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「凍天」で知られる福島県の「木乃幡」が自己破産へ 震災・原発事故で苦境、東電の補償はわずか……「苦渋の決断」

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2019年04月22日 14:23  ねとらぼ

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写真木乃幡が販売していた「凍天」
木乃幡が販売していた「凍天」

 帝国データバンクによると、「凍天(しみてん)」などの餅菓子で知られる福島県の「木乃幡」(南相馬市)が自己破産の準備に入りました。東日本大震災で工場が被災した上、原発事故の影響で風評被害を受けるなどし、業績が悪化していたとのこと。クラウドファンディングで新本店の再建資金を募るなどしていましたが、事業継続を断念しました。



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 Twitterには、「福島、南相馬の宝」「復活させたい」など、福島県在住者から惜しむ声が相次いで投稿されています。



 1965年創業。ドーナツのような生地の中に凍餅が入っている主力商品の「凍天」などを販売し、2006年6月期には年売上高約3億8700万円を計上していたとのことです。



 2011年3月に起きた東日本大震災で工場が被災し、製造が外注依存になった上、本店工場(南相馬市)が東京電力・福島第1原発事故による避難区域内であったこともあり、風評被害から売り上げが落ち込み、業績が悪化。最近は赤字経営となり、大幅な債務超過に陥っていたとのことです。



・震災と原発事故で暗転



“「凍天」は、東日本大震災直前の2月には人気テレビ番組で紹介され、ネット販売や店頭で販売が拡大。建屋の増設や追加機材の購入、1年分超の原材料の仕入れを行い、24時間フル稼働での製造をスタートしていました。



「福島のソウルフード」と番組で紹介され、全出演者から絶賛された私たちの「凍天」が、「いよいよ全国区になる!」と、社長はじめ全従業員が期待で胸が膨らんでおりました。”



──ニュースリリースより



 ですが、その直後に起きた東日本大震災と原発事故で暗転します。



“静岡県警察の放射能測定車両のアナウンスにより30分以内の即刻退去が命じられ、皆が着の身着のまま避難し、従業員も散り散りになりました。



「今こそ勝負」と思い投資・購入した全てのモノは、20km圏内の食料品の持ち出しは禁止の為、一瞬で産業廃棄物と化しました。



静岡県警察の放射能測定車両のアナウンスにより30分以内の即刻退去が命じられ、皆が着の身着のまま避難し、従業員も散り散りになりました。



大量の食品材料、包装資材を含め1年分超の原材料(1億2,000万円相当)を残して退去するしかありませんでした。”



──ニュースリリースより



・東電の和解案は「実損額8億円に対して1600万円」



 2014年には、4億9000万円を投じて宮城県名取市に自社工場を開設。銀行からは6億円の融資を受けたといいますが、



“東電の原発事故によるあまりにも突然で選択の余地がない強制退去により、一瞬で全てを失った私たちは東電から当然賠償が下りると期待していました。



それを前提に、銀行も多額の融資を承諾してくれました。”



──ニュースリリースより



 ところが、東電からの和解案は同社にとって納得できないものでした。



“2019年2月26日付で、長年争ってきた新工場移転費用及び増加利息・保証料に対しての和解案が提示されました。実際損額8億円に対して、わずか1600万円弱でした。



東電の言い分は、「新工場の移設は、新たな財産取得という解釈で、財物補償は認めない」「大規模な工場の建設を行ったのは木乃幡の経営判断」というものでした。



しかし実際は、新工場の面積は旧工場よりも小さく、生産能力も従前の6割なのです。”



──ニュースリリースより



・苦渋がにじむ告知



 2019年1月には、定期借地権契約の終了に伴い、福島本店が閉店を余儀なくされました。3月11日、新福島本店の再建に向けて、クラウドファンディングの開始を発表。約400万円が集まりましたが、4月10日に中止を告知しました。期間中に不測の事態が発生し、パトロンに不利益を与えてしまうとして断念したとのことです。



“クラウドファンディング実施期間中に、不動産オーナー変更による土地代見積もりの増加、本来振り込まれるべき東電の和解金が未だに振り込まれていない事。さらに福島店の閉店による売上の低下が、想定以上に経営面に大きく影響を与えました。”



──告知より



 今回、事業継続を断念したことを受け、木乃幡のWebサイトには顧客など関係者向けに、苦渋がにじむ告知が掲載されています。



“東日本大震災・原発事故の発生後、工場の移転等を行い、凍天を含め、多くの方々にご愛顧いただいている当社の商品をなんとか守りたいという一念で、苦しいながらもなんとか営業を継続してきました。しかしながら、資金的には大変厳しい状況が続き、売上の3割を占める福島店を閉鎖するに至ったことも重なり、当社の資金繰りは回復し得ないほどに逼迫するに至りました。今般、やむなく、事業の継続は不可能という苦渋の決断に至り、本年4月20日をもって当社の全店舗及び工場の営業を停止した次第です。”



 帝国データバンクによると、負債総額は18年6月期末で約7億7400万円とのことです。


このニュースに関するつぶやき

  • 「事業継承」による譲渡も上手くいかなかったか…。ただここだけでなく街の家電屋など商店も無くなってるはずだ。
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  • 美味いんだよ、これ。大好きなんだよ。軽々しく「放射能がー」とか喚く連中のせいでこんなことに。なんとか存続を願います。
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