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中小企業の生産性向上に必須な「賃金制度」 専門家が語る正しい運用法(2)

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2019年03月26日 18:02  新刊JP

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新刊JP

写真『小さな会社の〈人を育てる〉賃金制度のつくり方 〜「やる気のある社員」が辞めない給与・賞与の決め方・変え方〜』の著者・山元浩二さん
『小さな会社の〈人を育てる〉賃金制度のつくり方 〜「やる気のある社員」が辞めない給与・賞与の決め方・変え方〜』の著者・山元浩二さん
仕事のモチベーションは人それぞれだが、給料は仕事を選び、続けていくための重要な要素なのはまちがいないだろう。

それゆえに、賃金が大企業と比べると低い中小企業ほど人材が集まらない、定着しない、という問題に悩まされやすい。人的リソースの不足がネックとなり、事業が成長せず、さらに賃金が上がりにくくなるという悪循環をいかに抜け出すかは中小企業の未来を決めると言っても過言ではないはずだ。

賃金制度はこの問題の解決方法の一つだろう。中小企業の中には従業員の賃金を決める基準が不明瞭だったり、あるいは存在しなかったりするところも多い。「賃金が低く、しかも社長の一存で決まる」という状態は、従業員の賃金への不満に拍車をかけてしまう。

今回はこの賃金制度の導入と運用について『小さな会社の〈人を育てる〉賃金制度のつくり方 〜「やる気のある社員」が辞めない給与・賞与の決め方・変え方〜』の著者・山元浩二さんにお話をうかがった。その後編をお届けする。

(インタビュー前編を読む)

――賃金制度は業績向上に結びつくものなのでしょうか。

山元:そうですね。これまでにお話ししてきた評価制度や経営計画、会社のビジョンや理念が定まっているのが大前提ですが、それらがあるのであれば賃金制度は業績アップに結びつくものです。

逆にいえば、評価制度上の評価が上がっているということは、社員それぞれが成長して会社の業績も上がっているということですから、それが賃金に反映されるということです。

――経営理念の策定からスタートして、ビジョンを定め、それに準じた評価制度と賃金制度を作り、最終的に業績アップに結びつくまでにはどのくらいの時間が必要になりますか?

山元:それは会社の規模やそれまでの取り組みによっても変わってきます。今おっしゃったような仕組みを通じて成果が出たと言えるまでには3年くらいはかかると思います。

――以前お話を伺った時、評価制度は従業員皆が納得できるものにするためにトライアルをしたり、何度も改善を重ねていくことが大事だとお話しされていました。賃金制度にも同じことが言えるのでしょうか。

山元:評価制度については、トライアルやアンケートをして、最終的に皆が納得するものにする必要があるのですが、ここである程度の納得度が得られていれば、賃金制度のところで不満が出ることは少ないと思います。

評価制度ができるということは、どうすれば給料が上がっていくかが明確になるということです。評価制度に基づいた賃金制度によって一時的に給料が下がってたとしても、なぜ下がったのかがわかりますし、自分のやるべきことは明確になりますから、それでモチベーションが下がることは少ないはずです。

また、この本の手法では、評価が実際に給料に反映されるまでに一定の猶予時間を設けますからその間に評価が下がったポイントを改善することができます。

――賃金制度の導入がうまくいくどうかは、評価者の評価スキルがポイントになると思いました。たとえば、評価者間の評価スキルのばらつきによって従業員が不公平感を持ってしまうことも考えられるかと思います。複数人いる評価者のスキルを一定に保つためにどんなことが必要になるのでしょうか。

山元:人間が評価する以上、完全に公平になることはないかもしれませんが、どちらかというと重要なのは評価をされる従業員の側が納得するかどうかです。

いかに評価者が部下に対して真剣に取り組んで、本人の成長のために支援をしているかが見えれば、部下としても信頼してついていこうとなります。だから、客観的に見て公平かどうかよりも、意識の問題というところが大きいと言えるかもしれません。

とはいえ、「〇〇さんの下についたからラッキー」「△△さんの下は嫌だ」となるのは問題ですよね。私たちがコンサルティングに入った企業では、評価者それぞれに対して評価制度と照らし合わせながら判断根拠をヒアリングしてフィードバックしていきます。賃金制度を導入する場合、こうした取り組みはやっていった方がいいでしょうね。

――本書の読者となりうる中小企業経営者の方々にメッセージをお願いいたします。

山元:自分の会社の社員の生産性を上げて、会社を成長させ、業績をアップさせ、そしてその分はきちんと給料に反映させていくようにかじ取りをしていただきたいです。

自分の会社の社員の平均給与や平均年収が業界全体でどの位置にあるとか、同規模の会社と比べてどうかなどを分析している中小の社長は少ないと思いますが、そういったことを調べてみるのもよりよい経営を考え直すきっかけになるのではないかと思います。

(新刊JP編集部)

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