不健全図書指定されまくるボーイズラブ でもホントに損害があるのか?

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2019年04月03日 19:01  おたぽる

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おたぽる

(※イメージ画像)Photo by Germán Poo-Caamaño from Flickr

 編集部から「最近の東京都の不健全指定はBLばかりなんで、それについて書いてョ」との依頼。なので、久しぶりに東京都の不健全図書について書いてみることにする。


 長らく、毎月の指定がどうなっているのか確認なんてしていなかったんだけど、なるほど最近は完全にBLばかりが指定される。あたかもBLがいかに不健全な本かを晒す制度になっているということだな。


 東京都が毎月120冊あまりの雑誌と単行本を店頭で買い揃えて審議会を挟んで「不健全図書」を決めるこの制度。制度の詳細は拙著『コミックばかり読まないで』(イースト・プレス)ですべて書いたので、そちらを参照のこと。ま、明らかなのは流行廃りがあるということである。


 このことは、二子玉川にある東京都公文書館にいけば一目瞭然。実に1964年に毎月、不健全図書を指定する制度が始まってからのすべての告示を見ることができる……コピーには一日がかりだが。


 毎月の告示されたタイトルを見るだけで「ああ、この時期はこんなのがエロいと思われていたんだな」と即座にわかる資料である。


 実際、BLも権力の側が「これは、エロい」と認めたから指定しているわけである。ならば度重なるBLの不健全指定は弾圧なのか。


 いや、そんなこともない。もはや、不健全指定制度自体がさび付いたルーティーンになっている。2010年に「非実在青少年」のキーワードが涌いた不健全図書指定を強化するための条例改定の動きは実質骨抜きになった。それ以前から、東京都との折衝にあたっている出版社も「こんなの意味ないから、一回くらい休んでいいんじゃないの」というの態度だった。そこに来て、条例を弄ろうとして揉めたわけだから、もうこれ以上はなにごともなく先例遵守で……というのが東京都の態度。でも、指定するものが見当たらないからBLになっているということである。


 なにせBLの謎は、ネットでは18禁で公開しているのに紙になったら全年齢になること。これまで15禁とか新たな自主規制を設ける動きもあったが、結論は出ていない。そんな状態だから指定されるのは当然。でも、売上の多くのネットに移行しているハズ。おまけに、指定されたところで、ちゃんと18禁で販売する書店は少ない。指定されて、くそうコノ野郎みたいな話はもうSNSでしか見ないよね。


 あと気になるのは、東京都は今はどこで毎月指定の候補となる120冊あまりを買い揃えているかということ。以前は、神保町のすずらん堂で買いあさっているようだった。今は、すずらん堂も閉店したが、いくつかの決まった書店で購入するルーティーンになっているのは間違いない。いったいBLの購入は、どこの書店で行われているのか。


(文=昼間 たかし) 


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