ホーム > mixiニュース > ライフスタイル > 信号、2歳児に教えても無理?

2歳の娘、信号の意味を覚えてくれない…悩む父に専門家「無理です」

330

2019年04月17日 07:00  ウィズニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ウィズニュース

写真信号の意味を教えようとしても…=イラスト・minchiさん
信号の意味を教えようとしても…=イラスト・minchiさん

 0歳〜就学するまでの子どもたちの、思いも寄らない行動や不思議な言葉遣いに心当たりはありませんか?編集部では「#乳幼児の謎行動」をSNSで募り、乳幼児の「なんでそうなる?」を、同志社大学赤ちゃん学研究センター長で小児科医の小西行郎さんに聞きました。第1回は子育て中の記者からの疑問、「理解する言葉の順番って?」です。2歳の子どもに信号の意味を教えようとする記者を、小西さんは「無理です」と一刀両断。子どもの言語発達についても聞きました。(朝日新聞記者・後藤隆之)

【質問】
娘は外へお散歩に行くのが大好き。葉っぱを拾ったり、草を触ったり。やりたいことがいっぱい。手をつないでいないと、すぐどこかに行ってしまいそうです。
だからこそ私は心配で、娘に交通ルールを覚えてもらおうと、半年前から信号の仕組みを教えることにしました。「赤は停まるのだよ」と伝えると、娘は「停まる」をわかっていないようでしたが、「赤」と指さし、色は理解してくれました。ところが、次に「緑色は気をつけて渡るのだよ」と教えると、行動も色も理解してくれませんでした。未だに「緑色」は覚える気がなさそうです。
同じ信号の色なのに違いが出るのはなぜでしょうか。言葉を理解する順番には、何か理由がありますか。
〈相談者:2歳2カ月の娘がいる男性記者(30)〉

【イラスト】いちいちきゅんきゅん「赤ちゃんの謎行動」が可愛くて仕方ない

子どもは親の言いなりにならない
小西さん まず、信号の色と意味を2歳児に教えても無理であることをお知らせしたいと思います。

記者   えっ!

小西  4歳児はできますが、3歳児でも難しいことなのです。たとえば、「青い星」、「青い車」、「赤い星」、「赤い車」の4つのカードがあります。3歳児は色の分類はできましたが、形の分類はできませんでした。色の区別をしたうえ、「停まれ」「進め」というもう1つの意味をさらに理解することは難しいことなのです。こうしたことは時期を待たざるをえず、気づけばわかるようになっているものです。

記者  そうなんですね……。

小西  教えれば何でもできるわけではなく、子どもの発達には段階があり、ある程度、時期によって覚えられることが決まっています。
    最近、親が子どもに早く言葉を教えようとする気持ちが強い気がします。子どもは親の言いなりには決してならないことを覚悟したほうが良いかもしれません。

記者  お恥ずかしながら、子どもの理解力に誤解がありました。教えたことはスポンジのような脳みそですべて吸収できるわけではないのですね……。

小西  言葉を話すことの成長に異常がなければ、自然に任せたほうが良いと思います。発達によって新しい能力を獲得したとき、その能力を試し、応用できる場を作ってあげることを大切にしてほしいと思います。

記者  ところで、そのお話を聞くと子どもの発達の段階が気になりました。言葉が出るまでの仕組みを整理させてください。

4本足のものはすべて「ワンワン」の理由
小西さんによると、五感の発達は胎児期から始まっています。
発達の順番は、(1)触覚(2)聴覚(3)味覚〈28週くらい〉(4)嗅覚〈30週くらい〉(5)視覚〈出生後〉の順番。
聴覚に関しては、妊娠24,25週ごろからは少なくとも母親の声は聴き、30週ごろは2種類の音を区別していると考えられています。
意味のある言葉を話すという意味での発語は1歳から1歳半頃と一般に言われています。ただ、単語を話す前の段階として、「単語を覚える」という段階があります。単語を覚えるには、聞こえてくる会話の中から単語を切り出す能力が必要になります。半年から9カ月ごろにはできるようになります。


小西  パパやママという単語が出始めるのには、この切り出し能力が必要なのです。また、言葉が出始めた1歳〜1歳半、「ワンワン」と言っていても、犬全般のことだと理解していないことがあります。犬は四本足の動物なので、同じ四本足のシカにも「ワンワン」と言ってしまうこともあります。一方で、自分の家で飼っている犬だけが「ワンワン」だと言ってしまうこともある時期のようです。

