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「フォルランの悪夢」ちらつく… 神戸、ポドルスキら大物助っ人の“反作用”

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2019年04月23日 16:00  AERA dot.

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写真ヴィッセル神戸のポドルスキ (c)朝日新聞社
ヴィッセル神戸のポドルスキ (c)朝日新聞社
 マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が師と仰ぐファン・マヌエル・リージョ監督を招聘し、「バルサ流」のポゼッションサッカーを志向していた今季のヴィッセル神戸。ところが4月17日、突如として名将の辞任が発表され、昨季途中まで指揮を執っていた吉田孝行監督の再登板が決まった。同時に主将を務めていたルーカス ポドルスキが「自分に対する信頼が感じられなかった」とキャプテンマークを返上するショッキングな出来事も起き、チーム全体が大いに揺れていた。

 そんな中、注目された新体制初陣の4月20日の浦和レッズ戦。アンドレス イニエスタやダビド・ビジャが負傷欠場する中、吉田監督は「ハードワーク」を求めて秘蔵っ子の小川慶治朗や三原雅俊らを抜擢。守備の立て直しを図った。が、開始早々にセンターバック・大崎玲央のミスからダンクレーが興梠慎三にPKを与えてしまい、早々と先制されてしまう。それでもここから立て直し、後半には古橋亨梧やポドルスキが立て続けに決定機を迎えるなど一方的に押し込んだ。だが、5バックで強固なブロックを作る浦和の堅守をこじ開けられず、0−1で惜敗。リーグ戦3連敗で11位まで順位を下げる格好となった。

「ここ2試合(松本山雅戦とサンフレッチェ広島戦)に比べると自分たちがコントロールしたゲームができた」と西大伍は前向きに語ったが、結果がついてきていない状況は依然として変わらない。ポドルスキが「3連敗の要因? ジャーナリストの方だったら何が原因か言わなくても分かるでしょう」と顔を曇らせ、サンペールも「アンドレスはすごく大きな存在」とイニエスタ不在を嘆いていて、外国人選手と日本人選手の思惑がどこか噛み合っていない印象も少なからず残った。

 Jリーグ外国人枠の拡大に伴って、神戸はここ2年の間に大物スターを続々と獲得した。2017年夏のポドルスキ加入に始まり、2018年夏にはイニエスタ、同年年末にはビジャ、そしてこの3月にはサンペールを補強。華麗な攻撃陣を並べた代償として、2016年から正守護神に君臨してきたキム・スンギュが外国人枠の関係でベンチ外に押し出される形になった。

 3月17日の清水エスパルス戦からは前川黛也が代役GKとしてゴールマウスを守っていたが、4月6日の松本山雅戦では彼のミスから2失点。今季J1昇格組の格下にまさかの苦杯を喫した。その時点で西は「ファンマ監督に何かあるかもしれない」という雰囲気を感じていたという。続く広島戦でも4失点して「守備崩壊」と言える状況になったところで、リージョ監督が本当に辞任してしまう。キム・スンギュが試合に出続けていたら、この結末は回避できたかもしれない。

 とはいえ、神戸下部組織出身の小川が「僕は試合に出てなかったですけど、外から見ていて危なっかしい場面はすごく多かったし、『よくやられなかったな』と思う場面もあった。もっと細かいところを突き詰めていかないと『J1制覇』という高い目標は達成できないと感じていた」と神妙な面持ちでコメントしたように、守りの混乱はGK変更によるものだけではなかった。リージョ監督はバルサ流を推し進めるために攻撃練習に比重を置いていて、守備組織構築にまで手が回らなかったのが大きかったようだ。

 例えば、中盤は山口蛍の個人能力で何とかバランスを取っていた部分があった。「アンドレスやルーカスの運動量の少なさをカバーする意味で自分が神戸に呼ばれたところもある」と山口蛍は自覚を口にし、幅広いエリアを動いて攻守両面に絡んではいたが、彼1人だけで守り切れるほどJ1は甘くない。リージョ監督にしてみれば「ボール回しを完成させてから守りに着手しよう」という思惑があったのかもしれないが、クラブ側はそこまで待てないという判断をした。そのあたりは気がかりな点だ。

 実際、外国人指揮官や選手が日本のサッカーに適応するのは容易なことではない。顕著な例が、2014年のセレッソ大阪だ。2010年南アフリカワールドカップMVPのディエゴ・フォルランを鳴り物入りで招聘し、注目度が飛躍的にアップしたものの、チームは序盤から低迷。1年間でランコ・ポポヴィッチ、マルコ・ペッツァイオリ、大熊裕司と3人の監督が率いることになり、最終的にJ2降格という最悪のシナリオを余儀なくされている。

 当時の主力だった山口蛍は「ディエゴもJ1にいた1年目はなかなかうまくいかなかったですけど、J2に落ちた2015年の半年間はうまくできていた。1人の選手だけでもそれだけかかるんだから、今みたいに沢山(大物外国人)がいるのはやっぱり簡単じゃない。アンドレスみたいにスーパーだとすんなり溶け込んでしまうけど、それ以外は僕らがみんなでサポートしていくことが大事」と苦い教訓をもとに、現状を分析していた。

 フォルランのようなビッグネームが1人入っただけでチームの方向性が大きく変わってしまうのに、ポドルスキとイニエスタ、ビジャ、サンペールにリージョ監督と世界的な知名度を誇る面々がズラリと並んだ今季の神戸のチーム作りの難しさは計り知れない。吉田監督の強調する「ハードワーク」や「攻守の切り替え」は世界のスタンダードではあるが、日本の場合はより俊敏性や緻密さが求められる傾向が強い。

 それは30代半ばになり、全盛期のパフォーマンスをコンスタントに出せないポドルスキやビジャ、イニエスタにはかなり厳しい点。実際、浦和戦のポドルスキを見ても、中盤でボールを受けてサイドチェンジを送るところまでは素晴らしいが、その後スプリントするシーンはほぼなし。データ上のスプリント回数も1回にとどまった。イニエスタは走行距離自体は松本山雅、広島戦ともに10キロメートルを超えていたが、やはりスプリント回数は少ない。そうなると、チームとしてスピーディーかつ推進力ある戦いがしづらくなってしまう。大物外国人選手は傑出した武器を備えている半面、マイナス面も抱えている。松本や湘南ベルマーレのようにそういうスキを突こうとするチームは少なくないだけに、神戸に難しさは付きまとうのだ。

 今後のカードも川崎フロンターレ、コンサドーレ札幌、鹿島アントラーズと難敵が続く。「今が一番の耐え時」と山口蛍も気を引き締めていたが、ここで結果が出ないようだと吉田監督も解任されてしまいかねない。そうやって指揮官がコロコロ変わっていたら、それこそ2014年のセレッソの二の舞になりかねない。三木谷浩史オーナーらクラブ運営側もしばらくの辛抱が必要なようだ。(文・元川悦子)

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このニュースに関するつぶやき

  • “日本の場合はより俊敏性や緻密さが求められる傾向が強い。” これは嘘です。
    • イイネ!1
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  • こんなんわかりきったこやん。 三木谷みたいなオーナーあかんて。 何やっても中途半端やから。
    • イイネ!23
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