“個性的”になりたい人がまず最初にやるべきこととは?

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2019年04月26日 22:00  citrus

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「今気になる・人に話したい旬のネタをお届けすること」を旨とするネットニュースサイト『ねとらぼ』によると、社会の抑圧から苛まれた若者の気持ちを描いた風刺漫画『社会適合者のつくりかた』が、大きな反響を呼んでいる……らしい。

 

そのおおよその主張は、

 

10代までは周囲が求める「普通」に応えて“我”を押し殺してきたというのに、就活をすれば、会社は「個性」を求めてくる(=若者を抑圧しておきながら、社会は「個性」を求める)→そのくせ、結局のところ、会社は最初から「個性」など求めていなかった

 

……といったもので、作者のあめみくろさんが「個性を殺してきたのはお前らだろ」との想いを込めて描かれた同漫画には、

 

「『同調圧力』『洗脳』『普通』『常識』に対するモヤモヤした思いが全て書いてあった」

 

「いざ個性を出そうとすると、のけ者にされる」

 

「しょせん会社が求める『個性』とは、『利益を出せる個性』のこと」

 

「個性を認めてもらうには相応の実力が必要で、社会の体質だけの問題ではない」

 

「一見すると同じようなスーツの集団にも、意外といろんな人がいる」

 

「現実はそこまでひどくない」

 

……ほか、共感・批判・疑問が入り交じるさまざまな声が寄せられているという。誤解を恐れず一言で断じてしまえば、皆さん「自身の個性の表現手段と塩梅に悩んでいる」のだろう。

 

ならば、「個性」とは、はたしてなんなのか? 

 

デジタル大辞泉には

 

「個人または個体・個物に備わった、そのもの特有の性質」

 

……とあった。じつにわかりづらい。わかりづらいけれど、なんとなく「個性」なるものの本質を匂わす言い回しにはなっている……とも解釈できなくはない。その「本質」を、もう少々噛み砕いたかたちで“解説”している名言があるので、紹介しておこう。私がすでに20回以上は全巻読み返している超フェバリット高校野球漫画『ラストイニング』の15巻に掲載されている、春日野大栄高校の名門野球部を長年率いてきた熊谷元監督のセリフである。

 

「何が個性を伸ばす指導だよ。個性ってのは基本が出来た上でそれでも滲み出てくるもんだろ。何も身に付けてないのに個性もクソもあるか」

 

つまり、「個性」とは「作為的に出すもの」ではなく「自然と出てしまうもの」ということだ。

 

たとえば、藤子センセイが描いたドラえもんの原画があったとする。それを極力忠実に真似るため、上からトレーシングペーパーを被せて、その線を丁寧になぞってみる。当然のこと、ほぼオリジナルに近いドラえもんが完成するわけだが、「近い」だけで100%完璧に「同じ」ではない。「線をなぞる」という行為には、必ずコンマ数ミリかのズレが生じてくるからだ。そして、その「ズレ」こそが「個性」だと、私は考える。もし、あえて学校の指導者側や企業の採用側に非を認めるなら、こうした「個性」の本質を正確に咀嚼しないまま、「個性」という単語を口癖のごとく乱発してしまう安易で不用心な姿勢にあるのではなかろうか。

 

仮にあなたが、本気で実社会において「個性」的な人間を演じたいなら、むしろまずは「徹底して周囲の身近な人たちと同じ仕事・生活スタイルで日々を暮らしてみること」をおすすめしたい。余計な雑念を脳に通過させず、とりあえずはトレース作業に専念することによって、「個性」ははじめて浮き彫りとなってくるのである。

 

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