安楽智大は楽天投手陣の救世主になるか

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2019年04月19日 11:40  ベースボールキング

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楽天の安楽智大
◆ 則本昂大、岸孝之が不在も投手陣が踏ん張る

 昨シーズン最下位に沈んだ楽天が好調をキープしている。

 4月16日の西武戦でサヨナラ勝ちを収めソフトバンクと並び同率首位に立つと、翌日も西武に快勝。ソフトバンクが負けたことで単独首位に躍り出た。しかし、チーム全体としては順風満帆にことが運んでいるわけではない。

 開幕投手に指名されたエースの則本昂大は、右ひじの故障で開幕前に離脱。代役として開幕戦のマウンドに登った岸孝之も、その試合で左の太ももを痛めて途中降板となり、翌日に登録を抹消された。チームが誇る2枚看板が、揃ってローテーションから姿を消してしまうという絶体絶命のピンチに陥っている。

 それでも、4月18日終了時点でのチーム防御率3.21は、ソフトバンクに次いでリーグ2位の数字。危機的な状態のなか、残された投手陣が踏ん張っている。中継ぎ陣では、昨シーズン半ばに抑えから配置転換された松井裕樹が完全復活。ここまで11試合に登板して6セーブをマーク。防御率は0.75と守護神の役割をしっかりと果たしている。また、宋家豪も8試合の登板で6ホールド、防御率1.08と安定感が増した。


 先発陣に目を移すと、美馬学や辛島航といった2013年の日本一を知るメンバーがローテーションを守っている。とくに美馬は、3試合の登板で2勝1敗、19回を投げて防御率2.84とかつての輝きを取り戻しつつある。与四死球は0と制球が安定しているのも好調の大きな要因だろう。

 さらに、オフにトレードで加わった福井優也も防御率2.81で2勝と本来の力を発揮。美馬とは逆に16回を投げて与四死球は12と多いが、平石洋介監督も「攻めての四球は福井の持ち味でもある。攻めての四球はしょうがない」と容認。新天地でローテーションの座を掴んだ。

 そしてもうひとり。忘れてはいけないのが、2014年ドラフト1位の安楽智大である。


◆ 2試合連続の好投でローテーション定着へ大きく前進

 今季の安楽は開幕二軍スタートだった。しかし、先に触れたとおり開幕戦で岸が戦線離脱。その穴を埋めるかたちで先発の機会を得たのである。そして迎えた安楽にとっての開幕戦。4月5日のオリックス戦では、7回2失点(自責1)の好投。惜しくも白星とはならなかったが、試合をしっかりとつくっている。

 2試合目の登板となった1週間後のソフトバンク戦では、5回2失点と勝利投手の権利を持って降板。中継ぎ陣が打ち込まれ今シーズン初勝利とはならなかったが、ローテーション入りをぐっと引き寄せた。150キロを超えるストレートでねじ伏せるスタイルではなく、打たせて取るニューモデルがここまではうまくいっている。

 平石監督も「素晴らしかった。勝たせてやりたかった」と語るように、しばらくは登板機会が与えられそうだ。安楽は開幕投手であった岸の代役でローテーション入りとなったため、これまではエース級とのマッチアップだった。山岡泰輔(オリックス)、そして千賀滉大(ソフトバンク)といったエースたちと渡りあったことは、本人にとっても大きな自信となったことだろう。

 高校時代から注目を浴びていた安楽は、大きな期待を背負って入団した金の卵だった。しかしここまでは故障の影響もあり、目立った実績を残すことができていない。高卒でプロ入りを果たした同期を見渡すと、岡本和真(巨人)が一足先にブレイクした。また、投手では高橋光成(西武)が昨シーズンまでに14勝をあげ、今シーズンもすでに2勝と結果を残している。

 エース格ふたりが離脱したことはチームにとっては大きな痛手だったことは間違いない。しかし、安楽にとってはまたとないチャンスでもある。しっかりと結果を出すことで穴を埋めることはもちろん、高校時代のように世代のトップランナーへと返り咲くことを期待したい。


◆ 安楽智大・プロフィール
生年月日:1996年11月4日(22歳)
身長/体重:186センチ/87キロ
投打:右投左打
経歴:済美高−楽天(2014年ドラフト1位)
[今季成績] 2試(12.0回) 0勝1敗 防2.25
[通算成績] 30試(161.1回) 5勝13敗 防3.74

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