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菅直人元首相、暴言ツイッター削除せず 「枝野一強」の立憲民主が安倍政権の補完勢力になる日

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2019年04月20日 12:05  AERA dot.

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写真菅直人元首相(c)朝日新聞社
菅直人元首相(c)朝日新聞社

 元首相の“暴言”を発端に、野党の場外乱闘が意外な展開を見せている。

 立憲民主党の菅直人元首相は9日、自身のツイッターに<国民民主党は、政治理念が不明確なので解散し、参院選までに個々の議員の判断で立憲との再結集に参加するのが望ましい>と投稿。立憲民主と国民民主は夏の参院選に向けて選挙協力を模索しているが、表向きは「友党」である政党に元首相が公然と解散を要求し、冷や水を浴びせた格好だ。

 さすがにこの発言には、国民民主だけではなく立憲民主党内からも批判が噴出した。立憲民主会派の岡田克也衆院議員は11日、菅氏の発言について「慎むべき発言」と自重を促した。

 一方、菅氏自身は発言に問題があったとは考えていないようだ。枝野幸男代表は、菅氏に対して口頭で注意をしたが、ツイッターの投稿は現在も残されたまま。枝野氏も実質「処分なし」で問題を収束させるつもりのようだ。菅氏には発言の真意や投稿を削除する意志があるかについて取材を求めたが、「選挙で忙しいため、取材を受けることはできません」(菅事務所)とのことだった。

 この発言をめぐっては、国民民主の玉木雄一郎代表が10日、東京都内の行事で同席した菅氏に「煩悩があり過ぎるようなので、お遍路でも回ったらいかがか」と話し、引退勧告をしたと報じられたことも話題になった。菅氏はかつて、年金未納問題で党首を辞任した時や首相退任後にお遍路をしたことがある。玉木氏の選挙区はお遍路道がある香川県でもあり、「よかったらアレンジしますよ」とも提案したという。

 ただ、実際のやり取りは少し違ったようだ。玉木氏周辺はこう話す。

「実は、その行事には枝野さんら元民主党の幹部も参加していて、お遍路の話題は先に元幹部から先に出たんです。それに応じた玉木さんが、菅さんに『お遍路道を紹介しますよ』と話したのが、『元首相に対して引退勧告をした』と強く問い詰めたように報道された。玉木さんとしては想定外だったようですが、党には激励する声が相次いだそうです」

 ネット上でも、玉木氏が「上手い返しをした」と称賛する声も多い。それもそのはず、民主党政権が崩壊し、最終的に党が分解してしまった責任は、長く党で要職を務めてきた菅氏の方にある。一方の玉木氏は、09年の政権交代選挙で初当選した「若手組」。民主党政権時には1回生議員にすぎなかった。国民民主の議員は、「与党の時に1回生議員だった玉木さんが、民主党の尻ぬぐいのために野党が結集するよう動いているのに、大臣を経験した人たちが足を引っ張っている。恥ずかしくないのか」と憤りを隠さない。

 野党の現状に不安を感じているのは、共産党も同じだ。かつて共産党は、国政選挙では他党と協力せず、全選挙区に候補者を立てることを基本方針にしていた。結果として野党票が分裂して与党を利することになっていたことから、「自民党の補完勢力」と批判されることもあった。それが、15年に安倍政権が安保法制を成立させたことを機に方針を転換。現在は、野党との選挙協力を積極的に進めている。だが、いつまでも共産党が今の方針を維持するとは限らない。

「立憲民主と選挙協力をすれば、支持層が重なる共産党の票が減る。それでも、“本気の”野党共闘を実現するために協力している。なのに、立憲民主と国民民主の協力も進まない状況で、支持者にどう説明すればいいのか……」(共産党関係者)

 野党間の協力が遅々として進まないことに、枝野氏の政治家としての力量に疑問も出ている。枝野氏は、立憲民主の理念として、政治家が権力を振りかざす「上からの政治」ではなく、普通の人たちが政治に参加する「下からの政治」を掲げている。ところが、立憲民主の議員はこう話す。

「安倍晋三首相が長期政権になったことで“安倍一強”なんて言われますが、今の野党は“枝野一強”。野党で枝野さんの地位を脅かすような人はいない。政策では多様性のある社会を掲げているが、野党内で競争がないから党内で枝野さんを批判する人もいない。野党の中では自分の地位は安定しているし、本当はもう政権交代なんてしたくないのではと思ってしまう」

 その意味では、菅氏の暴言は「立憲民主の本音」ともいえる。急いで野党を結集して次の総選挙で政権交代を目指すのではなく、“なんとなく”立憲民主に人が集まることを期待している。事実、「国民民主に未来はない」(立憲民主中堅議員)と見ている議員も多い。枝野氏を脅かす政治家がいないことが、立憲民主が野党内で独自路線を歩む元凶になっている。ある野党議員は言う。

「枝野さんや菅さんは、民主党政権の時に小沢グループが気に入らないから排除しようとして失敗して民主党を崩壊させた。今の立憲民主は、前回の選挙で自分たちを排除した国民民主が気に入らない。また同じ事をやっている。一度離党した人間も、選挙区のライバルも次々に受け入れている度量のある自民党の二階(俊博・幹事長)さんを見習ってほしいくらいだ」

 だが、結党当初は政党支持率が10%を超えていた立憲民主党も、最新の読売新聞の調査では3%まで下がった。さらには、菅氏の発言が批判されたことで風向きも変わりつつある。立憲民主の大串博志議員は、自身のブログで<『野党同士でにらみ合っていることはお互いにマイナス』という認識が広がってきている>と書いている。

 民主党政権時代、菅氏や枝野氏とともに党内で「反小沢抗争」を繰り広げた政治家に、昨年10月に死去した仙谷由人・元官房長官がいる。「数の論理」が支配する政治の世界では、当時の民主党で最大勢力だった小沢グループの意向を無視して政治を進めることは「非常識」なことだった。その仙谷氏は政治家を引退した後、党内抗争の激化を止めることができなかったことを振り返り、「酒でも飲みながら、面と向かって議論していれば、結果はもっと違っていたかもしれない」と語っていた。

 弱体化した野党を救うために、枝野氏や菅氏をはじめ、民主党政権で要職を務めた政治家たちは、かつて対立した仲間達と「酒を飲んで本気の議論」をするぐらいの気持ちがあるのだろうか。それができなければ、立憲民主はかつての共産党と同じように「安倍政権の補完勢力」としての道を歩むことになるだろう。

このニュースに関するつぶやき

  • 下戸のワシに言わせりゃ「酒飲まんと本気の議論ができんのかいなw」ですわ。この記者もそんな程度なんやろね。酒飲まんと本当の取材も記事も無理ってねw
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  • 今の野党議員に政治への信念持った奴は皆無だよ。与党と総理の誹謗中傷で次の選挙に生き残ることしか考えていない屑の集まりだから。
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