フォード、IMSA&WECでのGTワークス活動を終了。今後はカスタマーチームのサポートを実施

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2019年04月19日 18:51  AUTOSPORT web

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フォードGTは2016年からフォード・チップ・ガナッシ・レーシングのもとでIMSAとWECを戦い、ル・マン24時間とデイトナ24時間を制している
フォードが現在、ワークス活動として行っているIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(WSCC)とWEC世界耐久選手権におけるGTプログラムが、2019年最終戦をもって終了することが確認された。

 ロードカー発表の翌年、2016年シーズンからマルチマチック社が製作を手がけたレーシング・フォードGTをふたつのシリーズに投入してきたフォードは、その参戦当初、4年間のプログラム継続を約束していたが、プログラムの追加継続の可能性を含めてそのドアは閉ざされていなかった。

 しかし今回、フォードはこれまでフォード・チップ・ガナッシ・レーシングのバナーの下で行われてきたWECとIMSAシリーズでのワークス活動終了を決定。

 フォード・パフォーマンスのモータースポーツ部門ディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックによれば、メーカーとしては今後、セミワークスチームやカスタマーチームへのサポートを行っていくという。

「我々は、フォードがある程度の関与をしながら将来的にクルマをトラックに残す最善の方法を探すことについて話し合いを行ってきた」と語るのは、ラッシュブルックだ。

 また、同氏はその一環としてWSCCの2020年シーズンとWECの2019/2020年シーズン向けて、プログラムに興味を示している複数のチームと協議を重ねていることを認めた。ここにはガナッシとマルチマチックも間違いなく関わっていると考えられる。

 Sportscar365は、今シーズン限りでチップ・ガナッシとの契約が終了するIMSAドライバーが、2020年シーズンまで他チームのオファーを受けないよう求められていることを理解している。ここからはチップ・ガナッシ・レーシングによるある種のプログラムが実施される可能性が高いことを窺い知ることができるだろう。

 計6つの使用可能なフォードGTのシャシーのうち、フォード・パフォーマンスは4台を2020年のレースに出すことを目標とし、WECとWSCCの双方に彼らのクルマがあることを理想としている。

「いくつかのことは決まっていて、またいくつかのことはまだ議論中だ。願わくば、今から6月のル・マンまでの間にそれらの計画がすべて最終的に決定され、我々からそのことについて話すことができればいいと考えている」とラッシュブルック。

 これと同時に氏は、リヤミッドシップにエンジンを搭載したGTEカーの運営は非常に複雑なものになるため、フォードとしても今後のプログラムには関与し続けていくことを強調している。

 このサポート体制は2019年のル・マン24時間レースで、初めてフォードGTを使用するカスタマーチームとなるキーティング・モータースポーツにも適用される。WSCCではメルセデスAMG GT3を駆ってGTDクラスを戦うベン・キーティング率いるチームは、ル・マンでLM-GTEアマクラスに参戦する予定だ。

■フォードGTは「誰にでも売れるものではない」

 また、ラッシュブルックは「チップ・ガナッシ・レーシングとマルチマチックはクルマの動力学、エアロダイナミクス、エンジンとエンジンのキャリブレーションの面でフォードチームと多くの関与を持っており、フォードGTでのレースの仕方に関する知識を豊富に持っている」とコメント。

「競争に参加できうる高い血統を持つ我々のクルマは、誰にでも売るということはできない」

「ボタンを押すだけではダメだ。競争力のあるクルマでレースを戦うには、それに伴う多くの知識が必要になるんだ」

「フォード・パフォーマンスとプログラムに参加するパートナーの利用可能なリソース全体で、クルマに競争力を持たせ、トラック上で成功することを保証するために、私たちが関与し続けることができるようにすること。それが我々の関心事なんだ」

 なお、ラッシュブルックは噂されるフォードのDPi参入については、「2020年にもDPiカーを開発する可能性について現在話し合いが続いている最中であり、フォードファクトリーの将来はまだ決まっていない」と述べている。

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