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初めてでも大丈夫。ホラー映画『ハロウィン』が最高すぎると映画好きミュージシャンたちが絶賛!

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2019年05月01日 18:40  M-ON! MUSIC

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M-ON! MUSIC

写真掲載:M-ON! MUSIC
掲載:M-ON! MUSIC
邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。

【動画】映画『ハロウィン』予告編

今回は、ホラー映画『ハロウィン』を4人で観賞。屈指のホラー映画マニアと称されるようになった小出部長の超絶解説が炸裂します!

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みんなの映画部 活動第52回[後編]
『ハロウィン』
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子、ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)、オカモトレイジ(OKAMOTO'S)

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■衝動的、腑に落ちない感じこそがリアルに怖い

小出 『ハロウィン レザレクション』は今観直してみると結構面白くて、ネットを絡めた話になってる。今でいうYouTuber的な発想でマイケル・マイヤーズの家に潜入して、肝試しをネット配信するっていう若者たちがマイケルの手にかかるっていう。

日本ではこないだ公開された『コンジアム』っていう韓国のホラー映画とだいぶ近いことをやっている。そもそもバズを狙った企画だからやらせも仕込んでて、若者たちもブギーマンのマスクをかぶったりするから、もう何がホントで何がウソなのかわかんない。

ハマ その内容も2000年代初頭っぽい感じですね。

小出 そうそう。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)がブームになった直後の作品なんで、POV(主観映像)を取り入れてるっていうね。

そのあと『ハロウィン』(2007年)と『ハロウィンII』(2009年)があるんですけど、ここでまた『H20』と『レザレクション』の話がリセット。これは、ホワイト・ゾンビってバンドやってたロブ・ゾンビが監督してるんだけど。

ハマ こいちゃんは日本のロブ・ゾンビ!? バンドやっていてホラー映画大好きで。

一同 (笑)

小出 2000年代半ばになると『テキサス・チェーンソー』(2003年)とか、往年のホラー映画リブートがちらほら起きて。このロブ・ゾンビ版『ハロウィン』もリブートですね。ローリーとの血縁関係っていう設定も受け継ぎつつ、マイケルの幼少期についてかなり掘り下げた描写がある。

そのパート1はまだ“ビギニング”だからと思って興味深く観られるんですけど、『ハロウィンII』はちょっとこれじゃない感……。死んだ真っ白いマイケルのお母さんが、真っ白な馬を連れて出てくる(笑)。

──これまでのシリーズ10作の流れを全部振り返りましたね(笑)。

小出 はい。で、やっと今回の映画の話に戻るんだけど、まず素晴らしいと思ったのは、第1作の説明しすぎないシンプルな作りが戻っていること。2作目以降は後付けの説明大盛りだなっていうのをずっと思ってたから。

ハマ 闇の深さについて理由を明快に説明されると、恐怖が消えちゃうってところありますよね。世にはびこってる犯罪の怖さや不気味さも結構そういうことじゃないですか?

小出 ニュースとか見ていても本当の犯罪動機はわかんないもんね。いつもは穏やかな人が突然残虐な犯罪を起こしちゃったり。

ハマ 衝動的にとか、腑に落ちない感じこそがリアルに怖い。今回の映画にはその感覚があったと思います。例えばハロウィンの日だから、ブギーマンのマスクをして街中に立っても誰もなんとも思わないし。普段の平和な日常のなかに、実は殺人鬼があなたのそばにいるかもよっていう。

レイジ 凶器とか持っていてもコスプレかと思っちゃう。

福岡 たしかにそういうのあるなあ。あと不穏な気配っていうの? なんか劇中にマイケルをチラッと見てた人いたけど、まあいいか、みたいな。

小出 そういうシーンあったじゃん? 「なんか変なやついるなあ」みたいな。

ハマ なんとなく「気持ち悪っ!」みたいな瞬間ね。そういう恐怖が日常でくるまれてる感じが観ていて生々しく伝わってきました。

■大人になってこういうのをみんなでワイワイ観るのは本当に楽しい

小出 今回の『ハロウィン』が『II』以降の流れをいっさい捨て去って、シンプルに第1作からの40年後を描くっていうのは、表現のうえでも原点回帰って意味が強い。

でも、40年の歴史は決して無駄ではなくて。80年代スラッシャー映画が流行って、90年代には“それらを踏まえた”スラッシャー映画『スクリーム』(1996年)とかが生まれ、00年代にはソリッド・シチュエーション・スリラーが流行ったり、リブートの映画が流行った時期もあった。

でも、近年『ゲット・アウト』(2017年)、『へレディタリー 継承』(2018年)みたいに、クラシックな手法を研ぎ澄ませたホラーがまためちゃ面白いタームに入ってきてる。今は、むしろクラシックをやっていいわけですよ。

