『スレイヤーズ』裏話も「FANTASIA ANNIVERSARY LIVE 2019」昼公演レポート

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2019年04月25日 11:11  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●ファンタジア文庫創刊30周年記念イベント
「暴れるモンスターあれば とことんぶちのめし
 輝くお宝あれば 無理やり独り占め
 大胆不敵 電光石火
 勝利はあたしのためにある!」

平成が終わろうとしている2019年1月に、まさか林原めぐみ、いや“リナ=インバース”によるこの生口上から、オリジナル2人による「Get along」を聴ける日が来るとは……。

そんな超貴重な『スレイヤーズ』ステージをはじめ、ライトノベルレーベル・ファンタジア文庫(1988年11月創刊)の創刊30周年を記念したライブイベント「FANTASIA ANNIVERSARY LIVE 2019」が1月12日、豊洲PITにて開催された


アニメ化もされたファンタジア文庫の人気5作品にスポットをあて、豪華出演陣のトークやライブで集まった観客を楽しませた。ここでは、昼の部の模様をお伝えする。MCは吉田尚記アナウンサーが務めた。
○●『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた』(2012年7月刊行)

TVアニメ第1期、第2期『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた♭(フラット)』も人気を博し、2019年秋には劇場版『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた Fine(フィーネ)』の公開が予定されている『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた』。

トークパートには、安野希世乃(加藤恵役)、大西沙織(澤村・スペンサー・英梨々役)、茅野愛衣(霞ヶ丘詩羽役)が登場。豊洲PITは『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた』が以前イベントを行った聖地とも呼べる会場だけに、挨拶した3人は嬉しそうな表情だ。

さっそく作品の話になると、本作はキャラクターの名前や設定が“属性祭り”だと笑う。そんな中で、ヒロインの加藤恵は“普通”なのが特徴。オーディションでも安野は「本当にヒロインなのかな?」と思ったそうで、ポスターでの恵の位置やキャスト発表、エンディングクレジットの順番など、当初はいろいろ不安もあったのだとか。

普通の子を演じる上では、「頑張らないように、力を入れないように。針の穴に糸を通すような気持ちで(演じた)」と語る安野。本作のメッセージは「あなただけの加藤恵を見つけましょう」だと思っているそうで、それが普通の魅力に溢れる演技につながったと言えるだろう。大西からは「伸びしろのある子が結局勝つんだなと思った」との正直な感想も。

好きなシーンの話題では、安野が「美術室のシーン」を挙げると、大西も茅野も納得の様子。2人ともアフレコ時に涙が止まらなかったと振り返る。それだけに、茅野は劇場版でも泣いちゃいそうだと話していた。

他にも、主人公・安芸倫也(CV:松岡禎丞)の話題にもなり、アフレコでは女性陣が「倫也のここがダメ」という話をしていたと明かす。その中でも特にダメなところを聞かれると、3人は相談して「ここぞという決めどころでフラグを折るところ」を挙げていた。

トークに続いてはライブパート。恵を意識した衣装で登場した春奈るなが、オープニング映像をバックに「君色シグナル」(TVアニメ『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた』オープニングテーマ)を青春さの爽やかをと甘酸っぱさいっぱいに披露。

MCでは英梨々が好きだと語り、さらに「ステラブリーズ」(TVアニメ『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた♭』オープニングテーマ)を歌い上げて本作のステージを締めくくった。
○●『ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)』(2014年7月刊行)

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』からは、鈴木このみが登場。黒と青のスタイリッシュな格好でオープニングテーマ「Blow out」を熱唱し、会場のテンションを一気にあげる。間奏で「まだまだ〜!」と気合の入った声をあげると、さらなるハイパフォーマンスでみんなを魅了した。

次の作品への幕間には、スクリーンで作家たちからのお祝いメッセージを紹介。ユーモアをきかせた内容もあり、個性溢れるメッセージに笑いが起きる場面もあった。
○●『デート・ア・ライブ』(2011年3月刊行)

