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クラウドシフトが進むMicrosoftの最新動向

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2019年04月03日 07:12  ITmedia PC USER

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ITmedia PC USER

写真Windows Liteのモックアップ画面のイメージ(The Vergeより)
Windows Liteのモックアップ画面のイメージ(The Vergeより)

 本連載(「Windowsフロントライン」)では、以前に「Windows Lite」などの名称で呼ばれる新しいOSや2019年に登場するハードウェアについてのうわさをいくつか紹介したが、2019年5月に開催される「Build developer Conference」を前に少しずついろいろな情報がそろいつつある。今回はそんなMicrosoftをハードウェアやPC以外のプラットフォーム面から見ていこう。



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●2019年中に登場する「Windows Lite」の派生デバイスたち



 先日、「WCOS」(Windows Core OS)と呼ばれるWindowsの基本動作のみを集約した“コア”を用いた“軽量版Windows”について、従来まで「Windows Lite」の名称で呼ばれていたものが「Santorini」の開発コード名が付与されている話題を紹介した。



 Satoriniとは異なるが、やはりWCOSの仕組みを用いた軽量OSの派生版として「Andromeda」の名称で呼ばれるモバイルOS(もしくはプラットフォーム)の開発が進んでおり、Andromedaを搭載した“折りたたみ型の2画面デバイス”がMicrosoftのパートナー各社から提供されるという話が出ている。



 なお、Santroiniの開発コード名の存在について初めて報道したWindows Centralのザック・ボーデン氏によれば、このAndromedaは現在「Centaurus」の開発コード名で呼ばれているようで、同様に「従来型のノートPC(クラムシェル)や2in1デバイス」は「Pegasus」の名称で星座シリーズとなっている。2019年に入ったタイミングを境に表記が混在するようになったので、改めて整理しておきたい。



 さて、この3つの開発コード名のプラットフォームについて、若干のアップデートがある。The Vergeのトム・ウォーレン氏が3月上旬に報じたところによれば、関係者の話として「Windows Liteを用いたデュアルスクリーン端末が2019年後半にもリリースされる」という。



 同氏によれば、WCOSという“コア”部分とユーザー向けの“シェル”にあたる「C-Shell」(Composable Shell)を組み合わせたOSプラットフォーム開発は、元々当該のデュアルスクリーン端末をターゲットに行われていたようだ。



 これが従来までいわれていた「Andromeda」に該当するものだが、現在のMicrosoftは「これをうまく利用することでChromebook対抗となるプラットフォームを構築できるのでは?」というアイデアを基に改良を進め、より広い範囲のフォームファクタをカバーするOSを目指しているようだ。筆者の推測だが、「Centaurus」や「Pegasus」という開発コード名が登場したのも、こうした同社の戦略の変化を反映したものなのではないかと考える。



 このWCOSのアイデアは、すでに多機能デジタルホワイトボード「Surface Hub」のような既存製品にも反映されており、通常のWindows OSとは異なる形で専用アプリのみが動作する一種の限定環境のようなものとして機能している。



 ウォーレン氏によれば、WCOSの仕組みは同社のMRヘッドセット「HoloLens 2」の他、「Surface Hub 2X」にも何らかの形で影響を与えているようだ。



 また、なぜWindows Liteこと「Santorini」のような仕組みを今あえてMicrosoftが準備しているのかについては、Microsoft Store(Windows Store)限定で利用が可能な機能限定版Windowsとしてデビューさせた「Windows 10 S」が“Chromebook対抗”という本来の役割を果たせず、企業や組織で運用する際の動作モードの1つになってしまったという反省があるようだ。



 それゆえ、OSそのものを別のものとすることで、より最適化を進める方法を選んだという訳だ。もしこの計画が2019年内にも実現する場合、今年2019年5月に米ワシントン州シアトルで開催される「Build 2019」で何らかの言及があるかもしれない。



 なお、上記でも少し触れたが、2019年内登場をMicrosoftが予告していた「Aruba」の開発コード名で呼ばれる「Surface Hub 2」だが、その概要が4月中にも明らかにされることになりそうだ。



