「下ネタOK」の女子アナ・大橋未歩が、案外『5時に夢中!』に向かないと感じるワケ

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2019年04月12日 00:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

『5時に夢中!』(TOKYO MX)公式サイトより

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「意外と大橋さん、嫌になるの早いと思う」マツコ・デラックス
『5時に夢中!』(TOKYO MX、4月8日)

 4月1日より、『5時に夢中!』(TOKYO MX)のアシスタントに、元テレビ東京アナウンサー・大橋未歩が就任した。知名度の高い人気アナが出演することで、画面は一気に華やかになった。「意外と大橋さん、嫌になるの早いと思う」とマツコ・デラックスが発言したのは、“人気アナウンサーがこんな番組に出てくれる”という歓迎の意を、自虐的に表現したのではないだろうか。

 今でこそ、人気番組となった『5時に夢中!』だが、視聴率が低迷していた時代があった。テレビに出たてのマツコが「校内放送みたいなものよ」と言っていたことがあるが、視聴者が多くないこと、地上波でないことを逆手にとって、猥談や隠語などの下ネタを平気で発していた。しかし、徐々に視聴率が上がり、多くの人の目に触れるようになると、そのやり方では問題が生じる。木曜レギュラーの作家・岩井志麻子は、“ちんこ”と発言するとき、チーンと鳴るベルを押して、その後に「こ」と付け加えるのだが、これは番組当初のコンセプトを生かしつつ、地上波に慣れた視聴者を取り込む作戦だと私は解釈している。

 下ネタと言えば、テレビ東京時代の大橋アナは下ネタを嫌がらないキャラで売っていた。恋もキャリアもあきらめたくない女性を応援するバラエティー番組『極嬢ヂカラ』(テレビ東京系)のレギュラーとなった際は、記者会見で「(興味をそそられた番組の企画は)アンダーヘア。主人はナチュラル派なので、自然体で行きます」と答えたり、番組内で「大橋ちゃんのHってどんなんなん?」と尋ねられ、「粗末にされるのが好き」と答えるなど、プライベートゾーン(性器)やセックスに関しても、臆することなく明かしている。また、本人の趣味か上司の指示がわからないが、バストを強調したり、かなり短いスカートをはき、“お色気”担当を担っていたようにも思う。

 ウェブメディア「JBpress」に掲載された『5時に夢中!』プロデューサー・大川貴史氏へのインタビューによると、同番組は「お色気ネタに抵抗のない30代主婦」をターゲットに番組作りをしてきたそうだ。ということは、番組は30代主婦にウケる下ネタを作ろうとしていると見ていいだろう。大橋アナの下ネタOKな芸風が買われて、今回の起用となったのかもしれないが、大橋アナと『5時に夢中!』の下ネタの路線は一致しているかというと、ちょっと違う気がするのだ。

 例えば、今は母親となり、お子さんの話も大分増えてきた月曜レギュラー、株式トレーダーの若林史江は、独身時代「ヤリマン」を自称していたが、「ヤる相手には事欠かないけれど、独身」という自虐でオチを作っていた。火曜日のレギュラーコメンテーター、作家の岩下尚史氏は『おーくぼんぼん』(TBS系)でセックスについて「あんないいものないよ」と話していたことがあり、『5時に夢中!』でも、セックスに興味のあるキャラを掲げている。木曜日レギュラーの岩井はオナニーについて語り、新潮社出版部部長・中瀬ゆかりは、事実婚をしていた故・白川通さんの存命中、「セックスレス」を公言していた。レギュラー陣の話は、カテゴリとしては下ネタであっても、具体的な話、例えば体位やオナニーのやり方について話すことはない。結局、「30代主婦に受ける下ネタ」というのは、「実生活では口にできないこと」かつ「生々しくはなく、共感できる(自慢と感じられない)こと」なのではないだろうか。

 それに対し、大橋アナの下ネタはそのものずばり、細部を連想させるもので、どちらかというと男性向け下ネタのように思うのだ。

 もう一つ、大橋アナは、案外「プライベートを語れない」というネックがあるように思う。大橋アナは二度結婚しているが、一度目の結婚は、ヤクルトスワローズ(当時)の城石憲之選手。大橋アナが軽度の脳梗塞を患った後、「(夫が)スムージーを作ってくれるのが日課になって、職人みたいになっています」と、「スポーツニッポン」の取材に答えていた。優しい夫と、そんな夫に愛される私をアピールしたものの、この直後に離婚。1年もたたないうちに、テレビ東京のプロデューサーである11歳年下の男性と再婚したことから、「不倫していたのでは?」という疑惑を持たれている。

 同番組のレギュラー陣にも、岩井や中瀬のように離婚経験者はいる。離婚は今時珍しくないし、イメージダウンでもない。しかし、不倫のように他人を傷つける形での離婚を疑われている大橋アナは、30代主婦ウケからは程遠いのではないだろうか。

 キャラかぶりがご法度というバラエティーの原則から言うと、『5時に夢中!』のレギュラー陣には、既婚者・母親も多いのだから、アシスタントは独身女性がいいのではないだろうか。30代主婦ウケを狙うなら、「結婚できない」自虐をする独身女性は見飽きた感があるので、離婚経験のある結婚生活不適合者キャラはどうだろう。番組ファンの私はそんなことを思ってしまった。

 そうは言っても、大橋アナのように知名度のある人が出ることで、番組が盛り上がることは事実。この番組ではアシスタントにもあけすけさは求められるが、エピソードのチョイスに気を付けないと、好感度が下がってしまう可能性はある。「意外と大橋さん、嫌になるの早いと思う」というマツコの発言が、予言にならないように願うばかりだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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