松重豊初主演映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』10月公開 北川景子と年の差夫婦を演じる

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2019年03月27日 07:01  リアルサウンド

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 松重豊が初主演を務める映画『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』が、10月に公開されることが決定した。


参考:松重豊、『検察側の罪人』の骨幹部分を支える役割に 光る名演は長い“演劇人生”が活きている?


 原作は、一般的に馴染みの薄い“男性不妊”を真正面から描きながらも、ユーモア溢れる語り口が大きな話題を呼んだ、作家・ヒキタクニオが自らの体験を基に書き上げた同名エッセイ。49歳の作家・ヒキタクニオは、二回り近く年の離れた愛する妻・サチと仲良く2人で暮らしていた。子どもは好きだけど、自分たちの子どもは作らずに 2人だけで生きていくと決めていたが、ある日「ヒキタさんの子どもに会いたい」と妻は言った。その一言がきっかけで妊活を始めるも、なかなか結果は出ない。クリニックでの検査の結果、不妊の原因はヒキタ自身にあることが判明、そこからヒキタ夫妻の悲喜こもごもの妊活の日々が始まる。


 主演ドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)が日本のみならずアジアでも大人気を誇る松重が、主人公ヒキタ役を演じ、本作で映画初主演を務める。男性不妊という現実にショックを受けながらも、それを受け止め、夫婦で力を合わせ、全力で妊活に取り組むヒキタ役に挑む。


 ヒキタと二回り近い年下の妻・サチを演じるのは、北川景子。松重と共演経験はあるが、夫婦役は今回が初。懸命にヒキタを支え、共に困難を乗り越えていく健気な妻を演じる。また、ヒキタの担当編集者・杉浦役に濱田岳、サチの厳格な父親・和夫役に伊東四朗、ヒキタ夫妻の主治医・桑島役に山中崇が名を連ねた。監督は、『ぱいかじ南海作戦』『オケ老人!』などを手がけたほか、脚本家や構成作家としても活動する細川徹が務める。


 また、本作が今年4月に開催される第9回北京国際映画祭コンペティション部門に正式出品されることも決定。ワールドプレミアとして、日本公開に先駆け、世界へ向けて初お披露目される。北京国際映画祭における日本映画のコンペティション部門出品は、園子温監督作『ラブ&ピース』以来2作目となる。


■松重豊(ヒキタクニオ役)コメント
●脚本を読んで
妊活モノというのは全く想定外の出演依頼でして、ひとくちに子作りと言っても、大変な苦労があるものだなと、読んではじめて知らされることばかりでした。


●ヒキタさんを演じてみて
北川景子さんが奥さん役でしたので、この年齢差をどう成立させなきゃいけないのか、そればかり考えて現場に入りました。でもそこはさすが北川さん、実に自然な夫婦感を醸し出してくれました。思えば私にとって、夢のようなひとときでした。


●撮影や共演者について
北川さんはじめ、伊東四朗さん濱田岳くん、じつにナチュラルにこの世界を包んでくださる共演者に囲まれ、ストレスを微塵も感じないスタッフワークと共に、クランクアップが恨めしいほどでした。


●「北京国際映画祭」コンペティション部門への正式出品が決まって
こういう華やかな舞台は自分には無縁だと思っていました。北京には美味しいカフェがあって、そこに繰り出してスイーツを食べるのが今から楽しみです。


■北川景子(ヒキタサチ役)コメント
●脚本を読んで
不妊治療をテーマにしながらもコメディタッチで描かれていて面白かったです。
弱音を吐かず、懸命に夫を支えるサチさんの姿は同じ女性としても感銘を受けました。
ヒキタさんとサチさんが歩んできた道のりをいかにリアルに、ユーモアたっぷりに表現できるかが鍵になると思いました。


●サチを演じてみて
ヒキタさんとサチさんはふた回りほど年の離れた夫婦ですが、松重さんとは何度も共演させていただいているので、信頼関係が出来上がっている状態で演じられたのは本当に良かったと思います。クランクインしてすぐに、自然と夫婦になれたような気がしました。
私はこの作品に取り組んで不妊治療について詳しく知ったのですが、夫婦の心の絆と、困難にぶつかっても乗り越える強さがなければ到底できない、大変なことだと知りました。私は経験がありませんでしたが、サチさんの不妊治療に取り組む姿勢をリアルに表現したいと思いました。
とても難しかったですが、この作品がたくさんの方に届いてほしいと思います。