 ウォーレン氏によれば、同社は米ニューヨークで4月17日に開催される発表イベントの招待状の発送を開始しており、ここでデモを交えた製品詳細が紹介されることになると考える。



 ブラッド・サムス氏はPetriの記事中で「同イベントはSurface Hub 2Sのみにフォーカスしている」と述べており、前述の2画面デバイスやChromebook対抗デバイスの話題のほか、2020年リリースが予告される「Surface Hub 2X」についても本イベントは触れられない可能性が高い。



●GDCにみられるMicrosoftのクラウドシフト



 Microsoftのハードウェア製品という訳ではないが、2019年3月18日から22日(現地時間)にかけて、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたGDC(Game Developers Conference)において、Microsoftからいくつか最新の試みが発表されている。



 GDC 2019ではGoogleが「Stadia」でクラウドを介したゲームのストリーミング配信事業に参入することを発表して話題となったが、Microsoft自身も昨年2018年から「Project xCloud」の名称で同サービスの開始を予告しており、実際にGDC直前の週に開催されたInside Xboxイベントでもデモンストレーションが行われている。



 Project xCloudの特徴は、普段利用しているスマートフォンやタブレット上でそのままXboxのゲームをストリーミング配信して遊べる点が挙げられ、コントローラはXboxのものを流用する他、タッチスクリーン上にバーチャルコントローラをオーバーレイ表示して操作することも可能だ。



 筆者はスマートフォン上でゲームをあまりやらないため、この手のオーバーレイ表示によるコントローラーの操作は非常に苦手なのだが、その理由はボタンの触感がないにも関わらず、細かい操作を要求される点にある。



 xCloudにおいてもデフォルトのバーチャルコントローラーのレイアウトはXboxのそれを反映したものとなっており、単純にXboxのゲームをクラウド経由で配信するとボタンの数が多く、操作は非常に複雑になると予想される。GDCでのセッションの様子を紹介したMSPoweruserの記事によれば、ゲーム開発者はxCloud向けにバーチャルコントローラーのカスタマイズが可能とのことで、今後はxCloudでの利用を想定したゲーム作りが求められることを示唆している。



 MicrosoftはGDC開催に合わせる形で、このxCloudを支える「Game Stack」のテクノロジーについて少し解説している。



 元々、xCloudは同社が2018年1月に買収したPlayFab(UberNet)の技術を基にしており、今回のタイミングでGame Stackには5つのPlayFabコンポーネントが追加されている。



 Game Stackが動作する基盤であるMicrosoft Azureは、既に中国を含む世界54リージョンに展開されており、世界規模のマルチプレイヤーゲームの動作でも申し分ないスケーラビリティを備えている。



 今回PlayFabがこの仕組みに加わったことで、PCやXboxだけではないさまざまなデバイスへのゲーム配信も可能になっている。Xboxはゲームで遊ぶためのデバイスの一形態に過ぎず、TPOに合わせてさまざまな環境でクラウドを経由してゲームを楽しめるというのは“クラウドのMicrosoft”らしい流れといえるが、Googleの動きと合わせて昨今の興味深いトレンドだろう。



 またGDCに関連して、もう1つ興味深い発表が行われたのはQualcommだ。同社はSnapdragon 835時代にもVR市場向けのVR HMD開発キットを提供しているが、今回新たにGDC 2019のタイミングで「Qualcomm Snapdragon 845 VR Reference Design」を公開している。



 特筆点として、6DoF(Degree Of Freedom)の6軸検知サポートにより空間移動の認識が可能になっている他、60GHz帯のWi-Fiのサポートにより低遅延で“ケーブル接続なし”でのPCとの接続が可能になっていることが挙げられる。6DoFにより空間認識を絡めた空間移動が可能になると、必ずケーブルが利用の障害となる。例えば、Windows Mixed RealityはVR入門としては悪くないものの、操作性やユーザー体験面で大きな課題を抱えていた。Snapdragon 845 VR Reference Designが志向するのは、どちらかといえばプロフェッショナル向けなデバイス用途が主になると思われるが、VRでありがちなユーザー体験の残念さは今後より解決していくことになるだろう。


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