家系ベースの遺伝子解析よりPCOSの要因を特定する

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2019年05月08日 21:01  妊活・卵活ニュース

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PCOS要因の特定
マウントサイナイ医科大学の研究チームは、「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」にて、家系ベースの遺伝子解析より、男性ホルモン産生「DENND1A」が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状を進行させる要因であることが立証されたと発表した。これにより、個々に特化した医療アプローチ、PCOSの予防が可能になる。

今回、家系ベースの遺伝子解析を行い、PCOSメカニズムの解明、発症要因の特定に成功したが、これまでとは異なる切り口であり、初の試みとなる。

PCOSの強い遺伝的感受性
PCOSは排卵障害であり、ホルモンバランスの崩れによって排卵周期が乱れ、最終的には排卵が起こりにくい状況になる。卵巣に卵胞が多数でき、卵子は成熟せずに排卵を迎える。

PCOSは、女性不妊や2型糖尿病を引き起こす要因に成り得る。また、原因の特定は困難であるが、遺伝的感受性が強いといわれる。

PCOSと遺伝的要因
研究チームは、PCOSである女性の家族62組を対象に、DNAの全エクソーム解析を行い、PCOSと遺伝的要因を検証した。

解析では、被験者家族の約半数において、代謝ホルモン量と男性ホルモン産生「DENND1A」の遺伝的病変に関係性が認められた。「DENND1A」は、卵巣でのテストステロン分泌に重要な役割を担う。卵巣にてテストステロン分泌量が増加すると、PCOSのホルモン異常が生じる。

同大学のアンドレア・デュナイフ(Andrea Dunaif)氏は、今回の発見によって、PCOSのメカニズムに新たな洞察をもたらし、PCOSを引き起こす遺伝的病変の特定を可能にすると説明する。「DENND1A」の遺伝的病変は非常に稀であるうえ、一般的な病変以上にPCOSの症状を予期できるという。

(画像はMount Sinai HPより)

Mount Sinai

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