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堺正章が語る内田裕也エピソードが秀逸!「何やってるかわからない人」って一体…

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2019年04月06日 01:00  citrus

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写真出典:「堺正章 時の忘れ物(配信限定版)」より
出典:「堺正章 時の忘れ物(配信限定版)」より

3月17日に肺炎のため亡くなった内田裕也(本名・内田雄也)さん(享年79歳)のお別れの会『内田裕也 Rock’n Roll葬』が4月3日、東京都の青山葬儀所で営まれた。その式中で内田さんの後輩であるという「マチャアキ」こと堺正章(72)が、次のようなウイットに富んだ別れの言葉で、場内をちょっぴり沸かせていた。

 

「昔、裕也さんが僕に『堺、歌手として長生きするにはどうしたらいいか分かるか? ヒット曲を出さないことだ』と(言いました)。それをあなたは貫きましたね」

 

なんて素晴らしすぎる名言なんだと感動した。そして、この金言は、歌手だけじゃなく我々みたいないわゆる「名前で仕事をする職業に就く者」すべてが、とりあえずは肝に銘じるべきなのではないかと、あらためて考えさせられた。

 

ヒット曲を出さない歌手(※私だったら「ベストセラーを出さない文筆業者」)とは、とどのつまりが(コアなファンを除く)大半の市井の人たちからすれば「なにをやっているのかよくわからないヒト」のことである。「なにをやっているのかよくわからないヒト」だからして、「自分は歌手です」「文筆業者です」、あるいは「イラストレーターです」などと躊躇なく断言することもできる。

 

「断言すること」で自身の職業的プライドもアイデンティティーも自己満足的に守ることができて、逆に言うと、たとえば「本職以外の役者やら都知事候補者やらコメンテーターやら恋愛相談アドバイザーやら、どんな怪しげな副業でも、とにかく金を稼いで、成り振りかまわず本職を維持しよう」という“自由”を獲得することができるのだ。

 

これが、仮に「大ヒット曲」や「ベストセラー」を世に出してしまった歌手や文筆業者になったら、どうだろう?

 

「歌手の〜」「作家の〜」といった“肩書き”が一般に広く認知されてしまい、“次”も「歌」「文章」で勝負せざるを得なくなる。さらには“売れること”を意識せざるを得なくもなり、表現の範疇においても相当な縛りを受けてしまう……。もしかすると、リリー(フランキー)さんも『東京タワー』がミリオンセラーとなってしまった時点で、そういったプレッシャーから解き放たれるがため、断筆へと踏み切ったのかもしれない。

 

「私たち後輩にとって、あなたは良き手本でもあり、悪しき手本でもありました。悪しき中に魅力がたくさんつまっていました。そして、良き手本はロックンロールを貫いたということです。貫くことの大変さと誇りをあなたは身をもって示してくれました」

 

……ともマチャアキは語る。「裕也さんがクラクラッとして、僕が支えたとき、小さな声で『シェケナベイベー』と言っていました。でも、気づかなかった僕がバカでした。本当は『医者呼んでくれ』と言ったんですよね」とのエピソードを添えて……これも素晴らしい弔辞であった。

 

なにかを貫くには、なにをやっているのかよくわからないヒトになれ!

 

これは、おのれのタレント性でメシを食う一部の特殊層はもちろんのこと、今からの令和の時代を生きるサラリーマンにとっても決して例外とはかぎらない人生訓とも成りうる。かくなるマチャアキ当人も、紛れもない「なにをやっているのかよくわからないヒト」の一人であって、そんなマチャアキが確定申告の職業欄にどんな表記をしているのかは不明だが、仮に「歌手」を名乗り、「俺は今でもロックンロールを貫いている」と宣言してしまえば、それはそれで世間体として、充分にまかりとおるということだ。

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