【座間ボーイズ】Bチームの子ども達が笑顔でノックを受ける理由

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2019年05月13日 12:41  ベースボールキング

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2002年に発足した座間ボーイズ。横浜高校で1年生からレギュラーとして活躍し、現在は社会人野球の東芝で主将を務めている松本幸一郎選手はチームの1期生であり、他にも多くの高校、大学で活躍するOBを輩出している。発足当時から一貫している方針は、卒業後に高校、大学で活躍し、社会に貢献できる基礎を作るということ。そんな座間ボーイズの練習を取材した。



座間ボーイズでは、小学校6年生の12月から3月まで期間限定の小学部を設置し、新入部員が硬式に慣れる機会も設けているという。この日もまだ4月中旬ということもあって、1年生中心のBチームでも選手がボールに慣れるための取り組みが多く行われていた。

午後からBチームが行っていたのは主に守備の練習。内野手は軟式とはバウンドの違うゴロ捕球のノックを繰り返し行っていたが、ファーストまでの距離は負担が少なくなるように距離を短くするなど配慮されていた。



また、よく基本として言われる『体の正面で両手で捕球する』ということは全く言わず、選手はワンハンドで捕球、逆シングルで捕球ということも多く、またランニングスローなども自由に行っていた。そのため、ノックを受ける子どもたちも笑顔で楽しそうにボールの捕球、送球を行なっていた。主にBチームを担当している山田幸治コーチも、まずは慣れることを重視していると話した。

「こちらが気づいたことは声をかけるようにしていますけど、プレッシャーをかけ過ぎないようにしています。まずはとにかく慣れるために色んな動きをやってみる。その中で今のボールは前に出た方がいいのか、逆シングルの方がいいのか、そういったことを身につけていけばいいですよね。
よく見ているのは意味のある声が出るか、次への行動が早いかというところ。よく周りを見ていないとそういうことはできないですし、上に行って伸びる子はそれができています。Aチームに推薦するのも、そういうところをポイントにしていますね」



午前、午後の練習とも感じたのはチームに良い意味でピリピリした雰囲気がないということ。実戦的な練習では失敗した側のチームが罰走ということでグラウンドを何度も走るということも行っていたが、それですら選手は楽しみながらやっているように見えた。
監督、コーチから怒号が飛ぶようなことも一切なく、失敗やイージーミスに対しても、コーチは言葉を選びながら、選手たちに語りかけるようにプレーを振り返らせ、そして選手たちに考えさせるようにしていた。選手同士でプレーの確認、守備位置の確認など話し合うようなシーンも多く見られた。



練習を手伝いに来ている保護者の方に聞いても、「いま、勝つのではなく子ども達の将来を考えているチーム」ということを理解しているという声が聞かれ、「入部希望者(の父兄)には比較するために色んなチームを見ることを勧めている」という声も聞かれた。発足当初から選手の将来を見据えた指導を継続してきたことが、チームのカラーとして定着しているからこそ聞かれる声と言えるだろう。

技術を伸ばし、勝つことを目指しながらも最優先するのは選手の将来。その理念がよく分かる座間ボーイズの練習風景だった。(取材:西尾典文/写真:編集部)

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