記者  何見ても「ワンワン」って言う……。あるあるだ。

小西  1歳半を過ぎると、こうしたことは減り始め、適切に言葉を使うようになるので大丈夫ですよ。

【言葉の爆発期】
〈1歳半〜2歳は「言葉爆発」の時期。150語ほどを一気に覚えて、話す単語が増えていきます。最初は名詞が多いですが、動詞や形容詞なども出るようになり2つの言葉がつながるようになります。――小西さんの説明より〉


小西  2歳児以降は大人に「これなあに」と質問を連発するようになります。2歳半をこえるとそれまでは質問に答えてあげるだけで満足していたものが、納得できないと「なぜ」「どうして」という言葉が増えてきます。いい加減な対応では満足できなくなるのですね。

記者  コミュニケーションが深まっていく時期と捉えることもできそうです。

さ行がた行になったり、か行がさ行になったり…いつまで
小西  ただし、このころの発音は不明瞭なことも多く、心配する方もおられますが、さ行がた行になったり、か行がさ行になったりすることは問題ないと思います。

【3〜4歳の言葉の発達】
〈3歳になるころには文章が言えるようになり、大人の反応を試すような「悪いことば」をあえて使うようになります。
また、「AだからBする」という複文が出始める時期でもあります。
4歳になると、接続詞や前置詞を使えるようになり、人称代名詞も使えるようになります。――小西さんの説明より〉

小西  発語は基本的に、自分の意志を伝えようとする行動です。ですから、初めて言葉を話すようになった場合、周囲の大人の受け止めや反応、理解が重要です。関心のない言葉が出ないのは当然のことだと思います。あくまで自発的な意思表示なのですから。

言葉の遅れが気になるときは…
記者  言葉の遅れに不安を感じる保護者の方もいると思います。どういうタイミングで専門家にご相談すればよろしいのでしょうか?
小西  3歳を過ぎてしゃべらないとなると、ちょっと心配ですね。そのときは専門家に相談するべきでしょう。それまでは、言葉が遅いと言って周囲の人が強制的に発語を促すと、かえってしゃべらないこともあるので、やめたほうが良いように思います。少なくとも、まずその子の意志や意図を理解してコミュニケーションが取れるように努めてあげてください。やり取り遊びや交互遊び、手遊びなどを通じてのコミュニケーションも大切だと思います。

     ◇
小西行郎(こにし・ゆくお)
同志社大学赤ちゃん学研究センター長、教授。小児科医。日本赤ちゃん学会理事長。専門は小児神経、発達神経科学。1947年生まれ。京都大学医学部卒業。
主な著書に「赤ちゃんと脳科学」(集英社新書)、「赤ちゃんのしぐさBOOK」(共著、海竜社)、「はじまりは赤ちゃんから」(赤ちゃんとママ社)、「発達障害の子どもを理解する」(集英社新書)、「今なぜ発達行動学なのか―胎児期からの行動メカニズム」(診断と治療社)など。

     ◇
赤ちゃん学
小児科学、発達認知心理学、発達神経学、脳科学、ロボット工学、物理学、教育学、霊長類学などの異分野研究の融合による新しい学問領域。赤ちゃんの運動・認知・言語および社会性の発達とその障害のメカニズムの解明から、ヒトの心の発達までを対象とする。2001年には「日本赤ちゃん学会」が設立。08年に同志社大学内に開所した赤ちゃん学研究センターは、16年に文部科学省の共同利用・共同研究拠点「赤ちゃん学研究拠点」として認定された。

     ◇
withnewsでは赤ちゃんの謎行動を募集しています。「洗濯物を装着する」「前転したくて?お尻を押されるのを待っている」など、みなさんの中で「そういえば……」とひらめいたものをハッシュタグ「#乳幼児の謎行動」をつけてツイートしてくれませんか?編集部が取材にかかります。

このニュースに関するつぶやき

  • 轢かれるまで判らないカモね…多少の怪我で済むなら実体験しか無い様な気がしないでもない…VRだと、おもしろい♪って事に成りかねない…
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • 「うちの子は2歳で信号を完全に理解していました(えっへん!)」のひともいるけど、そこを基準にしてはいけない。個人差は前にも後ろにもあるのだから。
    • イイネ!149
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(209件)

あなたにおすすめ

ランキングライフスタイル

前日のランキングへ

ニュース設定