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「世界最軽量」よりも「バランス」――LAVIE Pro Mobileの新たなる挑戦

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2019年05月15日 13:32  ITmedia PC USER

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写真LAVIE Pro Mobileをお披露目する河島良輔執行役員
LAVIE Pro Mobileをお披露目する河島良輔執行役員

 2012年に登場した「LaVie Z」を含め、4世代続いてきたNECパーソナルコンピュータ(NECPC)の超軽量モバイルノートPC「LAVIE Hybrid ZERO」。5月14日、その後継として「LAVIE Pro Mobile」が登場した。



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 今まで「世界最軽量」にこだわって開発を続けてきたLAVIE Hybrid ZERO。しかし、その後継たるLAVIE Pro Mobileは、世界最軽量には“こだわらなかった”という。一体なぜなのだろうか。



●「軽量化」で犠牲にしたことがある



 初代のLaVie Zは、日本のPC市場に「1kg以下の超軽量モバイルPC」という新ジャンルを打ち立てた。この分野では国内メーカーを中心に「世界最軽量争い」が進み、2018年時点でモバイルPCの出荷台数の約19%が12型以上かつ1kg以下のモバイルPCだという(NECPC調べ、個人と法人の合算値)。



 NECPCの河島良輔執行役員によると、このような超軽量モバイルPCへのニーズは「日本独自のもの」だという。「(都市部を中心に)電車通勤をする人が多く、重すぎると(ショルダーバッグ)が肩に食い込んでしまう」(河島氏)といった事情があるからだ。



 出荷されるモバイルPCの2割が超軽量モデル――そう言うと聞こえが良いかもしれないが、見方を変えるとモバイルPCの8割が超軽量モデル“ではない”ということにもなる。



 では、その「8割」のモバイルPCは何を基準に選ばれているのだろうか。そういうPCでは「質感」「バッテリー」「剛性感(丈夫さ)」がアピールポイントになることが多い。これらはLAVIE Hybrid ZEROが世界最軽量を追究する中で“犠牲”にしてきたものに他ならない。



 「働き方改革」が叫ばれる中、個人のPCを仕事にも使うユーザー比率が高まっている。そういう昨今の状況を踏まえ、コアテーマを「世界最軽量の追究」から「モビリティ(可搬性)、剛性感、デザイン、生産性を高いレベルでバランスすること」に変えたのが、今回発表されたLAVIE Pro Mobileなのだ。



●重量は「900g以下」で十分 バッテリーはあえて「L」に



 世界最軽量を追うことをやめたLAVIE Pro Mobile。とはいえ、モバイルPCは“持ち運ぶ”PC。ある程度の本体の軽さは求められる。



 一方で、従来のHybrid ZEROでは手薄だったバッテリー持ちも“持ち運ぶ”上では重要な要素。しかし、それを重視してやみくもにバッテリー容量を増やすと、その分本体は重くなってしまう。



 どうバランスを取るべきか――LAVIE Pro Mobileを開発するに当たって、NECPCはユーザーアンケートを実施。すると、回答者の80%は「900g以下」「バッテリー持ち20時間以上」で満足するということが分かった。



 この“80%ライン”に従い、900g以下の重量で20時間以上のバッテリー持ちを確保しつつ、デザインや剛性感を向上し、使いやすさを高める方針が固まった。



 これに従い、今回の店頭販売モデルは「L(大容量)バッテリー」を標準とし、約20時間(JEITA測定法 Ver.2.0基準)の連続稼働を実現した。



 実際のバッテリー持ちは実利用状況によって変わるが、商品企画担当の森部浩至氏が大阪出張時に店頭販売の上位モデル(PM750/NAR)で実際に試した所、8時間の利用で残量45%になったという。筆者の経験と合わせて考えると、公称値で約20時間あれば「終日外出」程度であれば十分すぎるほどに使えるはずだ。



 それでいて、重量は約837gと、ターゲットとした「900g以下」を余裕で満たしている。先代の大容量バッテリーモデル比で6g増に抑えられている。持ち運びもしやすい絶妙な重量だ。



 なお、Web直販モデル(LAVIE Direct PM)のCore i3/i5構成では「M(中容量)バッテリー」も選択できる。バッテリー持ちは13.3時間(JEITA測定法 Ver.2.0基準)と若干短くなるが、重量は約783g(Core i3モデル)または約785g(Core i5モデル)とさらに軽量となる。「バッテリー持ちよりも、もっと軽く!」という人はWeb直販モデルも検討しても良いだろう。



