ブリヂストン 2019スーパーGT第2戦富士 レースレポート

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2019年05月09日 16:51  AUTOSPORT web

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優勝したZENT CERUMO LC500の立川祐路(左)と石浦宏明(右)
2019年 SUPER GT 第2戦 富士スピードウェイ500km [GT500]
ウエット後ドライ。天候の変化がドラマを生み、終盤に待望の首位に立った立川祐路/石浦宏明(ZENT CERUMO LC500/BS)が優勝

開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2019年05月03日(金)〜2019年05月04日(土)

 元号が令和となって初めて行われる国内ビッグレース、SUPER GT第2戦。シリーズの中で最も観客を集める5月のゴールデンウィークに行われる500キロレースは、決勝のスタート直前に雨が降り始めてウエットコンディションでレースが始まった。

 7番手スタートの立川祐路/石浦宏明(ZENT CERUMO LC500/BS)は、序盤にウエットタイヤで一気に順位アップしてトップに立った。しかし雷雨によって一旦レースは中断。その後のレース再開で順位を落とすが、雨が止みコースコンディションがドライに変化しても上位のポジションをキープ。そして、110周レースの99周目にトップに立つと後続を突き放して優勝した。

<予選>
 予選Q1は、新しいコンビネーションの平手晃平/フレデリック・マコヴィッキィ(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R/MI)がトップタイムを叩き出し、それに2017年のチャンピオンコンビ、平川亮/ニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500/BS)と立川/石浦組が続いた。

 Q2に進出した8台中5台がブリヂストン装着車で、決勝の上位グリッドを決するタイムアタックが演じられた。10分間のセッション後半に各車はコースイン。開幕戦でもポールポジションを獲得している松田次生/ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R/MI)が第2戦でもコースレコードタイムを更新して今季2度目のポールポジションを獲得。2番手には平川/キャシディ組、3番手に佐々木大樹/ジェームス・ロシター(カルソニック IMPUL GT-R/BS)がつけた。上位3台がコースレコードを更新している。

<決勝>
 予選は晴天だったが、決勝を前にしてスターティンググリッドに車両が整列、フォーメーションラップを待っている間に雨が降り始めてコースはウエットに変化。各車スリックからウエットタイヤへ交換。セーフティカースタートで2周まで先導、3周目からレースが開始された。2番手スタートのキャシディが一気にダンロップコーナーでトップに立った。

 しかし、雨の量が増えると7周目にクインタレッリがトップを奪い返した。その背後で7番手スタートの立川/石浦組が毎周順位をアップ、13周目にトップに躍り出た。同じ周に雷を伴った強雨のためにセーフティカーがコースインして先導し2周した15周目で赤旗が提示されてレースは中断。

 約30分後、雨がやみ再びセーフティカースタートで走行開始、19周目にレース再開。立川/石浦組、平川/キャシディ組、そして松田/クインタレッリ組の三つ巴のトップ争いが演じられた。しかし最初のピットインを行うタイミングでコースがドライへ変化して各車はスリックタイヤに交換。平川/キャシディ組が他車と接触して順位を下げ、トップ争いは2台に絞られた。

 終盤トップのクインタレッリに立川が迫り、99周目にトップに立つと一気に引き離して優勝。2位に松田/クインタレッリ組。3位に12番手から追い上げてきた昨年のチャンピオン、山本尚貴/ジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT/BS)が入った。

<優勝ドライバーのコメント>
立川祐路選手のコメント
「今シーズンはチーム運営が変わって総監督に就任して僕のプレッシャーも大きくなりましたが、開幕戦が悔しい結果に終わったこともあって、今日は絶対に勝ちたいと思っていました。最初から最後まで、本当に気が抜けない展開でした。今日は『レースしたな』という感じです。特に終盤にマシンとタイヤのパフォーマンスによって素晴らしいレースができて、しかも最高の結果で終えることができました」

石浦宏明選手のコメント
「僕たちは2017年5月の富士で勝ってから2年ぶりの優勝です。その時も立川さんと2人で優勝の喜びを分かち合ったのですが、立川さんも言ったように、今年は2人とも立場が変わってチームを運営する立場もあり、責任も重くなりました。だからこそ、ホームコースであるこの富士で勝ちたい気持ちが強かった。本当に勝てて良かったです」

<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:松本真幸のコメント>
「今回も難しいレースとなりました。レース序盤はウエットで、路面の水の量で順位変動がありました。3スティントのレースで第2スティントから路面が乾いてきてスリックタイヤでの勝負となりましたが、気温、路面温度が低い中でタイヤのウォームアップ、そして、その後の安定性が重要でした。特に最後まで安定したパフォーマンスを発揮した点では優位性を示すことができたと思います」

