肥満手術は妊娠合併症リスクを高める

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2019年05月03日 19:01  妊活・卵活ニュース

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肥満手術が妊娠に与える影響
ニューカッスル大学(イギリス)の研究チームは、「欧州肥満学会(ECO)」(4月28日〜5月1日、イギリス・グラスゴー)にて、肥満手術歴のある女性は妊娠合併症リスクが高まり、早産、発育遅延、認知機能の異常が生じる一因になると発表した。

肥満手術のうち、胃バイパス手術は、妊娠合併症の発症リスクが最大となった。

肥満手術と妊娠
肥満女性は、妊娠肥満症、高血圧など妊娠合併症のリスクが高まる。

肥満手術は、病的肥満の治療である。例えば、胃バイパス手術は消化器官ルートを変更(バイパス)することにより、意図的に消化吸収を阻害し、減量を促す。

妊娠前に胃バイパス手術など肥満手術を受け、減量した場合、妊娠期の肥満や高血圧を防げる。

しかしながら、消化ルートの変更により、微量栄養素の吸収に影響が出て、胎児の成長・発育を阻害する可能性がある。

肥満手術と胎児の成長・発育における関係性
研究チームは、33文献を用いて、肥満手術を受けた妊娠期の女性14880人、肥満手術を受けていない妊娠期の女性400万人を対象に、肥満手術が妊娠に与える影響を検証した。

システマティック・レビューとメタ分析を行ったところ、肥満手術、特に胃バイパス手術歴のある女性はハイリスク妊娠になる傾向が認められた。

妊娠前に肥満手術を受けている場合、肥満手術歴のない女性と比べ、早産率57%増、死産率・新生児死亡率(生後7日以内の死亡率)38%増となった。胎児の認知機能障害は29%増加した。

また、胎児の体重は平均200g減となり、早産や低体重などによって新生児集中治療室(NICU)での治療を必要とする新生児は41%増となった。

肥満手術では、消化ルートの変更により母親の栄養素吸収に影響が出て、母親から胎児へ微量栄養素が十分に行き渡らず、胎児の成長・発育が阻害されるという。

それゆえ、研究チームは、肥満手術を受けた女性は、妊活中や妊娠期における特別な栄養指導、妊婦検診に加えて、胎児の健康状態や成長・発育をモニタリング・検査にて管理する必要があると強調する。

(画像はPixabayより)

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