Kis-My-Ft2、Da-iCE、XOX、MADKID、ヒプノシスマイク……男性グループ新作の作家陣に注目

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2019年04月23日 07:01  リアルサウンド

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 メンバーのルックスやキャラクター、音楽性の高さ、パフォーマンス能力を含め、加速度的に進化を続けている男性グループ(プロジェクト含む)の新作を紹介。楽曲の制作を担当するクリエイターに焦点を当てながら、各作品の魅力をクローズアップしてみたい。


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 作詞・藤井フミヤ、作曲・ヨシダタクミ、編曲・亀田誠治によるシングル曲「君を大好きだ」を含むKis-My-Ft2の8thアルバム『FREE HUGS!』は、様々なジャンルのアーティストが参加している。新曲「ルラルララ」は大森元貴(Mrs. GREEN APPLEE)が作詞・作曲・(山下洋介と共に)編曲を担当。さらにDISC2に収録されたソロナンバーには、個々のメンバーとクリエイターのセンスから生まれる化学反応ーー北山宏光×I Don’t Like Mondays.(作詞・作曲・編曲)、千賀健永×川畑要(CHEMISTRY/作詞)、宮田俊哉×林原めぐみ(作詞)、横尾渉×ビリケン(長江徹と共に作詞・作曲)、藤ヶ谷太輔×大沢伸一(作曲・編曲)、玉森裕太×平井大(EIGOと共に作詞・作曲・西陽仁、NabeLTD、EIGOと共に編曲)、二階堂高嗣×Diggy-MO’(作詞・RAP)がしっかりと刻まれている。メンバー自身の音楽的志向を活かしながら、J-POPの王道とエッジーで先鋭的なサウンドが有機的に結びついていることも本作の魅力だ。


 今年6月に初のベストアルバム、さらにキャリア最大級となる25都市31公演で約7万人を動員する全国ツアー『Da-iCE BEST TOUR 2019』を控えているDa-iCEのニューシングル『FAKE ME FAKE ME OUT』の表題曲は、Official髭男dismの藤原聡(Vo/Pf)が作詞・作曲を手がけている。以前からヒゲダン好きを公言していたDa-iCEからのオファーで実現したこの楽曲は、ネオソウル、ファンクリバイバルの潮流をアップデートさせたトラック、色気と解放感をあわせ持ったメロディラインともに“僕を騙して”と願う男性のアンビバレンツな恋愛感情を描き出したダンスメロウナンバー。花村想太のハイトーンボイス、大野雄大のソウルフルな歌声のバランスを含め、Da-iCEのポテンシャルをさらに引き出すことに成功した名曲だ。


 優れたルックスとビジュアル、舞台・ミュージカルで培った表現力、ダンスミュージックのトレンドを取り込んだ楽曲によってボーイズグループシーンのなかで頭角を現しているXOXの新シングル表題曲「滑走路に咲く」は、爽やかさと力強さが真っすぐに伝わってくるアッパーチューン。これまでの楽曲でもっとも速いBPMのエレクトロトラック、エモーショナルな歌声が映えるメロディとともに響く〈こんなもんじゃないから/そう思っているなら/まだまだ飛べるさ〉という率直なエールは、リスナーの気分をしっかりと上げてくれるはず。作詞はアニソンシーンを中心に活躍しているRIRIKO、作曲・編曲はDef Techの作品、河合郁人(A.B.C-Z)の「OTAGAI☆SUMMER」などを手がけているSawaCreaMが担当している。


 3ボーカル、2ラッパーによる5人組のDANCE&VOCALユニット・MADKIDはデビュー以来、すべての楽曲をメンバー自身が制作。シングル曲「Never going back」「Summer Time」「RISE」を含む1stフルアルバム『CIRCUS』には、彼らのクリエイターとしての才能とセンスがふんだんに盛り込まれている。特に印象的なのは、オープニングを飾る「CIRCUS」。物語のはじまりを告げるようなSE、高揚的なダンストラックとドープなヒップホップが交互に繰り返される構成、自在に繰り出されるメンバーのラップ、ボーカルを含め、このユニットの独創性が強く反映されたナンバーだ。TVアニメ『盾の勇者の成り上がり』第2クールOPテーマとして制作された「FAITH」は、生楽器の響きを活かしたロックチューン。この音楽性の広さもMADKIDの武器だろう。


 “総勢12人の男性キャラクターが4チームに分かれラップミュージックとともにバトルを繰り広げる”という設定のプロジェクト・ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-。簡単にいうと“人気声優がラップする”ということなのだが、プロデューサー、トラックメイカーにZeebra、KEN THE 390、サイプレス上野などが参加し、凄まじいクオリティを実現。1stフルアルバム『Enter the Hypnosis Microphone』にもポチョムキン(餓鬼レンジャー)、三浦康嗣(口ロロ)、弥之助(AFRO PARKER)、SANABAGUN.の岩間俊樹と大林亮三、ラッパ我リヤのMr.Qなどが作家陣に加わり、声優たちの高いスキルを活かした本格的なラップを堪能できるエンターテインメント作品へと結実させている。


■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。


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