「また、3位フィニッシュした山本/バトン組は、一度クラス最後尾に落ちてからの追い上げは素晴らしかったですね。次戦の鈴鹿は、タイヤに対する入力も大きいサーキットです。事前のテストは良い結果が出ていますし、勝利を目指します」

2019年 SUPER GT 第2戦 富士スピードウェイ500km [GT300]
作戦的中、高木真一/福住仁嶺(ARTA NSX GT3/BS)が2戦連続2位フィニッシュ

開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2019年05月03日(金)〜2019年05月04日(土)

 開幕戦の岡山と異なるコースキャラクターの富士スピードウェイで行われた第2戦において、ブリヂストンユーザーは予選順位中段から着実に順位アップ、7番手スタートの高木真一/福住仁嶺(ARTA NSX GT3/BS)は最終盤にトップ争いを展開、0.2秒差で2位。2018年チャンピオン、黒澤治樹/蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG/BS)が13番手スタートから5位フィニッシュを果たした。

<予選>
 富士スピードウェイの最大の特徴である1.5キロに及ぶストレートにおいて速さを発揮できるかどうかは、車両の持つパフォーマンスによって左右される。ブリヂストンユーザーのマシン達は、1位から4位を独占した開幕戦の予選のような展開とはならなかった。

 高木/福住組が7番手。開幕戦を制した新田守男/阪口晴南(K-tunes RC F GT3/BS)が12番手、黒澤/蒲生組が13番手。脇阪薫一/吉田広樹(埼玉トヨペットGB マークX MC/BS)、嵯峨宏紀/中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT/BS)はQ2進出を果たせず、17番手、26番手から決勝をスタートすることとなった。

<決勝>
 スタートを前にして雨が降り始めて、グリッド上でスリックタイヤからウエットタイヤへ交換。セーフティカーが2周に渡って先導して走行開始し、3周目からレースが開始された。路面温度が低い序盤、タイヤのウォームアップ性とコース上の水の量によって順位変動が激しかった。

 高木/福住組は一旦順位を落とすが徐々に挽回、雷と強雨でセーフティカーがコースイン、その後赤旗でレース中断となった時点で3番手に順位アップ。新田/阪口組、黒澤/蒲生組も6位、7位に大きく順位アップ。

 雨が止み約30分の中断後に再びセーフティカースタートで走行開始、19周目からレース再開。だんだんとコースはドライへ変化、1回目のピットインでウエットタイヤからスリックタイヤへ。そして2回目のピットインで高木/福住組と黒澤/蒲生組はタイヤ無交換作戦でさらに順位アップを果たした。

 レース終盤に3位へ順位アップした高木/福住組は、2位へ上がるとなおもトップのクルマに照準を合わせて差を詰めていった。最終ラップには完全にトップとテール・トゥ・ノーズ状態。しかし、フィニッシュラインでわずかに及ばず0.239秒差で2位となった。黒澤/蒲生組は5位フィニッシュを果たしてポイントゲット。

<ドライバーのコメント>
高木真一選手
「レース序盤はウエットタイヤで3番手まで上げる事ができましたが、コンディションが変わると良いところも悪いところもあり、長いレースなのでじっくりとチャンスが来るのを待っていました。スリックタイヤでは無交換作戦を取りました」

「ストレートスピードでは勝てなかったので、この作戦しかないかなと思い、当初は予定していなかったのですが、仁嶺が上手く走って順位を上げてくれたのを見て、『無交換で行かしてください』と言いました。その作戦も成功して表彰台につながったと思います。このようなレースができたのはブリヂストンタイヤのおかげですし、チームも良いクルマを作ってくれたので感謝しています」

福住仁嶺選手
「第2スティントを担当しました。タイヤはスリックを履いて出ましたが、路面はまだ所々濡れていてコントロールするのがすごく難しくて大変だったものの、何台か抜くことができました。途中でタイヤ無交換の作戦と聞いて本当かなと思いましたが、高木さんがブリヂストンタイヤをうまく使って素晴らしいレースをしてくれて、惜しくも優勝はできませんでしたが、とても良い週末になったと思います」

<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:松本真幸のコメント>
「優勝することはできませんでしたが、各ブリヂストンユーザーチームが素晴らしいパフォーマンスを発揮していただいたと思います。あと数周あったら勝てたのでは(笑)という気持ちはあります。惜しかったですね。GT300クラスにおいては、タイヤ無交換作戦をつねに考えてタイヤの設計をしています。それが発揮された成果です。次戦鈴鹿でも優勝を目指したいと思います」

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