●カーボン天板を採用し剛性をアップ



 従来のLAVIE Hybrid ZEROでは、天板に鍛造マグネシウムリチウム(Mg-Li)合金を採用していた。このことは軽量化に一定の効果がある反面、剛性感(強度)の確保が難しい。



 そこで、LAVIE Pro Mobileでは、東レが開発した新構成のカーボン素材を天板に採用。この素材の比重(体積あたりの重量)は、従来のMg-Li合金と比較しておよそ半分。つまり天板の重量を据え置きつつも厚みを2倍にできるということだ。実際、そのようにして剛性をアップしている。



 素材を変えて天板厚を2倍にしたこともあり、点加圧耐性とねじり耐性は従来比で約2倍に向上。面耐圧150kgf(重量キログラム)を確保し、高さ76cmからの落下試験に耐えていることは従来通りだ。



 Web直販モデルで選択できるタッチ液晶構成では、画面全体が強化ガラスで覆われている。先代のHybrid ZEROでは、軽量化を優先して「インセル液晶ディスプレイ」(タッチセンサーを埋め込んだ液晶ディスプレイ)を採用していたが、「剛性の確保を優先した」(関係者)ことから、今回はガラスパネル付きとしたそうだ。



 なお、タッチ液晶構成の重量は約941g。タッチ非対応モデルと比べて若干重めになっているが、この点にも「世界最軽量」よりも「実用性」を優先する姿勢が垣間見える。



●ノイズを極力排除したデザイン



 今回のLAVIE Pro Mobileでは、デザインの決定面でも従来と異なる面がある。



 従来の製品では、開発部隊と議論をしてから商品企画に取りかかることが多かった。それに対し、今回はデザイナーと一緒にコンセプトモックアップ(構想模型)を作成した上で、それを開発部隊に見せて「これを作りましょう」と提案すうる形態を取ったという。結果、「モックアップとほとんど同じデザインで」(森部氏)製品化できたそうだ。



 そんなLAVIE Pro Mobileのデザインは「フラットサーフェイス(平らな表面)」、「ノイズレスデザイン(余計な要素を極力見せない)」「ナローベゼル(狭額縁)」「薄型」を丁寧に追求したもの。従来のHybrid ZEROと比較して、見た目は非常にスッキリしている。



●キーボードやスピーカーの改善で生産性向上



 仕事にもプライベートにもPCを使う人を「プロシューマー」と定義し、その生産性(作業効率)の向上を目指したLAVIE Pro Mobile。仕事でノートPCを使う際に重要となる「キーボード」と「スピーカー」の改善にも取り組んでいる。



 キーボードは、文章を打つ際に非常に重要な“道具”。筆者も含め、PCで一番使う部位である人も少なくないだろう。



 LAVIE Pro Mobileでは、15型モデル並みのキーサイズとキーピッチを確保。その上で、打鍵時の押し下げ力を調整し、キートップに文字の摩耗を防ぐと同時に指触りを改善する「プレミアムUVコーティング」を施した。本体カラーに合わせてキートップの文字色を変えているのもポイントだ。



 スピーカーは、最近のノートPCの注力分野の1つとなっている。動画や音声を含むプレゼンテーション資料が増えたことや、ビデオ会議で相手の声を聞く機会が増えたからだ。



 プロシューマー向けのLAVIE Pro Mobileも、その点は抜かりない。スピーカーの出力を従来比で2倍の「2W」とした上で、ヤマハのサウンドシステム「AudioEngine」にミーティングモードを実装。1人で使うときはもちろん、多人数で使う場合も音声を聞き取りやすくした。ミーティングモードの実装は、NECPCとヤマハが共同で行ったという。



 その他、SSDを原則としてPCI Express(NVMe)接続で統一し、データの読み書きパフォーマンスを向上(※1)。電源キーに指紋センサーを併設することで、ログインの手間を省くこともできるようになった。Web直販モデルでは、外出先での仕事が多い人を想定してLTEモジュールも搭載できる(※2)。仕事道具としてのオプションが充実した格好だ。



※1 Web直販モデルで選択できる128GB SSDは、Serial ATA接続※2 Core i5/i7モデルで選択可



 このように、LAVIE Pro Mobileは、従来の「世界最軽量競争」から一線を画し、実用性を重視する方向に舵を切った。もちろん、Hybrid ZEROから培ってきた「軽量」を捨てたわけではない。実機を見れば、「軽くて便利」を目指していることはよく分かる。



 NECPCの「方針転換」を受けて、他の国内メーカーはどう動くのか。目を離せない。


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  • 軽いのはありがたいんだけど、薄いのはあまり好まない。どうしてもキーストロークが浅くなって、打ち心地が悪くなるから。
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