「日焼け止め塗ってほしい」「花粉症なので外遊びやめて」保育園を悩ますママからの要望

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2019年04月24日 21:32  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。


 大型連休を前に、日差しが強くなっていくこの季節。かつて、子どもたちにとって、強い日差しの中で遊ぶのは日常的であったが、現代では外遊びと呼ばれる課外活動に関して、保護者側からの苦情が絶えないという。今回は、外遊びを行う際に、幼稚園や保育園側と保護者側の間で生じたトラブルエピソードを紹介する。

 紫外線の悪影響などが叫ばれるようになった影響なのか、外遊びの際には、日焼け止めを施すのが当たり前と考える保護者が増えた。認証保育園に3歳になる女児を通わせている康子さん(仮名)は、園に日焼け止めを塗るように個別対応を申し出たが断られたという。

「うちの娘は、腕と足にある『いちご状血管腫』という痣をレーザーで除去する治療を受けています。そのため、火傷になってしまう危険性もある日焼けは厳禁なんです。自宅で日焼け止めを塗っても、汗などで落ちてしまうので、『外遊びの際には塗り直してください』とお願いしたのですが、園側の対応は『保育士の人数が限られているので、個別対応は難しい』の一言でした。うちの子にとって日焼け止めは、ぜんそくなどの子が薬を飲むのと同じなのに、融通が利かず困りましたね。結局、対応策としてラッシュガードを着せることで落ち着きましたが、日差しの強い日に、長袖を着せなければならないので、夏の外遊びは、かわいそうになりますよ」

 関東圏にある小規模保育所に今年の春から0歳児を入園させた愛美さん(仮名)は、「子どもの日よけが心配だ」と語る。

「うちの園は、小規模なので、0歳児から3歳児までが合同で外遊びに出かけています。まだ体力がない0歳児と、体が大きくなって走り回りたい3歳児では、活動できる時間が違うと思うんです。それなのに、同じように公園に連れて行かれるので、熱中症などが心配。日差し対策も、日よけ帽子だけで、一度先生に『日差しが強いときは、外遊びは必要ないんじゃないですか?』と聞いたら、『0歳児はなるべく日陰で過ごすようにしています』と言われました。これからどんどん日差しが強まっていきますし、0歳児は肌が弱いので、日焼けも心配になってきています」

 0歳児から預けられる保育園では、個別対応のニーズが高まってきているのかもしれない。しかし、現状は園によって対応はまちまちで、細かな配慮までは行き届いていないようにみえた。

 都内にある認可保育園で働いている和美さん(仮名)は、外遊びの際の個別対応が大変だと不満を漏らした。

「ここ数年は特に、保護者からの細かい要望が増えたように感じます。うちの園では、外遊びに出かける時には、虫よけ対策をしているのですが、市販のものだと刺激が強すぎるので、保育士が作ったアレルギー体質の子どもでも使える成分のアロマスプレーを噴射しています。もちろん、新年度に、虫よけスプレーを使っても大丈夫か、保護者に同意書の提出をお願いした上での使用です。それでも中には、肌が荒れてしまう子がいて、保護者から『虫よけバンドではダメなのか』とクレームが入りました。腕に付ける虫よけバンドは、月齢が小さいと誤飲の危険や、遊具への引っかかりの心配があるので、使用を禁止しています。一人の子どもを許してしまうと、ほかの保護者からも使いたいという要望が来るため、『うちの子だけは特別に許可をしてください 』という、モンペ気味の保護者対策が大変なのです」

 和美さんが働いている園では、気温が高い夏の期間、外遊びから帰るとあせも予防のため、子どもたちはシャワーを浴びている。塗っていた日焼け止めが取れて床や水が汚くなるため、保護者には日焼け止め禁止を伝えている。

「日焼け止めを塗っていると、汗やシャワーで取れてきて衛生的ではないのもあって、うちの園では禁止しています。それでも、ウォータープルーフの落ちにくいものを塗ってきている子どももいるんです。日焼け止めは禁止だと保護者に説明したのですが、『日焼け止めを塗っていないと日に焼けてどんどん黒くなる 』とキレ気味に言われました。園でも首に日よけが付いた帽子を被るのを徹底したり、なるべく日陰がある場所を選んだり、気を使っているのですが、日差し対策に敏感な保護者が増えてきた気がします」

 肌へのダメージなどを心配し、日焼け止めの必然性を訴える保護者も多いという。子どもが日中、外遊びしていた時代と現代とでは事情が変わってきているようだ。

 最近では、花粉症と診断される子どもが増え、保護者が外遊びに過敏になっているケースもあるという。都内の認証保育園に勤務している由香さん(仮名)が受け持つクラスの子どもは、半数近くが花粉症を訴えている。

「公園などの外遊びに出かけると、花粉症の子どもは、目が真っ赤になってしまうんです。対策のために、メガネやマスクをさせても、子どもたちが嫌がって取ってしまうことも。そのため、保護者から『花粉がひどいので、今日は外遊びは止めてもらいたい』というクレームが入りました。うちの園では、課外活動の時間を減らして、室内でのリトミック教室や造形を行ったりしています。すると今度は、別の保護者から、『外遊びをしないせいで体を動かしていないから、寝かしつけても寝なくなった』というクレームが入ったり……。保護者の対応で疲れてしまいそうです」と、不満げな表情を見せた。

 外遊びでは、外気に触れたり、植物や小さな生物と触れ合いの機会を持つことができる。成長過程の子どもにとって外遊びのメリットは多いが、環境の変化や、アレルギー体質の子どもが増えているため、外遊び自体がリスクになっているようにも感じられる。保護者からの要望にどこまで対応するのか、一昔前より、園の抱える課題は増えているようだ。
(池守りぜね)

このニュースに関するつぶやき

  • 数十年前と今では日差しの強さは全然違うと思う…先生が個別に塗り直しは無理だから、この際児童全員が日焼け止めを自分で塗り直しするようにしたほうがよいのでは。先生は日焼け止めつけてるでしょう?
    • イイネ!28
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