水谷豊、『轢き逃げ』撮影期間に若手に神戸牛をご馳走 「そうでもしないと悪口を言われますから」

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2019年04月17日 12:41  リアルサウンド

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 水谷豊の監督第2作『轢き逃げ 最高の最悪な日』の完成披露試写会が4月16日、東京・パークタワーホールにて開催され、中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉、檀ふみ、岸部一徳、水谷豊監督、そしてテーマソングを担当した手嶌葵が登壇した。


参考:配役と演出の妙が生み出す物語の奥行き 『轢き逃げ 最高の最悪な日』は水谷豊監督“渾身の一本”に


 本作は、『TAP THE LAST SHOW』で監督デビューを飾った水谷監督の最新作。ある地方都市で起きた交通事故で1人の女性が命を落とし、轢き逃げ事件へと変わる。車を運転していた青年・宗方秀一、助手席に乗っていた親友・森田輝の2人は、秀一の結婚式の打ち合わせに急いでいた。婚約者は大手ゼネコン副社長の娘・白河早苗。悲しみにくれる被害者の両親、時山光央と千鶴子、その事件を担当するベテラン刑事・柳公三郎と新米刑事・前田俊が、平穏な日常から否応なく事件に巻き込まれ、それぞれの人生が複雑に絡み合い、抱える心情が浮き彫りになっていく。


 監督を務めた水谷は、今作で初めて脚本を書いた経緯について、「60代で3本映画を撮りたいという思いがあって、2本目をどういう作品にしようかと話している時に、『水谷監督のサスペンスを見てみたい』と言っていただいたんですね。サスペンスと考えた時にいくつかアイデアが出てきて、それをみなさんに話したら『面白い』と言っていただけたので、文字にしてみたのがきっかけです。ですから僕は脚本を頼まれてもいなくて、僕から書くとも言っていないんです(笑)」と明かした。


 オーディションで役を勝ち取った中山と石田は、水谷豊監督の演出について「他の撮影ではなかなかないのですが、監督がまず自分たちの役を演じて見せていただけるんです。それを見た上でリハーサルに挑んだので、目の前で水谷さんの芝居が見れてすごく嬉しかったです」と中山。石田は「すごく助かって、甘えてた部分もあります」と明かした。


 主演の2人を選んだ経緯について、水谷は「直感でしかなかったような気がします。麻聖くんはとてもハンサムですし、崩れそうもないタイプで、この芝居の中で崩していかなきゃいけないのがとても魅了的でした。法嗣くんはすごく魅力的な不器用さがあって、ぴったりだなと」とコメント。


 今回、水谷組初参加となったのが小林と毎熊だ。小林は、「緊張が止まらない現場だったのですが、みなさん私の緊張を温かく見守ってくださって、この現場でよかったと毎日感謝していました」と思いをあらわにした。それに対し毎熊は「水谷さん、岸部さん、檀さんが現場で昔やった作品の話などの昔話を楽しそうにしているのを見て、かっこよくて羨ましくもありました。20年30年後、若手組でご飯して、「あの時水谷さんああだったね」なんて言えたら良いなと思います」と憧れを口すると、すかさず水谷から「僕がいなくなってからね」と釘が刺され、笑いを誘った。


 壇は、「あまり本読み込まずに顔合わせに行ったら、監督からメールで「壇ちゃん完璧でした」と言われ、冗談なのか皮肉なのかと(笑)。でも水谷監督の意図は、私があまり色をつけすぎないことを求めていらっしゃるのかなと」と裏話を披露。そのことについて水谷は、「僕はそれ以前に、オファーして返事が来るまでがサスペンスだったんです。断ってくる時は2つ理由があって、スケジュールが合わないか、単純に出るのが嫌か。どっちだろうとドキドキしていました。出てくれることがわかった時は本当に嬉しかったです」と胸中を明かした。


 岸部は、監督としての水谷の魅力について「挑戦する人ですね。僕だったらこれだけ長くやってきて監督をやってみるって絶対にしないんですけど。でも何歳になっても挑戦を続けるところは尊敬しています。撮影現場でも常に挑戦で頭が下がります」と賞賛した。


 また主題歌を務めた手嶌は「展開にドキドキして、自分の心の良心に訴えかけてくるような作品でした。お客さんの想像力の邪魔にならないように歌わせていただきました」とコメント。水谷は「本当にすばらしいですね。最初に手嶌さんの名前が出たんです。手嶌さんの声しかないとなりました」と製作秘話を語った。


 実は岸部が演じたベテラン刑事・柳公三郎は、水谷が岸部をイメージして脚本を書いたそうで、「もしも僕が刑事なら、こういう刑事なんだろうなという感じでした。なのでそれを残しながら演じるのが、意外と難しかったんです」と自身に近いからこその苦労を明かした。


 水谷は「イメージは一徳さんで本を書きました。そして撮影に入る1年前くらいには一徳さんのスケジュールも抑えたんです」と願っての配役だったことを明かす。すると岸部は「1年後の予定なんて何も決まってないよ」と笑いながら返した。


 撮影の大部分は神戸でロケが行われた。小林は「監督から『若い子たちでご飯に行っておいで』と軍資金をいただいて、4人で神戸牛をご馳走になりました。ものすごく美味しくて、一番神戸を感じた瞬間でした」と水谷の懐の広さを明かすと、水谷は「そうでもしないと悪口を言われますから」と照れ隠し。中山、石田、小林、毎熊は「ごちそうさまです!」と舞台挨拶の場を借りて改めてお礼をし、水谷は「今言うんですか!?(笑)」と驚いた様子。会見は終始和気あいあいとしたムードで進行した。


(取材・文=安田周平)


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  • 前作は観れずじまいだったから今回のはなんとしても観ようと思う。ただ重そうな内容なんで二の足を踏みそうですが(^_^;)
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