この日のちょうど前日からTVアニメ第3期『デート・ア・ライブIII』がスタートした『デート・ア・ライブ』。まずはトークパートが行われ、井上麻里奈(夜刀神十香役)、真田アサミ(時崎狂三役)、富樫美鈴(鳶一折紙役)、野水伊織(四糸乃役)が登場。

挨拶で井上がいきなり「スレイヤーズの話しますか?」と目を輝かせていたが、やはり今回の出演者たちにとっても『スレイヤーズ』は特別な作品であり、特に井上は本気で話をしたくてウズウズしていた。

『デート・ア・ライブ』はラノベの王道ともいえる設定も特徴のひとつ。登場するキャラクターは作者である橘公司先生の歴代の好みを集約させたものであるのだとか。

人間ではなく“精霊”を演じる上での役作りについて聞かれると、井上は「男子の妄想と一緒で、女子としての理想の子を演じた」と語る。真田も自身が想像出来るエロスを集約して演じたそうで、やはり想像力を駆使して魅力的なキャラクターを作り上げていったようだ。

富樫は、折紙が実はかなりの肉食系ということで、どう演じようか向き合う時間が長かったと振り返る。対照的に野水は「四糸乃は私に近い」ため、役作りはあまり苦労しなかったという。

主題歌に関しては、第3期で約3年半ぶりにsweet ARMSがオープニングテーマを担当。メンバーが集まると、久しぶりでも以前と変わらなかったと笑っていた。

ライブパートでは、そのsweet ARMSのメンバー(野水、富樫、佐土原かおり、味里)が集結。まずは第1期オープニングテーマ「デート・ア・ライブ」を披露。「ただいま〜!」と嬉しそうに叫び、熱いステージを繰り広げていく。

久しぶりのステージを噛みしめる4人は、1月30日リリースの新曲「I swear」(TVアニメ『デート・ア・ライブIII』オープニングテーマ)も初披露。疾走感の中に綺麗さと迫力があると語っていたように、物語性のある振り付けで雰囲気たっぷりに綺麗な高音を響かせた。

●貴重な『スレイヤーズ』ステージ
○●『東京レイヴンズ』(2010年5月刊行)

『東京レイヴンズ』からは、黒崎真音が黒の衣装で登場して「X-encounter」を熱唱。魂の叫びがそのまま歌声になったようなパワフルでカッコいいステージは、間奏で観客を煽るとさらに熱量を増してみんなの元へと届けられた。

作家からのお祝いメッセージ、その2でも30年の歴史を感じさせる豪華な先生たちのメッセージを紹介。そして、最後はあの作品のステージへ。
○●『スレイヤーズ』(1990年1月刊行 ※長編文庫第1巻)

※長編第1作は1989年に第1回ファンタジア長編小説大賞準入選。同年、短編第1作も誌面に掲載されている。
※当時のタイトル表記は『スレイヤーズ!』

まずは、前述の生口上からどよめきと歓声に迎えられた、林原めぐみと奥井雅美による「Get along」(TVアニメ『スレイヤーズ』オープニングテーマ)のライブ。2人とも赤と黒を基調としたリナ=インバースを髣髴とさせる格好なのが熱い。スクリーンの映像が4:3なのも歴史を感じる。

熱い歌声、2人のハーモニーはもちろんのこと、背中合わせでチラッと顔を合わせる姿も感動的だ。ちなみに、この2人が生でこの曲を披露したのは奥井のライブに林原がシークレットで出た時ぐらいであり、本当に貴重な瞬間となった。

続くトークパートには、林原めぐみ(リナ=インバース役)、川村万梨阿(白蛇のナーガ役)、鈴木真仁(アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン役)、緑川光(ゼルガディス=グレイワーズ役)が登場。当時の裏話も交えてトークを展開していった。

