Google、高性能ながら廉価な「Pixel 3a/3a XL」発表 検索にはAR機能追加

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2019年05月10日 09:31  リアルサウンド

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 検索サービス最大手のGoogleは、毎年5月初めに開発者会議「Google i/o」を開催している。今年も例年通りに5月7日から9日に催された同会議では、近年スマホの製造やAIサービスに注力する同社らしい発表が次々に行われた。


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■GoogleマップのAR機能も利用可能
 Google i/o 2019においては、Googleが展開するスマホブランド「Pixel」シリーズの最新スマホ「Pixel 3a/3a XL」が発表された。この機種は、昨年10月に発表された「Pixel 3/3 XL」の廉価版にあたる(トップ画像参照)。廉価版といってもディスプレイの素材には「Pixel 3/3 XL」と同じOLEDが採用されており、カメラに関しても上位機種とほぼ同等の性能を実現している。そのため、可能な撮影モードは夜景モード、ポートレートモード、超解像ズームと豊富だ。加えて、「Pixel 3/3 XL」にはなかったタイプラプス撮影が実装された。


 さらに、GoogleマップのAR機能のプレビュー版も利用できる。この機能は、行先までの道順を矢印でAR表示するというもの。従来は平面的なマップを見て現在位置を判断する「マップを使うスキル」がユーザに求められた。道順をAR表示されれば、こうしたスキルは不要となる。ちなみに、このマップに対応したAR機能には街並みを画像認識するAI技術が応用されている。


 「Pixel 3/3 XL」は、すでにGoogle公式ストアで予約を受け付けており、5/17から購入可能となる。価格はディスプレイサイズが5.6インチの「Pixel 3a」が48,600円、6.0インチの「3a XL」が60,000円となっており、カラーはJust Black、Clearly White、Purple-ishの3色を用意。公式ストアのほかに各キャリアからの販売も予定している。


■検索した3Dオブジェクトを現実の世界に
 Google創業以来のサービスである検索についても、新機能が発表された。今年の後半から利用可能となる新機能とは、検索結果に3Dオブジェクトを表示するというものだ。例えば、映画『ジョーズ』に登場して有名になったホオジロザメについて検索すると、ホオジロザメに関するテキスト表示された従来通りの検索結果に加えて、ホオジロザメの3Dオブジェクトを表示するオプションも現れる。このオプションを選択すると3Dオブジェクトが表示されて、さらにスマホのディスプレイにAR表示することもできる。3Dオブジェクトで作られたホオジロザメを現実の景色のうえにAR表示すれば、ホオジロザメが実際にどのくらいのサイズなのかを目で見て確かめられるのだ。


 検索結果として表示される3DオブジェクトをAR表示する機能を活用すれば、例えばヒトの人体の仕組みについて解説した教科書を読んでいる時に、実際に骨や筋肉が動く様子を3Dオブジェクトで確認しながら勉強することも可能となる。


■Googleレンズがよりスマートに
 スマホのカメラで写したモノを認識するアプリ「Googleレンズ」にも新機能が追加された。同アプリはモノの認識だけではなく看板に書かれているような文字も認識するのだが、認識した文字情報に関連した画像を表示できるようになった。例えば、あるレストランに入店して文字だけで構成されたメニューを同アプリに認識させたとしよう。すると、認識されたメニューのなかから人気のものをハイライト表示し、さらにそのハイライトをタップするとそのメニューに関するグルメサイトの画像とレビューも表示するのだ。


 以上のような機能を実現するためには、メニューから認識した文字のなかから料理名を区別しなければならない。料理名を区別するには文字のサイズ、フォント、レイアウトといった書式を手がかりにする。そして、区別した料理名とグルメサイトの画像とレビューを関連づけるのだ。こうした一連の処理は、AIによって実行されている。


 また、同アプリには認識した文字を翻訳する機能が実装されていた。この翻訳機能に単語を読み上げる機能が追加される。この単語読み上げ機能を使えば、例えば海外を旅行中に外国語で書かれた看板にある地名の発音を確かめることが可能となる。さらに、選択した単語に関してGoogle検索できるようにもなった。


 Google i/o 2019では、以上の発表のほかにもAIアシスタント「Googleアシスタント」のアップデート、最新Android OS「Android Q」、スマートスピーカーにディスプレイを実装したスマートディスプレイ「Nest Hub Max」なども発表された。


 Googleを含めたGAFAと呼ばれるプラットフォーマー企業群は、市場を不当に支配しているとして各国政府からの風当たりが強い。しかしながら、GAFAがリリースする製品とサービスによって、世界中の人々のライフスタイルがデザインされているという事実は否定できない。今回のGoogle i/oの内容からも、世界中のユーザに新しい体験を届けたいという同社の強い意思が感じられるのではないだろうか。


(吉本幸記)


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