あきらめないカープ 「優勝確率0%」からの巻き返しなるか

5

2019年04月28日 11:11  ベースボールキング

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ベースボールキング

逆襲の気配を漂わせる王者・広島 (C)KYODO NEWS IMAGES
◆ 開幕4カード連続負け越しは「優勝確率0%」

 2019年のペナントレースも開幕から1カ月が経過した。セ・リーグでは、大型補強を敢行した巨人がスタートダッシュを決め、それをヤクルトと中日が追いかけるという展開。リーグ3連覇中の広島は現在のところ4位と、少し思わしくない出だしとなってしまった。

 今季の広島は開幕戦こそ巨人に勝利するも、その後は3連敗と勢いに乗ることができず。なんと球団史上初となる「開幕5カード連続で勝ち越しなし」という苦しいスタートとなった。

 プロ野球の歴史を紐解いてみても、開幕から4カード以上連続で負け越したチームの優勝というのは両リーグでも見ても前例なし。特にこの3年はロケットスタートからの押し切りという印象が強かっただけに、王者の思わぬつまずきはセ・リーグの大きな話題のひとつになった。

 しかし、“鯉”のぼりの日が近づくにつれて、その悪い流れは変わっていく。4月17日の巨人戦、2点ビハインドの9回に3点を奪って逆転勝ちを収めたところから勢いに乗ると、そこから2度のサヨナラ勝ちを含む破竹の8連勝。最大8まで膨れ上がった借金を4月のうちに完済した。

 上で触れたように順位は4位も、上位との差はわずか。連休中にはヤクルトに巨人、中日と上位勢との対戦が控えており、今の勢いで勝ち進んでいけば一気の上位進出も見えてくる。


◆ 主軸を欠きながらも連勝

 ようやくエンジンがかかってきた王者・広島。その立役者は“チーム全員”と言っていい。

 連勝のキッカケとなった巨人戦では、大ベテランの石原慶幸が試合を決めた。ほかにも、19日のDeNA戦では会沢翼が、23日の中日戦では小窪哲也がそれぞれサヨナラ打を放っている。

 開幕から元気のなかった投手陣も安定してきた。8連勝のうち、6試合で先発投手がクオリティ・スタートを達成。なかでも昨季までローテーションに入っていなかった床田寛樹やアドゥワ誠といった新顔が好投を見せているのは嬉しい誤算と言えるだろう。

 唯一、21日のDeNA戦だけQSとはならなかったものの、その試合でもクリス・ジョンソンが5回1失点と試合は作っている。先発投手が安定することで、どっしりと構えた試合運びができるようになったのは大きい。


 一方、打線の方はというと決して万全な状態ではない。松山竜平が頭部死球の影響で21日に登録を抹消されており、不動の4番・鈴木誠也も23日からコンディション不良でスタメンを外れている。

 連勝中に主力ふたりが欠けるアクシデントがあれば、意気消沈してしまってもおかしくないところ。それでも、会沢がサヨナラ打を打った試合後に「最後まであきらめないのがカープの野球」とコメントしたように、全員で一丸となって逆境をはねのけて白星を重ねることができているのは、3連覇で培った自信と経験があってこそのものだろう。

 8連勝で上り調子なのは間違いないが、言ってしまえば“まだ5割”。振り出しに戻ったところであり、リーグ4連覇と悲願の日本一を目指すチームにとってはここからの戦いが重要になってくる。

 「優勝確率0%」というデータものしかかってくるが、思えば昨季はチーム史上初の3連覇を達成しており、これは巨人以外では初という快挙。つまり、一気にふたつの歴史を塗り替えたということになる。

 一丸となって最後まであきらめずに4連覇を目指す広島が、令和元年に新たな歴史をつくるか。息を吹き返してきている王者の今後に注目だ。

このニュースに関するつぶやき

  • 記録は破られる為にある。優勝は分からないけど、全然諦めるなんて言葉はないです。明けない夜はない。
    • イイネ!3
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(3件)

ランキングスポーツ

前日のランキングへ

ニュース設定