“フレッシュ王子”THE RAMPAGE 吉野北人＆川村壱馬 『PRINCE OF LEGEND』で見せた伸びしろ

　王子たちが絶賛大渋滞中の映画『PRINCE OF LEGEND』。片寄涼太のキラキラぶりや、鈴木伸之のオラオラぶり、佐野玲於のムキムキぶりなどなど、それぞれの個性が光る役者たちだが、その中で一際フレッシュなオーラを放つのがTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEの吉野北人と川村壱馬だ。

　『PRINCE OF LEGEND』は、『HiGH＆LOW』シリーズの制作陣が再集結して手掛ける一大プロジェクト。2018年10月期の日本テレビ系連続ドラマを皮切りに、ライブやゲームなど様々なメディアを展開し、その集大成として幕を開けたのが映画『PRINCE OF LEGEND』である。

【写真】【チーム京極兄弟】の“ヤンキー王子弟”こと京極竜

　物語の舞台となる聖ブリリアント学園では、3年に一度「伝説の王子選手権」が開催され、優勝者は“伝説の王子”の称号を手にすることができる。今回選手権を開くにあたり、大会の主導者である理事長・実相寺光彦（加藤諒）は、王子たちが思いを寄せる成瀬果音（白石聖）を買収。実相寺の思惑通り、「伝説の王子とお付き合いする」という果音の言葉（演技）に踊らされた王子たちが、こぞって選手権に出場することとなる。

　“伝説の王子”を目指す個性豊かな王子たちの中、圧倒的なキュートさで魅了するのが【チームネクスト】の“ダンス王子レッド”こと天堂光輝。

　生徒の大半がセレブリティである聖ブリリアント学園の中で、家柄や年収は不問の“美”に特化した「エコノミークラス」に所属。同クラスは“磨けば光る原石集団”とされ、光輝はそのセンターに君臨する。2年前、光輝は果音に一目惚れ。彼女を守れる男になるため努力を続け、満を持して学園に入学するも、果音と目すら合わない状況にうじうじする日々。だが、王子たちの果音を巡るバトルの激化に一念発起し、「伝説の王子選手権」に参戦することになる。

　そんな光輝を演じるのが、THE RAMPAGEのボーカリスト・吉野北人。アーティストとして舞台に立つ時には、クリアで伸びやかな歌声でファンを虜にする吉野だが、トークでは愛すべき天然ぶりが炸裂。顔もかわいく、しゃべりもかわいく、自身がプロデュースする “ホクブー”もかわいく……とにかく、かわいいが大渋滞。

　吉野は今作で俳優デビューということもあり、演技の節々に見える初々しさが、年下ながら果音を守ろうと必死になる光輝と重なるところがミソ。ドラマでは「荒削りだがフレッシュ、スタイリッシュだが素朴、クールに見えて努力家」とのナレーションが入るのだが、それはそのまま吉野自身にも言えること。EXILE TRIBEはEXPG出身者が多い中、吉野は独学でLDH主催「VOCAL BATTLE AUDITION 4」に合格。今なおボーカル＆ダンスに磨きをかけ、ひたすら上を目指し続ける吉野が、魅力的でないはずもなく。【チームネクスト】のキーワードである“伸びしろ”という言葉が、ぴったりと当てはまるブレイク必至のニューカマーだ。

　また吉野と同じTHE RAMPAGEのボーカリスト・川村壱馬が演じているのは、【チーム京極兄弟】の“ヤンキー王子弟”こと京極竜。

　下町ヤンキー界のカリスマ・尊人（鈴木）と、その兄を尊敬し、支え続ける弟・竜という京極兄弟。2人は貧しいながらも家族と平和に暮らしていたが、尊人がセレブ王子・朱雀奏（片寄）と異母兄弟という事実が発覚する。奏らの台頭もあるとはいえ、純粋に果音に恋心を募らせていく尊人。そこで、果音を幸せにするため兄弟そろって聖ブリリアント学園に転校し、「伝説の王子選手権」に参加することになる。

　竜は、兄の恋が成就するよう奔走するも、気づけば自身も彼女に惹かれてしまうという、心の動きが難しい役どころ。だが、扮する川村は演技初挑戦とは思えぬバツグンの表現力を発揮。果音の気持ちを誰よりも敏感に察知し、まさに“強くて優しいヤンキー”を体現してみせる。また、ボーカリストとして印象的な低音ボイスは役者としても健在。果音に向けたささやきはもちろん、ボソッとつぶやく一言一言にもグッとくる。

　『有吉ゼミ』（日本テレビ系）に出演した際には、激辛料理をクールに食べ進める姿が大反響を呼び、共演の美保純からは“今のイケメン！”と称された川村。すでに才能の片鱗が見えるとはいえ、演技においても、バラエティにおいても、洗練されすぎていない“余地”が魅力でもあり、そこが磨かれた時に爆発するであろう輝きにワクワクさせられる。

　また『PRINCE OF LEGEND』には、THE RAMPAGEから“ダンス王子ゴールド”こと日浦海司役で藤原樹、“ダンス王子ブラック”こと小田島陸役で長谷川慎も出演。ミュージックシーンでもすでに人気上昇中のTHE RAMPAGEだが、俳優としての勢いもますます加速の予感。“RAMPAGE＝暴れ回る”の文字通り、彼らがエンタメ界を席巻する日も近そうだ。

（nakamura omame）