●撮影や共演者について
撮影はほぼ一年前。もう懐かしいです。松重さんと毎日朝から晩まで一緒にいて、本当に家族のような錯覚さえ覚えました。濱田岳くんもよく知った方なので、アットホームな現場でした。桜のシーンが印象的で、天候にも桜にも恵まれ、とても良いシーンになりました。
楽しみにしていてください。


■脚本・監督:細川徹 コメント
●脚本執筆や撮影について
男の不妊治療の原作を映画化しないかというお話をいただき、興味を持ちました。原作を読んで益々関心が高まり、不妊治療のセミナーに通ったり、経験者や専門医の方々に取材を重ねる度に驚き、感動し、命を紡ぐ話を丁寧に書きあげようと努めました。原作はヒキタさんご自身の体験を書いたノンフィクションですが、精子の強化対策にがんばるヒキタさんの姿はコミカルながらも、感動的でした。原作と取材で出会った人々との出会いに感動したところを、より感動できるように、笑ったところを、より笑えるように、ということを心がけて、脚本を書き、撮影しました。


●キャストについて
松重さんとの顔合わせの時も、撮影が始まる前の衣装合わせの時も、松重さんは自分たちが夫婦に見えるかを気にされていましたが、二人が揃った初日の夫婦のかけあいがとても自然体な夫婦になっており、さすがでした。北川さんは、ドラマではキャラクターの濃い役を多くやられているので、ごく普通の女性の役は珍しいと思いますが、その自然な演技がとても魅力的で、新しい北川さんが発見できるかと思います。お二人のお芝居を見ているだけで楽しかったので、奇をてらわずに、まっすぐに撮るということだけを考えました。いい雰囲気の中で撮影できましたが、北川さんが松重さんより早くクランクアップした翌日の朝、スタッフ一同北川ロスになり、穏やかだった現場で初めて、怒号が飛んだのもいい思い出です。


●完成作品について
子供が生まれるというのは当たり前のことのようでもありますが、その当たり前が実は奇跡であり、ドラマチックなことなのだと思います。テーマは、男の不妊治療ですが、子供がいる、いない、結婚している、していないに関わらず、夫婦が家族に成っていく物語は男女共多くの世代に受け止めていただける作品になったと思います。


■企画・プロデュース:前田浩子 コメント
●作品の成り立ちについて
テレビニュースの「男にも更年期障害はある」という特集が発端でした。同時に不妊の原因が男性側にあることが多いという事実に驚いている時に本作の原作エッセイを持ち込まれました。リサーチして知った、深刻な状況と共に、これは命を紡ぐ夫婦が本当の家族の話になっていくというラブストーリーであると確信し、企画がスタートしました。


●キャスティングについて
かなり年下の妻を持つ中年男が女性客にいやらしく映らない人、どこか少年の、いや子供のような可愛らしさのある大人の男。その条件を満たしているのは松重豊さんしかいないと監督と意見が合致しました。そして、その夫を支える妻は地に根の張ったような強さを持ち合わせながら優しさを秘めたイメージで、これもまた北川景子さん以外には考えられませんでした。濱田さんはそのチャーミングな個性が主人公とうまくアンサンブルを醸しだす相方として完璧だと思えたこと、山中崇さんは不妊治療専門医として無表情と温情のある両面を表現できると期待を込めて、そして、伊東四朗さんは監督と私が一度仕事がしたい!と憧れる俳優さんだったからに他なりませんでした。


●完成作品について
作品ごとに進化してきた細川監督はこの素晴らしいキャストを迎えて、ここにきて、今までになかった抒情性を持った、泣いて、笑って、胸が熱くなる作品に仕立てるに至りました。不妊治療をネガティブに捉えず、チャレンジする姿は愛おしさに満ちて、ラブストーリーとして観る人の心を打つと信じて止みません。


(リアルサウンド編集部)


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