昨年(2018年)、18年ぶりに新作が出たことでも話題となった『スレイヤーズ』は、累計2000万部を達成した、ライトノベルの金字塔的な作品。

しかし、当時は作品イベントが今のように頻繁に行われていなかったこともあり、劇場版は舞台挨拶があったものの、TVシリーズのイベントはおそらく今回が初めてだという。鈴木に至っては『スレイヤーズ』関連で人前に出るのが初という驚きの事実も。

さらに物語の設定上、リナ以外はTVシリーズ組(今回の出演者では、緑川と鈴木)と劇場版組(川村)は一緒にならないため(例外は「スレイヤーズEVOLUTION-R」。川村がナーマ役として出演していた)、このメンバーが集結したこと自体がレアなのだとか。

どちらにも出演している林原は、TVシリーズと劇場版でのリナの立ち位置の違いを説明し、「劇場版だとナーガがやっかいなんですよ」とぶっちゃける。すると川村もそれに応酬して笑いを誘っていた。

そうかと思えば、やっぱり食べ物の話で盛り上がるのも『スレイヤーズ』。打ち上げのお店のハラミを食べ尽くしたことや、林原から鈴木はハラミを、緑川はとんかつ茶漬けを教えてもらったことなど、食べ物ネタは話題に尽きない。松本保典(ガウリイ=ガブリエフ役)が、アフレコ後に昼過ぎから飲んでいたこともあったとの暴露話も飛び出していた。

そして、何より印象的だったのはアフレコについての話だ。命を削るほどの熱量で行われていたアフレコは、朝は元気でも夜になると林原も川村もヘロヘロのゾンビのような状態だったという。その姿を緑川はすごいと思って見ていたそうで、鈴木は当時デビューしたてで噛むことも多かったが、笑って「大丈夫だよ」と言ってくれた先輩たちの優しさを語っていた。

アフレコのエピソードは他にも多数。例えば、川村は11人のナーガが出てくるOVA『スレイヤーズすぺしゃる』で、笑いを何パターンも録って重ねたため、最後は酸欠状態になったのだとか。

「限界は自分で決められないんです」と話す林原。予めこのぐらいかと考えて臨んでも、実際のアフレコではそれ以上のものが出てきて、自分でも止められないという。役者魂とも言うべき姿は、ベテランの方たちにも伝わったようで、故・内海賢二のエピソードはとても印象深いものだった。

それは、内海がゲストで出演した時のこと。アフレコ時に絵の状態があまり良くなく、心苦しく思いながらも林原たちはフルの力でテストをやっていたそうだ。それを見た内海は「めぐたちがこんなにやるんじゃ、俺たちも手を抜くわけにはいかないな。絵がどうのとか言ってる場合じゃねぇ。やるぞ!」とベテランの皆に発破をかけてくださったのだとか。

どんな状況だろうと100%以上のものを出してこそ『スレイヤーズ』という気持ちでやっていたと語る林原の言葉が、とても印象的だった。

内海については、川村からもとっておきのエピソードが。劇場版に内海が出演した際、自身の出番後も村人のガヤなどに参加してくれたという。しかし、「うひょひょひょひょ」と笑う内海は、ディレクターから、「内海は声が目立つので出て下さい」と言われてしまったたらしい。笑い話であると同時に、そこまでさせてくれる現場だったと言えるだろう。林原も「そういうことって嬉しいですよね」と口にしていた。

貴重な裏話が次々飛び出した『スレイヤーズ』ステージのラストを飾ったのは、エンディングテーマ「KUJIKENAIKARA!」のライブ。林原と奥井によるこの曲のフルコーラス披露は、オープニング以上に貴重かもしれず、会場は2人の美しいハーモニーと大歓声に包まれていた。

最後は改めて全員が登場し、ファンタジア文庫編集長からのメッセージが紹介される。出演者からの挨拶では安野が林原にいじられる場面もあり、ファンタジア文庫を通じて先輩と後輩の繋がりが生まれ、さらにより良い作品が生まれていくのだろうと感じさせてくれた。(千葉研一)

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