そこで『ハロウィン』がオリジナルのキャストやスタッフを携えて復活したっていうのは、あまりにもジャストすぎて素晴らしい。

レイジ 好きですね。観たときの印象として懐かしい気持ちになるんですよ。久しぶりにこういう超純粋なホラー映画観たなって。純度たけえ〜みたいな。喉カラカラのときに、水をごくごく飲んだときの「うわ、うめえ!」みたいな感じ? テンポ感にも昔ながらの程よいユルさがあって、王道の娯楽映画に徹している感じがカッコよかったです。

ハマ 始まり方も超カッコよかったですね。

小出 オープニング超最高だったでしょ?

ハマ 最高でしたね。曲の感じとか。あれは過去作へのオマージュではないんですか?

小出 オマージュというか、もうそのまんまなんですよ。『ハロウィン』の特に初期3作はオープニングから意味があるんだけど、今回は逆再生で腐敗したカボチャが戻っていくっていうものだった。40年間止まってたものが再び動き出すっていうオープニングなわけですよ。

で、そんなオープニングが示しているとおり、今作は第1作のシーンや画作りが反転されてるところが多いんです。もちろん意識的に。これが何を表してるのかというと、40年っていう時を経て、かつて被害者だったローリーも、いまやマイケルに匹敵するような鬼へと化しちゃったことなんですよ。

──ローリーをここまでハードコアな戦うヒロインに仕立てたことは画期的ですね。

ハマ もはやライバル関係ですよね。反撃への備えが徹底していた。

小出 今作ですごい面白いと思ったのは、カメラがマイケル側も追うんですよ。ホラー映画の定石として、追っかけてくる殺人鬼を後ろからっていうのは撮らない。どういうふうに行動してるのかってカメラが追うことは、基本的にないわけ。観客の気持ちを、“追われる側”に置いておきたいから。

でも『ハロウィン』ではローリーと同じようにマイケルもカメラが追う。つまり対等なんだよね。ふたりが。

福岡 それめっちゃ自然に観てたわ。ホンマやな。

小出 ローリーのターン、マイケルのターン、みたいな演出は普通はしないからね。明らかに対決の構造をとってる。そして終盤の追っかけ合いは、徹底的にオリジナルと対になる構成を取っている。

福岡 なるほどなあ。しかしそんな細かいところまでよく観てるよね?

レイジ めちゃくちゃ『ハロウィン』好きじゃないですか。

小出 めちゃくちゃ好きだよ。だから今回の感動はハンパないのよ。

レイジ 俺は「楽しかったっす、以上!」って感じなんですけど(笑)、娯楽の範疇を超えてなくてすごいよかったです。教訓みたいな説教がましいこともないし、何も残らない爽快感って最高の娯楽だなと思いますね。

福岡 たしかに。これってほんまに昔の『バタリアン』(1985年)を観たときの感じかもしれんってなって(笑)。幼い頃に観てたらショッキングなところもあると思うけど、大人になって、こういうのをみんなでワイワイ観るのは本当に楽しいなあって。

小出 僕も思ったけど、全然メッセージないのもむしろすごくない?

レイジ ホントそうなんですよ。

小出 全然メッセージないよね。あるとしたら女性が勝つ物語になってるっていうのは今っぽいのかもしれないけど。

ハマ ある側面から見ると3世代の女性の物語ですよね。……ちなみにどうでもいい話していいですか? 個人的にひとつすごく気になったことがあるんですけど。マイケルが乗った精神病棟からの輸送車が事故るシーンがあるじゃないですか。あそこに出くわした親子の子供の声がめっちゃガラガラで(笑)。撮影前に何があった? っていうくらい喉が枯れてるんですよ。

小出 撮影中の待機時間が長かったのかな?(笑)。

ハマ ははは。それで乾燥しちゃってね。

小出 僕も一個いい? ベビーシッターのヴィッキーに子守りをされてた黒人の太っちょの男の子ね。

ハマ チョイ役だけど、いい味出してた彼ですよね。

小出 あの子が着てたスウェットの柄の上のところに「1+1=」って書いてあるんだけど、その続きが見えなくて。なんて書いてあるのか気になったからずっと目で追ってたんだけど、全体が映ったら「1+1=VOLCANOS!」だった(笑)。

一同 (爆笑)

小出 どうりで噴火してる火山のプリントだわと(笑)。

ハマ おしゃれですね(笑)。

小出 ともあれ最高の続編でした。40年かかってリベンジしてくれて、ホントありがとうございます!

TEXT BY 森 直人(映画評論家/ライター)

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