『フルーツバスケット』(高屋奈月)感情移入せずにはいられないキャラ造形に、涙なしでは語れない巧みな伏線回収…再アニメ化も期待せずにはいられない!!

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2019年03月26日 15:01  おたぽる

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おたぽる

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 大好きな漫画。だけど大好きすぎてあまり見返せなかった漫画があります。その漫画が今年、再アニメ化されます! 今回は、高屋奈月先生の漫画『フルーツバスケット』を改めて読ませていただきました!!


 以下、あらすじです。


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 本田透は都立海原高校に通う女子高生。唯一の家族だった母親を事故で亡くし、小山で一人テント暮らしをしていた。ところがそのテントを張った場所は、同級生の草摩由希の一族が所有する土地だった。何とか交渉し敷地内でのテント暮らしを許可してもらおうとしていた時、土砂崩れでテントも失ってしまい、それがきっかけで由希が暮らす同じ一族の草摩紫呉の家に居候することに。


 居候初日、透は草摩一族の秘密を知ってしまう。彼らは代々十二支の物の怪憑きで、異性に抱きつかれると憑かれた獣に変身してしまうという体質だったのだ。
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 2007年に「もっとも売れている少女漫画」としてギネス記録も所有しているこの漫画。思い出がある方も多いのではないでしょうか。


 久々に一気に(※全23巻)読み返したものだから、かなり大変でした。でも最初から涙腺を攻撃されまくり。キャラクターの台詞、直面する出来事、そこで動く気持ち、これら全部に揺さぶられ過ぎて、「ああだから私はこの漫画が大好きなんだな」と自分の中にたくさんの彼らがずっと根付いていたことを感じました。


 この漫画の中には、形は違えど誰もがいずれかのキャラクターに感情移入してしまうようなエピソードが描かれています。


 もちろん私たちは草摩家のように十二支の物の怪に憑かれたりはしません。でも、彼らがその運命ゆえに遭遇した出来事の中で近しい経験をしたことはないでしょうか?


 学校でいじめられたこと、友だちとうまくいかなかったこと、大好きな誰かに気持ちが届かなかったこと、居場所がないこと、愛されたいと思ったこと、誰かを妬んでしまうこと、自分と周りが違うことに悩むこと、自分のエゴにがっかりすること、相手に期待しすぎてしまうこと、大好きだった人を忘れてしまう恐怖、忘れられてしまう恐怖、羞恥心、愛情、言葉にできない気持ち……。


 主人公の本田透をはじめとしたキャラクターが抱える葛藤は、物語の中と全く違う場面で、私たちの現実でも感じうる気持ちが多く、余計にキャラクターに共感する。だからこんなにも、長く、幅広い層に愛されている作品なのかもしれません。


 私が特に好きなのは紅葉くん。紅葉くんの強さ、かわいさはもう透くんとはまた別の意味で憧れの人です。相手が傷付かないように、重荷にならないように、そして自分も気持ちのいい方に、ものすごく回りをみて、気づかって、愛を持って立っている紅葉くん。勇気を持たないとあんな風にできないでしょう。


 作中の紅葉くんの言動に、私は何度泣いたでしょうか。何度紅葉くんみたいになりたいと思ったことか。


 他のキャラクター達も、「こうなりたかった自分」に近いキャラ、同じような悩みを抱えてもがくキャラ、成長していく過程をみせてくれたことで勇気をもらったこともたくさんありました。


 そしてそのキャラクター達のそれぞれの悩み・呪いを解いてくれた、その背中を押してくれた透くん、そして今日子さん。


 私たちの呪いを透くんが解いてくれた。また透君がもっていた不安や悩みは透君の周りのみんなが解消してくれて、透君の真ん中には今日子さんがいて……。


 最初から最後まで、伏線が張り巡らされていたものが回収されていって物語が完結するまでが本当に素晴らしいのです。


 それぞれに今までの道があり、人と出会って関わって変化していく様がそのキャラクターが生きている感がすごい。あの出来事には涙したけれど、それがなかったらあの幸せが得られなくて……っていう私たちの人生にも置き換えることができる。


 私たち読者は、由希で夾で紅葉くんで、花ちゃんで魚ちゃんで、透くんでもある。物凄く近くに、彼らがいてくれることに、久しぶりにこの物語を読んで気付いたのでした。


 今回のアニメ化は、全編アニメ化。キャストもスタッフも真っ新にスタートするとのこと。


 出来ることならば、原作のあのテンポ感、私たちが読み取った気持ちをそのままアニメにしてもらいたいです。多分関わっている人の多くもフルバに影響を受けた人多いだろうから、心配は少ないのですが。


 4月からの新しいアニメ版フルーツバスケットと、原作のフルーツバスケット。これからもずっと大切な作品です。まだ読んだことのない方はぜひ、この機会に読んでみてください!
(文=華山みお) 


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