いよいよ解き放たれるか、エヴァの呪縛　『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の行方

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の完結作とされる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のアフレコが始まったことが関係者らのツイートで明らかになり、朗報と喜びの声が広がっている。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の上映が始まったのが2007年。テレビ東京系列で『新世紀エヴァンゲリオン』の放送が始まったのが1995年のこと。すでに遠い昔である。気がつけば人生の半分くらいは「エヴァの続きはどうなるんだろうか……」と考えて生きているのは筆者だけではないはずだ。

　2016年のことだが、マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟の会合に出席していた庵野秀明監督に、本題であるアニメーションの資料保存についてうかがった後に思わず「続きはどうなってるんですか？」と尋ねてしまった。その時、庵野監督曰く「『シン・ゴジラ』が終わったらやりますよ」と。それから数年、いったいどうなることかと思っていたが、ようやくの朗報に期待が高まるばかりだ。

　ここまでの人生で「続きはどうなる」のみならず、いかに解釈すればよいのか家族友人知人と話し合うために費やした時間は長い。とりわけ『シト新生』から『Air/まごころを、君に』の上映に至る期間は、だいだい日がな一日、そのことばかりを考えて過ごしていた記憶がある。

　その時に耐性が出来ていたのか、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の衝撃に精神は耐え切れたものの、ふとした瞬間に「ここから、どうやって大団円に持っていくつもりなのか」と考えることは多いものだ。

　まさに「エヴァの呪縛」に囚われた人生。そうした人生を送っている人が世界にはどれだけいるのだろうか。それもようやく来年の公開によって、一つのピリオドを打つことになる。願わくば今度は呆然とせずに満面の笑みで映画館を出てくることが出来ると信じて!!
（文＝昼間 たかし）