ミツバチの飼育マニュアル『養蜂大全』の中身がマニアックですごい

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2019年04月05日 17:02  新刊JP

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『養蜂大全』(誠文堂新光社)p.90のミツバチの写真
近年、天然の甘味料として注目を集める「はちみつ」。
市販のものではなく天然のものをということから「本物のはちみつ」を求め、一から「養蜂」を学ぶ人も増えてきているという。

ただし、はちみつ作り――つまり、ミツバチの飼育(養蜂)をはじめるにはちゃんとした準備が必要だ。巣箱や服装の用意からはじまり、種バチの購入、そして飼育のために自治体へ届け出が必要になる。

そんな「養蜂」の全てを豊富な写真で解説する一冊が『養蜂大全』(松本文男著、誠文堂新光社刊)だ。

著者の松本文男氏は、50歳になって自身の養蜂場・花園養蜂場(埼玉県深谷市)を始めたが、そのきっかけは「少年時代に食べたはちみつの味が忘れられなかったから」というもの。独学で養蜂技術を確立し、現在は数百群にミツバチを飼育している。開催するワークショップはプロの養蜂家も学びに来るほどなのだとか。

さて、この本、ページを開いていくだけで養蜂のスゴさを感じられる。

まずは養蜂の準備だが、巣箱はもちろんのこと、養蜂グッズ、服装・装備品と揃えるべきものが多い。例えば服装において、作業時にハチに刺されないために肌を露出は厳禁。頭をすっぽり覆う保護ネット「面布」(めんぷ)、快適な作業のための革製の手袋、手袋と上着の袖をしっかり覆うアームカバーなどは重要だ。




プロ養蜂家への登竜門となるのが「女王作り」だ。熟練した技術が必要で、成功させるのは難しいという。ミツバチは群を成して生活しており、その中心にいるのが女王バチ。たくさんの働きバチは女王が産んだ雌のハチで、雄も生まれるが働かない。女王になるかどうかは与えられたエサによって決まり、その群から女王がいなくなった場合は応急処置が必要になる。




さらに本書の後半は採蜜やミツバチの生態と飼育の歴史まで網羅。養蜂の世界の奥深さに感嘆するとともに、この本を読んで養蜂家を志そうと思う人も出てくるかもしれない。人間を魅了するミツバチたちの姿を堪能できる一冊だ。



(新刊JP編集部)

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