阪急電鉄「京とれいん 雅洛」デビュー - 春休みに神戸線から直通も

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2019年03月23日 12:22  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
阪急電鉄は23日、京都線の観光特急「京とれいん 雅洛」の運行開始に先立ち、報道お披露目セレモニーと試乗会を実施した。梅田駅9時32分発の列車から営業運転を開始し、土日祝日に梅田〜河原町間で運行される。春休み期間中の平日、神戸線から京都線へ直通する列車に使用することも発表された。

観光特急「京とれいん 雅洛」は同社の7000系1編成を改造した6両編成。現行の6300系「京とれいん」のイメージを継承しつつ、「ご乗車されたときから京都気分」をコンセプトに、1両ごとに季節を定め、全車両に異なる外観・車内デザインを施した。乗降ドアは1両あたり片側2カ所とし、京都の寺社建築で用いられる円窓を各車両の中央部に設けた。

梅田方先頭車となる1号車(7006号車)は秋の京都を感じる車両に。外装は楓をテーマに京扇をデザイン。車内も円窓付近に楓をあしらった模様を描いた。ドア間の座席は初代「京とれいん」でも好評だった半個室状の畳を使ったクロスシートを採用。シート柄は紅葉文様を代表する図柄「流水に楓(濃紺色)」を用いた。車端部のロングシートは「流水に楓(紅色)」の柄を使用している。

2号車(7506号車)は外装に竹を描き、車内の円窓付近に「枯山水の庭」を設置。雪見障子とも相まって、凛とした京都の冬を感じる車両となった。車内はロングシートで座席幅を広げ、ドア間のロングシートは「七宝紋」「更紗(藍色)」、車端部のロングシートは「円・輪・波紋」の柄を採用。円窓の景色と枯山水の庭を楽しめる畳座席も配置した。

3号車(7566号車)は扇の中に桜を描いた外装で、はんなりとした京都の春を感じる車両に。ドア間の座席は窓向き座席と1人掛けのクロスシートを配置し、シート柄に「桜と網代(黒色)」を採用。車端部のロングシートは「桜と網代(紅色)」の柄とした。4号車(7576号車)も3号車と同様の座席配置で、ドア間の窓向き座席・1人掛け座席のシート柄に「七宝紋」、車端部のロングシートに「更紗(藍色)」の柄を採用。円窓に杜若(かきつばた)を描いた。外装は扇の中に葵を描き、夏の京都を感じさせる車両とした。

5号車(7606号車)は夏から初秋へ移り行く季節感を味わえる車両とし、外装に芒(すすき)をデザイン。車内は円窓の下に「坪庭」を配置し、畳座席も設けた。ドア間のロングシートは「京鹿の子絞り」「菱と市松模様」、車端部のロングシートは「更紗(えんじ色)」の柄を採用。河原町方先頭車となる6号車(7106号車)は、早春の京都を感じる煌びやかな車両とし、外装は扇の中に梅をデザイン。ドア間の座席は半個室状の畳を使ったクロスシートとし、シート柄に「菱と市松模様」を採用。車端部のロングシートは「鱗文様」の柄を使用した。円窓には鶴と松をあしらい、早春らしさを表現している。

定員は1・6号車が各108名(座席定員は各40名)、2・5号車が各125名(座席定員は各45名)、3・4号車が各113名(座席定員は各33名)で、編成全体の定員は692名(座席定員236名)。車内照明はLED化され、あたたかみのある電球色の間接照明やダウンライトでくつろぎの空間を演出する。ドア上の車内案内情報表示器は日・英・中・韓の4カ国語表示とし、季節に応じた植物を背景に表示。各車両の妻面部に27インチフルハイビジョンディスプレイを設置し、京都観光のPR映像などを放映する。車外の表示器もLED化され、「快速特急」「京とれいん雅洛」を交互に表示する。

