元NMB48渡辺美優紀がガールズユニットをプロデュース 『mysta』オーディションの注目ポイントは?

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2019年04月01日 19:11  リアルサウンド

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 元NMB48で現在は歌手やモデルなど幅広く活躍している”みるきー”こと渡辺美優紀がプロデュースする2年間限定のユニットを発足することを発表。3月17日からオーディションアプリ『mysta』にて、渡辺と一緒にユニットを組むメンバーの募集を開始した。“NMB48で一時代を築いたみるきーがガールズユニットをプロデュース”というだけでも注目トピックだが、「30歳までの女性で、本ユニットの活動に2年間専任できればプロダクションの所属・無所属は問わない」という募集要項の間口の広さも大きな話題となっている。


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 渡辺美優紀は、1993年9月19日生まれの現在25歳。NMB48の第1期生として、山本彩と共に2大エースに君臨しグループを牽引。正統派アイドルのルックスでふわふわした雰囲気だが、ダンスと歌は当時のNMB48の中ではトップクラスで、納得するまで練習しないと気が済まない完璧主義者と称されることも。そして渡辺と言えばやはり”アイドル界最強の釣り師”の異名を持ち、握手会の神対応や、SNSでセクシーで可愛い写真を次々にアップし、プロカメラマンも瞬殺してしまうほど、全力で相手を転がしにかかる。


 プロデューサーの秋元康も2013年のAKB総選挙の展望を語った際に「全員を釣っているでしょうね。もはや、『釣り』というよりも『投網』のような感じ」(参照)と渡辺を評し、その小悪魔っぷりに「わるきー」という曲を与えたほど。まさに”ザ・アイドル”と呼べる存在であった。しかし2016年8月9日にNMB48を卒業する。2016年の「月刊AKB48グループ新聞7月号」での山本彩との卒業対談では、「さや姉は、こんなにちゃんと頑張ってんのに、何で総選挙1位じゃないんやろうな」とし「自分はここで何がしたいのか考えるようになり、アイドル活動をしている時間を、もっと自分のために使いたいと思うようになって」と卒業に至る思いを語っていた。また、卒業後はとりあえず「無職」とも答えている。努力だけではトップにはなれない世界に限界を感じたのか定かではないが、完璧主義者である彼女なだけに、納得いかない部分があったのだろう。


 惜しまれつつ卒業した渡辺は約2年間の沈黙を破り、昨年の7月に芸能活動を再開。9月に『1st LIVE TOUR 2018 〜Milky Landだよね〜』で約2年ぶりにステージ復帰を果たし、4月3日1stソロアルバム『17%』が発売予定など本格的なアーティスト活動が始まり、今回のオーディション発表の運びとなった。同ユニットを発足した真意は定かではないが、渡辺美優紀という知名度とアイドルとしての能力を眠らせておくのはもったいない逸材なだけに、ユニットプロデュースの白羽の矢が立つのは必然。卒業後再び世に打って出るにも良い話題づくりだと思われる。


 さて、同オーディションであるが、渡辺は「渡辺美優紀ガールズユニットオーディション」の動画にて「今までの自分の経験を活かし、新しい事や楽しい事ができたらいいなと思いました」とオーディション開催の理由について説明。また、『mysta』ユーザーからの応援ポイントと渡辺美優紀本人の審査により合格者が決まるということで、ユーザ参加型のオーディションになっている。


 今回の募集要項で話題となったのが、30歳までという高めの年齢設定。これは、かつて年齢制限なしで募集し、30代中心の元アイドルが集ったグループ・SDN48のような募集基準だ。それこそ元NMB48であったり、AKBグループで卒業後あまり目立っていないメンバーをフックアップすることもできるし、(99%ないだろうが)山本彩をユニットに入れたり、渡辺が思い描く理想のAKBグループを結成することも可能だ。


 昨今では、乃木坂46や欅坂46メンバーの卒業のほか、“アイドル戦国時代”と言われていた2010年代前半で活躍していたグループの解散ラッシュなど、アイドルのセカンドキャリア問題というのが深刻になってきている。また、アイドル界は、太いファンを持つ即戦力であったとしても、一度辞めてしまうと戻る場所がなく路頭に迷ってしまうことも多いのも難点だ。


 しかしオーディションでは、応援ポイントも合格に大きく作用するので、元々付いているファンが多ければ多いほど有利になる。つまり、元アイドルも参加しやすいオーディションになっているのだ。意外な人物がユニットに参加するゲーム性もあるし、ファンも共犯者となってユニットを盛り上げて行くシステムが確立しているところに、このオーディションの面白さがある。


 とはいえ、今回の募集はオーディションアプリを広める企画でもあるので、やはりまだ何色にも染まっていない新人を選ぶ確率の方が高いだろうし、アプリで気軽に参加できるので、素人の応募者が多いだろう。釣りテクニックを解説するほどのノウハウを持ち、自分に厳しい完璧主義という渡辺は、裏方でも成功する才能は充分にあるので、どんな人材が選ばれても、「ポップでみんなが元気になれるユニットを目指したい!」と掲げている渡辺色に染めたユニットを作り出せるのではないだろうか。


 もうすぐ指原莉乃がHKTを卒業するが、現在彼女は=LOVEのプロデューサーとしても活動し、おそらく卒業後も関わると予想されている。元アイドルがプロデュースするグループは今後のトレンドになる可能性が充分あるし、元アイドルのセカンドキャリアとしても期待される。また、渡辺による今回のプロデュース業は、25歳の出戻りアイドルとして、また、アイドルの新しい道として、今後アイドル界にとって注目のモデルケースとなるだろう。渡辺が「元アイドルによるアイドル/ユニットプロデュース」の火付け役となるのか、これからの『mysta』での流れに注目していきたい。(本 手)


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