サイの密猟者、象に踏み殺された後ライオンの餌食となる(南ア)

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2019年04月09日 13:51  Techinsight Japan

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サイの密猟者が象に殺されライオンの餌食に(画像は『Fox News 2019年4月7日付「Suspected rhino poacher trampled by elephant, eaten by lions, South Africa park officials say」』のスクリーンショット)
野生動物の密猟が後を絶たない南アフリカで、このほどサイの密猟者が象とライオンによって殺されるという事態が起きた。野生動物達の怒りの復讐のようにも見える今回の事件を『Fox News』『The New York Times』など多くのメディアが伝えている。

今月2日の夜、南アフリカの北東部に位置するクルーガー国立公園でサイの密猟を行っていた男が象に踏み殺された。他に一緒にいた4人の密猟者らは男の遺体が通行人に発見されやすいように、近くの道路まで運んだ。その後、男の家族のもとを訪れ、事の次第を話したことで事件が発覚した。

これにより密猟者たちは逮捕され、ライフル銃と弾薬が押収された。そして警察と公園のレンジャーは捜索を開始し、事件から2日後の4日の朝に男の遺体が発見された。ところが遺体はわずかな頭部が残されていただけで、他に穿いていたズボンがボロボロの状態で見つかった。

公園のレンジャーが発表したところによると、密猟者の男は象に踏み潰されて殺された後に遺体はライオンの群れに食べられたという。同公園の管理責任者であるグレン・フィリップス氏(Glenn Phillips)は、不法に国立公園に立ち入ることがいかに危険かを次のように警告した。

「クルーガー国立公園へ不法に、しかも歩いて立ち入ることは賢明なことと言えません。そこには多くの危険が待ち受けているのです。今回の事件がそれを証明していると言えます。」

「父親を失った悲しみを抱える家族に対しては哀悼の意を捧げます。しかし遺族にとって更に良くないことは、遺体が頭部だけだったということです。」

クルーガー国立公園はアフリカ有数の面積を誇る野生動物の保護区だが、近年は中国やベトナムなどでサイの角が催淫効果や健康に良いと信じられているため、サイの密猟が後を絶たない。『The New York Times』によると、アジアではサイの角が1ポンド(約453グラム)あたり約9,000ドル(約100万円)の価値があるという。

しかしサイの保護活動などにあたるテキサス・クリスチャン大学の「ライノ・イニシアティブ」創設者であるマイケル・スラッテリー教授(Michael Slattery)は、サイの密猟がいかに残酷かをこのように明かしている。

「多くの密猟者はサイに薬物を投与して眠らせ、その間に鉈などで角を切りとるが、角の一部だけでなく根元からからごっそり切り取った角は高く売れるため、サイは顔を深く切られ出血多量で死んでしまうのです。」

スラッテリー教授はサイの角の効能についても、「角は100パーセントが角質でできており、その成分は髪の毛とほぼ同じ「ケラチン」という硬タンパク質で、人間の健康に対して良い効果はまったく得られない」とも話している。

なお南アフリカ環境省では、2008年以降は約7,000頭ものサイが密猟されており、2017年においては約1,028頭ものサイが殺されたと報告している。

画像は『Fox News 2019年4月7日付「Suspected rhino poacher trampled by elephant, eaten by lions, South Africa park officials say」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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  • リスクある悪事、最期は動物のお役にたてたようで。
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