宇垣美里も後に続く? 田中みな実、加藤綾子ら女性アナウンサーがフリー転身後女優に挑戦する理由

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2019年04月15日 08:01  リアルサウンド

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 前クールで大きな反響を呼んだ山口紗弥加主演のドラマ『絶対正義』(東海テレビ・フジテレビ系)に石森麗香役で出演していた元TBSアナウンサー・田中みな実。


 バラエティ番組のイメージが強かった彼女がどこまで芝居ができるのか注意深く見守っていた人も多かったと思うが、予想を上回り初回から大胆なキスシーンとベッドシーンを披露。本気度が伝わる演技を見せてくれたのは記憶に新しい。


 先日、その田中と同じ元TBSアナウンサー・宇垣美里が、米倉涼子や上戸彩などを擁する大手芸能事務所・オスカープロモーションに所属することがニュースで伝えられた。


 彼女はアニメや漫画に造詣が深いだけでなく、本気のコスプレを披露したり、雑誌で「マイメロ論」を述べたり、さらにはグラビアを飾ったりするなど、退社前からそのユニークなキャラクターが人気を呼んでいた。そこへ来て今回のフリー転身。本人の意志はまだうかがい知れないが、女優デビューもおそらく時間の問題だろう。


 女優に転身したアナウンサーの歴史をさかのぼると、かつてNHKのアナウンサーだった野際陽子が一番の出世頭と言える。


 今さら言うまでもないが、“冬彦ブーム”を巻き起こした『ずっとあなたが好きだった』(1992年/TBS系)をはじめ、『ダブル・キッチン』(1993年/TBS系)、『スウィート・ホーム』(1994年/TBS系)、クセのあるキャラが人気だった『TRICK』シリーズ(2000年〜/テレビ朝日系)、『DOCTORS〜最強の名医〜』シリーズ(2011年〜/テレビ朝日系)など、各年代に渡って数多くのヒットドラマに出演。惜しくも2017年にこの世を去ったが、今もなお記憶に残り続ける大女優であることは間違いない。


 元フジテレビアナウンサーの八木亜希子も三谷幸喜監督の映画『みんなのいえ』(2001年)で日本アカデミー賞新人賞を受賞。ほかにも大河ドラマ『真田丸』(2016年/NHK総合)、昨年は『黄昏流星群 人生折り返し、恋をした』(フジテレビ系)に出演。さらに今クールも福山雅治主演ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)に福山演じる主人公の銀行マン・片岡を支える妻かおり役でレギュラー出演している。


 また、アイドルからフジテレビのアナウンサーになった平井理央は『ルーズヴェルト・ゲーム』(2014年/TBS系)で、「カトパン』こと元フジテレビアナウンサー・加藤綾子も昨年放送された医療ドラマ『ブラックペアン』(TBS系)でそれぞれ本格的女優デビューを果たした。


 バラエティやニュースなどの現場で鍛えられる度胸や空気を読むセンスは、ある意味、女優にとっても必要なスキルだ。これらの先輩たちに続き、今後、本格的に女優活動を展開していく女子アナが増えたとしてもまったく不思議はない。


 これまで元アナウンサーである彼女たちが女優として求められてきたイメージは、主として“清潔感”や“誠実さ”だったと言える。しかし、ここに来て田中が新しい可能性を切り開いてくれそうな予感がする。


 彼女なら今後キレッキレの悪女やどうしようもないダメ女など、大胆かつ振り切った演技を見せてくれるかもしれない。同時に作る側も彼女にチャレンジして欲しい役を用意するなど、受け皿としての準備が必要になってくるだろう。もちろん、これまでノーマークだった新しい逸材が女優デビューを飾ることだって充分に考えられる。


 もはや過去のものとなった「女子アナ」というレッテル。自由に存在感を発揮し始めた彼女たちは、才能と意欲のある人材が旧態依然の価値観に縛られることなく能動的かつボーダレスに活躍する時代を象徴している。(文=中村裕一)


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