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プロ野球、昨年の観客動員数が史上最多に…娯楽施設化する球場、ファン以外も楽しめる

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2019年04月21日 10:11  Business Journal

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写真横浜スタジアムに増設されたウィングシート(「Wikipedia」より)
横浜スタジアムに増設されたウィングシート(「Wikipedia」より)

 プロ野球が開幕して数週間。地上波でのテレビ放送では視聴率で苦戦を強いられるも、直接球場へ足を運ぶファンは増えており、12球団合計観客動員数は6年連続増加と軒並み好調。2018年シーズンは、史上最多を更新する2555万719人とスポーツ興行の観客動員数としては世界的に見ても驚異の数字だ。近年はZOZOマリンスタジアムのホームランラグーンや横浜スタジアムのウィング席が新登場するなど座席増設ブームもあり、今年の動員数はさらに伸びる見込みだ。


 また、笹川スポーツ財団の「スポーツライフ・データ2018」によると、「種目別直接スポーツ観戦状況」では、2位「高校野球」5.8%、3位「Jリーグ(J1、J2、J3)」5.5%を大きく引き離し、「プロ野球」が1位の13.7%となっている。これを見てもプロ野球観戦人気をうかがい知ることができるが、なぜ近年ここまでプロ野球観戦が熱くなっているのか。立教大学経営学部でマーケティングを教える有馬賢治教授に話を聞いた。


●地域ぐるみの「価値共創」で動員数躍進


「観客動員数や最近の球団の取り組みをみていますと、プロ野球の球団経営が近年大きく変化していると感じます。そのなかで、まず挙げられるのが球団の地域密着化でしょう」(有馬氏)


 ひと昔前まではプロ野球といえば巨人や阪神だったわけだが、広島カープ、福岡ソフトバンク、北海道日本ハム、東北楽天といった地方の球団が地元を中心に人気を集めてきたことが、観客動員数最多を更新する大きな理由のひとつといえる。


「スポーツ観戦ビジネスの肝は『価値共創』(消費者と企業との価値の共有・創造)ですが、近年の球団経営をみていますと、プロ野球を通して地元を盛り上げようという地域創生の姿勢を感じます。また、『プロ野球のサービスの満足度調査(2018年)』で総合満足度2位の福岡ソフトバンク、3位の横浜DeNA、5位の東北楽天をはじめ、各球団は“ファンでなくとも楽しめる”空間を提供するため、球場の総合娯楽施設化、いわゆる『ボールパーク化』を推し進めているのも近年の特徴です。これによって、野球にそこまで興味がなくても、『楽しそうだから行ってみよう』と街ぐるみで思わせることに成功しています」(同)


 楽天生命パーク宮城には観覧車がフィールドを見下ろすかたちで稼働しており、横浜スタジアム外周には球場に入れなかった人や球場に近い臨場感で野球観戦を楽しみたい人のためにビアガーデンが期間限定で設営されている。ヤフオクドームも「FUKUOKA超・ボールパーク宣言」と称し、100億円超を投じて周辺エンタメ施設の整備に乗り出しているし、北海道日本ハム新球場の球場内に温泉をつくる構想もプロ野球ファンの間で話題になっている。


 以前、とある球団職員に話を聞いたところによれば、「球団側は勝敗をコントロールできないから、買っても負けても『来てよかった』と思わせる企画を考えることが最近の球団経営の基本」と話していた。各球団の観戦リピート率も多く、多くの球団がこれを実施できているといえそうだ。


●地域、立地を生かしたグッズ展開やイベントの企画も急増
 
 さらに、あまり興味がない人を引きつける大きなツールが“球団グッズ”。リーグ優勝した16年以降、2年連続グッズ収入が50億円を超える広島カープは、女性や子供ファンが思わず買いたくなるような個性豊かな商品ラインナップだ。


「市民球団である広島カープは、おばあちゃん、お母さん、娘、孫娘とつながっていく親子4代のカープ女子を顧客にすると明確に規定しており、各世代の女性が喜ぶかわいいグッズの展開といったターゲティングが上手な印象です。プロ野球が日常となっている関西の球団の阪神では、応援グッズを揃えたファンには生活系グッズの需要があるとの計算から、バッグや帽子、キャンプ用品、ランドセルなどにも手を広げているのもいい戦略だと感じますね」(同)


 また、会社員が仕事終わりに訪れることの多い平日の神宮球場(東京ヤクルト本拠地)では、会社員が喜びそうなビール半額キャンペーンや「神宮からあげ祭」といったグルメ系のイベントを積極的に企画し定番化している点も地域や立地の特色を生かした球団経営の好例だ。このように、コアファン以外の層をいかに球場へ足を運ばせるかがカギなのだ。


●本当の人気球団になるためには?


 しかし、そもそもスポーツ観戦ビジネスに対して、なぜここまで各球団の姿勢が変わったのだろうか。


「今までのプロ野球はただ野球を見せているだけでよかったのですが、娯楽の多様化した現代では、その発想で生き残ることが難しくなってしまいました。それに、それまでのプロ野球球団というのは、あくまで親会社の宣伝媒体というイメージが強く、球団経営だけで利益を出す必要がないと考えられていました。しかし、親会社の経営難で球団が手放される例が過去に何度もあったことから、今は独立採算で球団を運営するべきという意識が強くなったからではないでしょうか」(同)


 かつて球団職員の管理職には親会社から出向してきた人も少なくなかったようだが、今では欧米などでスポーツビジネスを本格的に学んだ人材がその役職についている球団は珍しくない。球団経営は、事なかれ主義から脱却し、積極的にヘッドハンティングを行って斬新な企画を次々と考案しなければ、本当の意味での“人気球団”にはなれない時代に突入しているのだろう。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)


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