『東大王』卒業の伊沢拓司が送るYouTubeチャンネル「QuizKnock」 “知識自慢”にとどまらない、その魅力とは?

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2019年04月03日 11:11  リアルサウンド

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 TBS系で放送されている人気クイズバラエティー番組『東大王』。日本の最高学府・東京大学/東京大学大学院の英才たちと頭脳派芸能人たちのクイズバトルが好評を博しているが、本日4月3日放送回より、新東大王が登場する。東大王チームの個性豊かな面々、濃いキャラクターも番組の魅力で、どんな人物が登場するのか、注目が集まっている状況だ。


(参考:ヒカキン、動画の総再生数100億回突破を報告 トップYouTuberの栄光と苦労が明らかに


 そんななか、3月いっぱいで番組を卒業した、東大王の象徴的存在=伊沢拓司の不在を悲しむ声も少なくない。伊沢は開成中学校時代からクイズに没頭し、同高校時代には『全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ系)で史上初の個人連覇を達成した、クイズの申し子だ。幅広い知識はもちろん、想定外の問題に対応する思考力も抜群。一方で、茶目っ気のあるトークに親しみやすさも感じる、『東大王』になくてはならないタレントだった。


 そんな伊沢の活躍が番組で見られなくなるのは、ファンにとってはさみしいことだが、彼は『QuizKnock』というクイズをベースに幅広い知識を届けるウェブメディアを運営しており、同名のYouTubeチャンネルに日々、動画をアップしている。3月30日には「QuizKnockから今後についてのご報告」との動画を公開し、3月31日をもって東京大学大学院を中退、そして4月1日付で「株式会社QuizKnock」を設立の上、代表に就任することを発表した。


 YouTubeチャンネルには伊沢のほか、東大クイズ研のメンバーを中心に、多くのクイズマスターたちが出演。難関と名高いGoogle社の入社試験に挑んだり、有名中学の入試問題を解いてみたり、学力や発想力を生かして多くの人気動画を生み出しており、クイズフリークにも愛されているが、「知識自慢」になっていないのが面白いところだ。


 クイズで重要なのは第一に知識と考えれるが、出題者の意図を瞬時に読み取り、焦点を絞り込む思考力も求められる。その点がよく表れていて面白いのが、例えば「意味がわかると怖い話、東大生ならめっちゃ早く意味がわかる?ムードぶち壊し早押しクイズバトル!」だ。


 何気ない文章に見えて、矛盾に気づくと一気に寒気が押し寄せる、いわゆる「意味怖(いみこわ)」。それにいち早く気づき、早押しで指摘するというクイズで、回答が早すぎて「怖さ」が台なしになっているのが面白い。こうした問題は知識がなくても解くことができ、だからこそクイズ王たちの思考の早さと深さに驚かされ、稀に自分のほうが早く解けるとカタルシスを感じることができる。さまざまな制約を加えた「しりとり」シリーズにも同様の楽しさがあり、またYouTuberらしいチャレンジ企画や実験企画もあって、ついつい続けて再生してしまう。


 東大王・伊沢拓司の卒業に寂しさを感じていて、まだ動画を見たことがない人は、ぜひ気になるタイトルのものからチェックしていただきたい。さまざまな面から知的好奇心を満たしてくれるはずだ。


(向原康太)


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