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「実は高齢者の購入が多い」「肌の露出は控えめ」 北海道「沿岸バス」の萌えキャラフリーきっぷ、“中の人”に裏側を聞いてみた

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2019年04月20日 10:58  ねとらぼ

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写真10周年となる「絶景領域・萌えっ子フリーきっぷ」
10周年となる「絶景領域・萌えっ子フリーきっぷ」

 北海道北部で路線バスや高速バスを運行するバス会社「沿岸バス」(1952年創業)が2009年に発売した萌えキャラデザインのフリーきっぷ「絶景領域・萌えっ子フリーきっぷ」が、2019年で10周年を迎えます。



【その他の画像】「沿岸バス」人気の萌えっ子キャラ



 萌えっ子フリーきっぷは毎年5月から1年間販売され、2019年で第11シーズンに。券面に描かれているキャラは、バスガイドやバス運転手などバス会社の職員、地元で働く女子やバスを利用する学生など。キャラの名前は豊岬など地元の地名にちなみ、描いているのは札幌市在住の漫画家・佐倉はなつみさんと、北海道にこだわったキャラ作りとなっています。



 10周年の大台に乗った萌えっ子フリーきっぷが生まれた背景などを沿岸バスの“中の人”(担当者)に聞きました。



●萌えっ子フリーきっぷが生まれたワケ



 沿岸バスは北海道留萌・宗谷エリアを中心に路線バスを運行。しかしその系統の大半は国や北海道、沿線市町村より補助を受けて維持する赤字路線だといいます。それゆえ、収益悪化に直結する格安運賃は設定できないものの、「管内の周遊や長距離移動を目的とするお客様が計画的に利用することでお得になるような周遊きっぷを設定してはどうか」と考えたのが始まりだと中の人は言います。



 券面のデザインをバスや景勝地の写真ではなく女の子のキャラにしたのは中の人の遊び心によるもの。「まさか10年以上続くきっぷに発展するとは思いませんでした」(中の人)



 発売時、いわゆる「萌えおこし」(萌キャラによる地域おこし)は今ほど盛んではありませんでしたが、当時の地元の反応はどうだったのでしょうか。「萌えっ子フリーきっぷは、その名称を『留萌(るもい)っ子→萌えっ子』から付しているので、割と違和感なく受け入れてもらえたようです」(中の人)



 第1シーズンの売り上げは、年間500枚程度という目標を大きく上回る約1000枚。以降、微増傾向で、第10シーズン(4月30日に終了)では約1600枚の売り上げが見込まれるとのこと。毎年シーズンの変わり目になると、新デザインがネットメディアや地元紙にプロフィール付きで紹介されるため「春の風物詩になっている感がありますね」と中の人は言います。明るいニュースを毎年提供できるので発表する側の立場から楽しんでいると語ってくれました。



 萌えキャラ関連商品というと若者やマニアの購入が多いように思いますが、萌えっ子フリーきっぷの購入者で一番多いのは、実は管内北部の遠別町や天塩町在住の高齢者で、全体の4割を占めるとのこと。「両地域では、2時間以上かけて留萌の病院へ通う方も多く、萌えっ子フリーきっぷを上手に活用いただいているようです」と中の人。



 近年では、北海道や沿線市町村の要請を受けて萌えっ子キャラクターが広報活動に「出張」するなど、活動範囲も拡大。北海道(道庁)留萌振興局による、深川留萌自動車道と沿線市町村をPRするポスターにも出演しています。ご当地キャラを模したメカに沿岸バスの萌えっ子がパイロットとして乗り込む架空のロボットWebアニメも制作されています。



●肌の露出は控えめに



 萌えっ子のキャラクターは、基本的に中の人が大まかなイメージを考えています。キャラクターは、「地方のバス会社に勤務する女の子たちを中心に繰り広げられる日常的ほのぼのストーリー」というプロットに基づいて展開。



 キャラクターづくりで心がけていることは、高齢者の利用が多いため、「いわゆる萌えキャラになじみのない方にも『あら、かわいい』と言ってもらえるようなデザインを心がけています」だと中の人は話します。



 「遊び心は大事にしていますが、全年齢向けに発行するきっぷなので、どのキャラクターも肌の露出は控えめにしています。離島っ娘の観音崎らいなと白浜ひばりは例外的に水着主体ですが、離島航路の船と同じカラーリングのセーラー服を組み合わせて寒々しさを緩和し、素肌部分は健康的に見えるよう指定しています」(中の人)



 人気のあるキャラクターは、バスガイドの豊岬あゆみ(とよさき・あゆみ)と増毛智恵理(ましけ・ちえり)、離島に住む中学生という設定で、高速乗合バスや高速船のラッピングにも起用された観音崎らいな(かんのんざき・らいな)とのこと。地域によって人気のあるキャラクターが大きく異なり、ご当地にちなんだ萌えっ子を推す人が多いようだといいます。その傾向は各キャラクターをあしらったオリジナル缶バッジの地域別売り上げにも表れているそうです。



●10周年まで続いた秘訣



 「10周年まで続いた秘訣」を聞いたところ、「企画の根底にある『遊び心』が好意的に評価されたことが大きいです」と中の人。とはいえ、萌えっ子フリーきっぷの利用増をもってしても赤字路線の現状維持は難しく、近い将来にさらなる再編を進めることになりそうだと語りました。



 地方の公共交通を取り巻く環境は厳しい状況にあり、鉄道の廃線やバス路線の廃止などのニュースも聞かれます。そんな中でも、「今後も安全な輸送とお客様に親しんでいただけるような遊び心を忘れずにつとめて参ります」と中の人は意気込みを語ってくれました。



 「沿岸バスの『絶景領域・萌えっ子フリーきっぷ』は、今年10周年を迎えることができました。沿線には、旧駅から酒蔵・国稀酒造まで歴史通りが続く増毛町や、日本海に浮かぶ天売島・焼尻島を擁する羽幌町、最北の温泉郷・豊富温泉など観光スポットが数多く点在しています。管内へお越しの際は、ぜひ沿岸バスの路線バスをご利用ください。皆さまのご利用をお待ちしております」(中の人)


このニュースに関するつぶやき

  • 2年前に留萌いった際に利用したなあ。1日中使い倒して、留萌〜増毛間の全駅をまわったけど、すごく使い勝手良かった。
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  • 2ケタ年も続くのは立派。コレに対して「みっともない」と文句を付ける輩がみっともない。
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