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【漢字トリビア】「曙」の成り立ち物語

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2019年03月24日 11:10  TOKYO FM +

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写真【漢字トリビア】「曙」の成り立ち物語
【漢字トリビア】「曙」の成り立ち物語
「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「曙」。日の出の時刻がずいぶん早くなりました。「春眠暁を覚えず」とばかり朝寝を決めこんでいると、かの有名な「春はあけぼの」を見そびれてしまいそうです。
(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」2019年3月23日(土)放送より)



「曙」という字は「日へん(ひへん・にちへん)」の横に、「署名」の「署」と書きます。
「日へん」は、太陽の姿を描いた象形文字で、太陽そのものや、「一日」を意味しています。
一方、「署」という字は、はじめに「目」を横にした形の、「よこめ」と呼ばれる部首を書きます。
この「よこめ」はもともと網目を描いた象形文字です。
その下の「者」という字は、器の上に交叉させた木の枝を置いた様子を示しています。
つまり「曙」という字は、器に枝を摘みあげて火を焚き、太陽のようにあかあかと燃える様子を意味するというのです。

厳しい冬の寒さを越えてやってきた春の朝は、いにしえの人たちにとって、さぞかし、幸福に満ちた風景に見えたことでしょう。
太陽が本来の力を取り戻せば、水もぬるみ、大地は芽吹く。
再び、作物を育てることができる季節がやってくるのです。

「あけぼの」の語源をひもとくと、「明け」は夜が「明ける」「明るくなる」の意味で、「ぼの」は「ほのか」の「ほの」が濁ったもの。
「ほのか(仄か)」とは「かすかに、わずかに、少しだけ」という状態です。
やわらかなぬくもりを届ける光と、黄色みをたたえたやさしい赤色。
それがたとえささやかな兆しでも、人々は心をゆるめ、安堵のほほえみを交わし合ったのです。

ではここで、もう一度「曙」という字を感じてみてください。

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」
ふと、口にしてみたくなる、清少納言の「枕草子」第一段。
春の空の風景は、刻々と変わってゆきます。
夜明けの空を染める曙色も、ほんのひととき。
千年前の才女は、生き急ぐ私たちにこう、告げています。
その美しい時間を、ゆっくりまるごと、味わいなさい、と。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『学び直しの古典 うつくしきもの枕草子』(清川妙/著 おのでらえいこ/絵 小学館)


3月30日(土)の放送では「生」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。


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<番組概要>
番組名:感じて、漢字の世界
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/
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