車内無料Wi-Fiサービスは訪日外国人向け「HANKYU HANSHIN WELCOME Wi-Fi」と、誰でも利用可能な「HANKYU TRAIN FREE Wi-Fi」の2種類を提供。乗務員室のカメラで撮影した映像を見られる前方映像配信サービスも提供しており、各号車に掲出された案内をもとに、専用Wi-Fiに接続することで、手持ちのスマートフォンやパソコンから走行中の列車の前方映像をリアルタイムで楽しめる。
○春休みの平日、西宮北口〜嵐山間直通特急で運行

運行初日の3月23日、正雀車庫内で報道お披露目セレモニーが行われ、阪急電鉄の都市交通事業本部長、野村欣史氏が挨拶。「初代『京とれいん』が好評を博し、近年は海外から多くのお客様が京都を訪れるようになりました。京都観光をもっと盛り上げたいとの思いで、この『雅洛』を作った次第です」と述べ、同列車の運行に関して、「土休日に7往復走る『京とれいん』のうち、4往復が『雅洛』となります。行楽シーズンは平日も一部区間で走らせ、他にもイベント列車など考えていきたいと思います」と説明した。

セレモニーでは「京とれいん 雅洛」を前にテープカットも実施。その後は車内見学を経て試乗会となり、報道関係者らを乗せて梅田駅まで走行した。車内で取材に応じた野村氏は、同列車の特徴を「着く前から京都を楽しんでいただける、乗ること自体を楽しめる列車。窓側を向いた座席が設けられ、坪庭が電車内にあるのは珍しいと思いますし、車両ごとにそれぞれの季節を感じていただけるところも特徴となっています」と話す。

梅田駅では多くの鉄道ファンらが待ち構え、同駅9時32分発の営業初列車も車内は大混雑となった様子。「京とれいん 雅洛」は運賃のみで乗車できることもあり、今後しばらく混雑が予想される状況だが、野村氏によれば「最初のうちは皆さん関心を示して乗っていただけますし、行楽シーズンもやはり混むと思います。行楽シーズン以外も走りますので、そのときにゆったり乗っていただければ」とのこと。「京とれいん」「京とれいん 雅洛」はともに京都線の特急が発車した直後に運行されるため、「特急の混雑緩和にもつながるのではないか」とも話していた。

「京とれいん 雅洛」は土日祝日、梅田〜河原町間で快速特急として運行。梅田駅の発車時刻は9時32分・11時32分・13時32分・15時32分、河原町駅の発車時刻は10時41分・12時41分・14時41分・16時41分、梅田〜河原町間の途中停車駅は十三駅・淡路駅・桂駅・烏丸駅とされている。同じく土日祝日に運行される「京とれいん」は快速特急Aとして運行され、快速特急の停車駅のうち、十三駅は通過となる。

阪急電鉄は春休み期間中の3月26・27・28日と4月2・3・4日、「京とれいん 雅洛」を西宮北口〜嵐山間の直通特急として運行することも発表している。往路は神戸本線の西宮北口駅を9時51分に発車し、十三駅から京都本線・嵐山線を走行して嵐山駅に10時54分に到着。復路は嵐山駅を16時9分に発車し、西宮北口駅に17時11分に到着する。

同社は行楽シーズンを中心に、神戸線・宝塚線から京都線へ直通する臨時列車を運行している。今春は神戸線・宝塚線の車両だった7000系改造の「京とれいん 雅洛」を使用し、桜の季節に合わせて運行するという。春休み以降、京都線へ直通する臨時列車に「京とれいん 雅洛」を使用するかどうかは現時点で未定とされ、「お客様の反応も見ながら考えたい」とのことだった。(上新大介)

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  • この車両の一番のメリットはベースが神宝線系車両なのでそのまま直通運転ができること 扉扱いも2800系と同じく真ん中以外変わらずなので楽であること ちょっと前まで今津北線をのんびり走っていたのに一気にフラグシップ抜擢
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