7〜10人にひとり!ひとごとではない「産後うつ」のSOS

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2019年03月29日 21:51  &Mama

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産後うつはひとごとではありません。


“出産した7〜10人に一人が産後うつにかかる”とも言われています。(※)


産後うつとはどのような気持ちになるのか、また原因は何なのかについてあき助産師にお話しいただきます。



産後うつ病が増加している背景とは

産後うつ病が増えている背景として、核家族化・少子化・出産年齢の高齢化・地域関係の希薄化などが関係していると考えられています。


つまり、“赤ちゃんとの生活”をほとんど知らないままに育児が始まり、一人ぼっちで赤ちゃんと向き合い、“誰でもできることだから弱音が言えない”と追いつめられるママが増えている……ということです。



「めちゃめちゃな気持ちです」あるママから届いた手紙
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筆者のもとへ、産後3ヶ月のママからお手紙が届きました。


「私は産後うつですか?」「めちゃくちゃな気持ちです」


そんな、叫びのような思いがしたためられていました。


ご本人の承諾を得て、以下に引用します。



わたしは、ようやく妊娠できてうれしくてたまりませんでした。


 お母さんになれるんだと思うだけでわくわくして、赤ちゃんに会える日が楽しみでした。


 無事に娘が生まれて、お母さんになれたことが信じられませんでした。


でも、産院から退院してすぐに、ピンク色の世界が真っ暗な世界に変わってしまったのです。


わたしは「産後うつ」と自分は無関係だと思っていました。でも、今のわたしは「産後うつ」なのかもしれないと思っています。毎日いろんなことが頭の中をぐるぐるしていて、めちゃくちゃな気持ちです。赤ちゃんを愛したいのに、かわいいと思えません。


真っ暗なトンネルに閉じ込められたような感覚で、このままこの暗闇が続くと思うとぞっとします。おっぱいを吸わせると乳首に血がにじんで痛み、母乳が出ないのは母親失格だと思ったら、ますます情けなくなって泣いてばかりいます。


世の中には、虐待で赤ちゃんを殺す人がいることが許せません。怒りで涙が出ます。でも本音は、「もしかしたら私も殺してしまうかもしれない」という怖さでいっぱいなんです。


よく考えたら、私は陣痛が始まってからゆっくりと眠っていません。ゆっくりとご飯を食べることもしていません。会陰切開の傷が痛くてうずいて、座るのもおっくうで、服を着る気分にもなれなくて、常におっぱいを出したままで過ごしています。


わたしは、いつも笑っている優しいお母さんになるはずでした。


この子を授かった日から、「笑っているお母さんになりたい」と思ってきました。


でも、現実のわたしは泣いてばかりいるのです。そう思ったら、こんな母親のもとに生まれた娘が不憫で涙がとまらなくなります。


わたしはずっと、ちゃんと生きてきたつもりです。大学に行くために勉強したし、仕事もがんばってきました。それなりの実績もあります。だからわたしは、母親になってもちゃんと育児ができると信じていました。


でも、わたしには、当たり前の育児すらちゃんとできないのです。


こんな私なんかもう生きる価値もない、だから死んでしまおうと思ってベランダから下を眺めました。飛び降りたら楽になれると思いました。早く楽になりたいと思いました。「飛び降りる勇気は一瞬だ」と思いながら、ずっと下を眺めていました。


気が付いたらかなりの時間がたっていました。赤ちゃんの泣き声が聞こえて、ハッと我に返りました。あと数分経っていたら飛び降りていたと思います。赤ちゃんの泣き声を聞きながら、「わたしが死んでしまったら、この子はどれほど不憫な人生になるのだろう」と思ったら、また涙があふれて嗚咽しました。


お母さんになったら死ぬこともできないんだと気づき、責任の重さに押しつぶされそうです。


仕事に出かけた夫が恋しい。私をひとりにしないでほしい。守ってほしいと叫びたい。


赤ちゃんが泣くたびに近所の人に虐待だと思われる気がして心配になります。だからいつも窓もカーテンも閉めています。でも本心は、近所の人に「かわいい赤ちゃんね」と声をかけてほしくてたまらないのです。


振り返ってみたら、出産してからのわたしは泣いている記憶しかありません。


これが「産後うつ」ですか?




産後うつはひとごとではない 
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産後うつはひとごとではありません。


昔のように近所の交流が豊かであれば、「あらあらどうしたの?」「手伝うから言ってね」「赤ちゃんを抱っこしているから休んだら?」と地域のなかで支えられ、赤ちゃんの泣き声も温かく見守られていたのだろうと思います。


では、産後うつに苦しむママが減るために、わたしたちには何ができるのでしょうか。


「こんにちは!」


「かわいい赤ちゃんですね」


「手伝えることありますか?」


そう声かけしあえる地域でありたい。


「赤ちゃんを産んだからそれで終わり」ではなく、産後のママをサポートできる制度が増えてほしい。そして、社会全体で「いのちを生み出した母親を支える」ことが当たり前になっていく……そんな未来を願っています。



【参考・画像】
ママから笑顔がきえるとき (動画)-文京学院大学
※  Andrey_Popov、 Josep Suria、 Africa Studio / Shutterstock、著者


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