クールジャパン機構がシンガポールのインフルエンサーマーケティング企業に最大11億円出資、ミレニアル世代の女性に訴求

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2019年04月09日 18:02  Fashionsnap.com

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(左から)Cheryl Tan氏、Kersie Koh氏、Roger Yuen氏、加藤有治氏 Image by: FASHIONSNAP.COM
クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)が4月9日、シンガポールを拠点にインフルエンサーマーケティングを行うクローゼット(Clozette)に最大1,350万シンガポールドル(約11億円)を出資すると発表した。出資額の約半分は出資済みで、業績や達成度を鑑みて段階的に追加で出資していくという。ASEAN諸国のミレニアル世代の女性に対し、日本の美容や旅行、食のコンテンツを発信し、日系企業および日本発のコンテンツの認知拡大を図る。

 クローゼットは、日本企業での就業経験を持つRoger Yuen氏が2010年に設立したスタートアップ企業。シンガポール以外にフィリピンやインドネシア、マレーシアといった国の約3,500人のクリエイターやインフルエンサーが同社に所属しており、20代〜30代のミレニアル世代の女性への高いリーチ力を有している。これまで資生堂やユニクロ、キャノンといった日系企業およびブランドをクライアントとして獲得してきた。
 今回の出資によりクローゼットは、日本での事業を拡大させる。具体的には6月上旬を目処に自社サイト内に「Cool Japan」ページを立ち上げ、海外目線で日本の魅力を発信する。同ページ内では、クローゼット所属のインフルエンサーたちが発信する日本に関する記事や投稿の全てを集約し、読者に訴求。ムスリムの訪日客向けに東京のハラル対応レストランの紹介といった特定のターゲットに向けたキャンペーンを日系企業や自治団体とともに行う予定で、そのほかのキャンペーンについてもページ内で随時発信するという。
 クールジャパン機構は今回の出資によりクローゼットが持つリーチ力を活かし、次世代の日本ファンの獲得や、インバウンド需要および日本ブランドの商機拡大を目指す。クールジャパン機構の専務取締役COO兼CIOの加藤有治氏は、「ASEAN諸国への発信力が高いクローゼットへの出資により、これまで世界に発信しにくかった地方の企業や自治体についても各国にリーチする機会が増える。市場規模の成長が著しいASEAN諸国の次世代の消費者となる層を取り込むことは日本企業にとって効果的だと考えている」とコメントした。
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