイトより)
(画像:『まんぷく』公式サイトより)
 NHK連続テレビ小説『まんぷく』では、まんぷくラーメンの発明後、時を経て、新たな画期的商品・カップヌードルを萬平(長谷川博己)が考案。開発が順調に進んでいます。
 そして、とうとう3月18日放送分では、萬平&福子(安藤サクラ)の長男・源ちゃん(西村元貴)が着目した「フリーズドライ製法」により、スクランブルエッグを具にする案が採用されました。視聴者も皆、ホッと胸をなでおろしたことでしょう。

◆息子・源ちゃんの葛藤は、朝ドラ終盤のセオリー

 そもそも幼い頃の源ちゃんといえば、好奇心旺盛で、虫嫌いの鈴さん(福子の母、松坂慶子)を驚かせるため、黒豆と楊枝でムカデを作ったりするようなイタズラっ子でした。ビックリさせて大喜びする顔つきは、萬平さんが何か思いついた時の表情にソックリでした。
 にもかかわらず、大人になってからは意欲が薄く、まんぷく食品に入社して開発チームに入ってからも焦りを見せるばかりで、幼い頃のエネルギーや発想力はどこに行ったのかと思っていた人も少なくないはず。

 でも、大人になるにつれ、父親の凄さがわかってくることによって、劣等感が生まれ、伸び伸び感を失っていくのは、現実世界の“二世”にもよくあることでしょう。

 一代記や半生を描く朝ドラにおいては、「子」や「弟子」の葛藤というのは、終盤の定番要素の一つになっています。

◆『あさが来た』の長女、『わろてんか』の長男も

 例えば、『あさが来た』。お転婆で学問に強い関心があり、商才に長けていたあさ(波瑠)と、その長女・千代(小芝風花)は、幼少時は瓜二つで、どちらも鈴木梨央が演じていました。しかし、千代は母とは性格が大きく異なり、おとなしくしとやかで、成績は良いものの、学問への関心が薄く、女学校に進学したものの、卒業後は花嫁修業をします。憧れを抱いたのは、母ではなく、その優しい姉・はつ(宮あおい)のほうでした。
 一方、あさに心酔し、学問の道の後継者となっていくのは、娘・千代ではなく、その女学生時代の学友(吉岡里帆)でした。

 また、『わろてんか』の長男(成田凌)の場合、先見の明はあるものの、騙されやすい性質が父(松坂桃李)ゆずりでした。そのために、詐欺被害に遭って、母にフォローされたり、道ならぬ恋に走って母に勘当され、駆け落ちしたり。しかし、最終的には断絶していた母から、実は父と結ばれたのも駆け落ちだったことを聞かされ、和解を果たします。「偉大な母」を近くに感じることのできる瞬間でした。

◆『ちりとてちん』の嘘つきの弟子

 また、『ちりとてちん』の場合は、「子」といっても、お騒がせの「弟子」が登場します。草々(青木崇高)に憧れて弟子入りした者で、落語研究会出身で、話せるネタの数は多く、家事などもソツなくこなす優等生でした。しかし、問題は根っからの嘘つきであること。落語家になるために両親が死んだことにしていたことがバレ、実際に両親を亡くしている草々の怒りを買い、破門されそうになって、一門の「おかみさん」となったヒロイン・喜代美(貫地谷しほり)に救われる件もありました。

 バカがつくほど真っすぐな師匠に、嘘つきの弟子。不思議な巡り合わせです。

◆『カーネーション』の母・娘・孫の関係

 他に、「子」との関係性を語る上で忘れてはいけないのが『カーネーション』。

 娘たちは、圧倒的な情熱を持つ母・糸子(尾野真千子)の背中を見て、追いかけて、「お母ちゃんに認められたい」という一心で育ちました。そして、3人が母と同じ洋裁の道に進み、後に世界的なデザイナーとして羽ばたいていきます。
 しかし、娘たちが活躍する一方で糸子は年老いていき、娘たちが送ってくるデザイン画を模写するという、貪欲さや老いの寂しさを見せます。挙げ句、骨折したことから、娘たちに引退を勧められる展開もありました。

「子」が活躍しているかわりに、終盤に迷走を見せるのは、ヤンキーとなった長女の娘、つまり孫。そして、商店街のアホぼんたち。しかし、そうした頼りない面々もボーイフレンドとして従え、自身の死後も慕われ続ける、みんなの「母」になっていくのでした。

◆「迷える子羊たち」を見守る楽しみ

 朝ドラにおいて、ワクワク感や憧れを抱かせてくれるのは、当然ながら、物語を牽引するエネルギッシュな主人公や、主人公夫妻です。しかし、物語の熱量自体はやや低下するものの、終盤に登場する「偉大な親に劣等感を抱いてしまう子や弟子」のほうに共感を覚えたり、応援したい気持ちを持ったりする視聴者もけっこういるかもしれません。

 ちなみに、『まんぷく』にはもう一人、「外国人への恋に破れた長女」と、姉の夫で画家の忠彦さんのもとを出入りする「創作のために恋をしようと必死な弟子」が登場しています。
 仕事のことになると周りが一切見えなくなる集中力を持つ「天才」たちの周りにいる「迷える子羊たち」を見守るのも、朝ドラ終盤の楽しみなのです。

<文/田幸和歌子>



【田幸和歌子】
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など

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