体外受精で受精卵取り違え 誕生した次男が「長男や父にも似ていなかった」(米)

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2019年04月30日 16:41  Techinsight Japan

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受精卵を取り違えたとして訴えられている医師と病院(画像は『New York Post 2019年4月25日付「Couple had son of different race after clinic mixed up embryos: suit」(CT Fertility; Google Maps)』のスクリーンショット)
米コネチカット州トランブルの不妊治療クリニックで体外受精を受けた夫婦が、病院側の手違いで受精卵を取り違えられ、全く血の繋がりのない子供が誕生していたことが分かった。この夫婦はクリニックと医師を相手に訴訟を起こす構えでいるという。

夫婦(名前などは明らかにされず)が最初に不妊治療クリニック「CT Fertility」を訪れたのは2015年1月で、2人がスクリーニングして選んだドナーの卵子と夫の精子を受精させ、その受精卵(胚)を凍結保存した。その後、妻はこの受精卵を使って妊娠し、2016年4月19日に長男が誕生した。2017年、長男と血の繋がりがある子供が欲しかった夫婦は、同クリニックを再訪し最初の治療で凍結した受精卵を使うことを条件に再び体外受精を行った。

何度かの失敗を重ねながらも妻は再び妊娠し、2018年8月に待望の次男が誕生した。しかしその子が長男にも父親にも全く似ておらず、肌の色が黒すぎることに不信を抱いた夫妻は、次男の誕生から2か月を待たずにクリニックとは別の機関でDNA鑑定を依頼した。そして結果は「次男は父親とは一切血の繋がりがない。また長男の真の弟でもない」という衝撃的なものだった。

現在英ロンドンで暮らす夫婦は、受精卵の取り違えが起こってしまったことについて次のように述べている。

「次男は健康で、私たちはできる限りの愛情を注いで育てていますが、『この子の父親は誰?』と質問されたり、『母親が浮気をしてできた子』と心無い噂を立てられたりと精神的な苦痛を日常的に味わっています。また『私たちが凍結した受精卵はどこにいってしまったのか。まだ凍結されたままなのか、それとも病院が失くしてしまったのか。受精卵に違う名前が付けられてしまったのか。そもそも次男の受精卵は誰のものなのか。父親は遺伝的な病気を持っているのではないだろうか…』と疑問は尽きません。それにある日突然、父親だと名乗る者が現れて、息子の親権を要求することだってあり得るわけです。」

『New York Post』によると、クリニックはすでに閉鎖されているものの、夫婦は経済的、精神的に打撃を受けたとしてクリニックと担当医メルヴィン・ソーントン氏に対し20万ドル(約2230万円)の損害賠償を求めている。しかし裁判が始まるのは2021年9月とされており、ソーントーン氏は現在別のクリニックで医師として働き続けている。ソーントーン氏が働くクリニックのスタッフは「ソーントーン氏は受精卵を母親に戻す作業はしましたが、実際に受精卵を作ったのは別の医師でした」と述べており、同医師の関与を否定している。

画像は『New York Post 2019年4月25日付「Couple had son of different race after clinic mixed up embryos: suit」(CT Fertility; Google Maps)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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