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高級フレンチより“玉子焼き”。衣食住の本質に近いTシャツ『10YC Tee』を着る|消費しないファッション

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2019年05月20日 11:50  d.365

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d.365

写真掲載:d.365
掲載:d.365
10年着続けたいと思える洋服を――そんな想いでモノ作りを追求するファッションブランド「10YC(テンワイシー)」。前回の記事では、10YCというブランドの概要や理念をお届けしたが、今回は実際のプロダクトやファッションとの付き合い方について深掘っていく。今年の夏から10年後の夏まで、半袖Tシャツ『10YC Tee』を着て自分らしく過ごしたい。

【詳細】他の写真はこちら

前編の記事はこちら。

写真左から、後 由輝さん・下田 将太さん

―話は変わって、今度は実際の製品についてお話を伺わせてください。これからの時期に活躍しそうなTシャツ『10YC Tee』には、どのようなこだわりが込められているのでしょうか。

後:「そもそも10YCが考えている良いモノは、『長く使えるモノ』です。長く使ってもらうためには耐久性はもちろん欠かせないですが、それ以上に『着たい』と思える要素が大事だと思います。例えば、めちゃくちゃ耐久性はあるんだけど着心地や使い勝手が悪くて、結局使わなくなってしまうモノでは意味がなく、逆にめちゃくちゃ着心地が良くても1回着ただけでその着心地が失われてしまうモノも良いモノと言えないと考えています。なので、10YCのプロダクトには『着たい』と『着られる』のふたつの要素を両立させて落とし込むことを意識しています。

そして『10YC Tee』の場合、重点を置いたのは『着心地』です。糸を無理に引っ張らずに空気を含ませながら生地を編むことで生まれる柔らかさ、縫い糸の中に縫い代を収めることで肌へのストレスを軽減させているなどの特長があります。また生地は二重構造になっていて、裏側にはふっくらとした肌触りの良い糸を使いながら、表側には毛玉になりにくい特殊な紡績をした糸を2本撚り合わせることで、長く着用していただける耐久性も実現しています」

―洋服を染め替えてくれる「カラーリフォーム」も珍しいサービスですね。

後:「『カラーリフォーム』は、食べこぼしや泥跳ねなどによって洋服が汚れてしまったとき、綺麗にならないからといって捨ててしまうのではなく、10YCで1度お預かりさせていただいて、選んでいただいた色に染め直してお返しするというものです。

前職の経験から生まれた部分でもあるのですが、商品を売っただけでお客さまとの関係を終わりにしたくなかったという想いがあります。買っていただいてからが本番だと思っています。洋服を着ていく中で不具合があったときに、僕らとしてなにかサポートをしていきたかった。そのひとつの形として、染め替えをやってみようと思いました」

―たしかに白い洋服は1度汚れてしまったら、出番がなくなってしまうこともありました。

後:「個人的な話なんですけど、着ている服によって食べるものを左右されたくなくて。お昼ごはんに何を食べようかなと街中をブラブラ歩いているときに、たまたまカレーうどんが食べたくなった、だけど今日は白のTシャツだしなー……というのが嫌で。白いTシャツ着てても、カレーうどんをすすり上げたい。もし跳ねちゃったら、染め直せばいい。そのためのサービスです(笑)」

“ファッション”との付き合い方と距離感

―洋服は、「ファッション」や「流行」といった言葉と切り離せない存在ですが、『10YC Tee』はそうしたものと違ったベクトルを向いていて、道具のような日常着を目指しているのかなと感じました。

下田:「道具っていうより、その一歩先にいきたいと考えています。道具という言葉だと、課題解決や機能などのイメージが連想されて、今ある不満をどのように解消するかになってしまいます。僕たちがやろうとしていることは解決策を提示することではなく、着る人の人生に対してもっと良い価値を出せないかなということです」

―ブランドとして、10YCとファッションの関係についてどのように考えているのでしょうか。

下田:「ファッションが、人を喜ばせるための洋服だと仮定するなら、もしかしたらファッションに近いかも知れません。10YCを着ることで元気になって、着ていることで頑張れるような状態がずっと続いて、10年後に自分がやりたかったことを達成している状態を作りたい。マイナスを解決するというより、プラスをめちゃくちゃ増やしていくような存在でありたいです」

後:「一般的に言われるファッションではないけど、道具だとちょっとドライ。その人の人生に何を与えられるか。感情が乗ってきちゃう部分なので、言葉で表現するのは難しい部分ですよね。ファッションという言葉の解釈の範囲を広げれば、いま時代の感度に敏感な人が聞けば、ファッションという言葉でも伝わるのかなと思います。

例えば、見た目のデザインやシルエットがめちゃくちゃ良いシャツを着ていて気分が上がる人もいる。しかし僕たちは、普段着として着心地が良いモノを着ていれば気分が上げられる洋服を作っています。そういう意味では、気分が上がる方法が違うだけで、同じところを目指しているので、そこは同じファッションという言葉で表してしまっても良いんじゃないかなって最近は思っています」

好きなこと、やりたいことを仕事にできる環境は整い始めている

―これまでの時代は、10YCのように自分の好きなこと、やりたいことを仕事にしようと思っても難しくハードルが高かったです。しかし現在では、ポートランド的な小商いの風潮が日本でも進んでいますよね。

下田:「みんな、どんどん好きなことをやってみても良いと思います。始められる環境は増えてきたし、整ってきた。『BASE』、『STORES.jp』のようなプラットフォームがあるので、簡単にECサイトをオープンできる。また『nutte』のようなサービスを使えば、誰でも洋服を作れるようになりました。

しかし、個人的な考えとしては、持続的に行うことが重要だと思っています。単発的に終わるのではなく、長い目でやっていくことも考えてくれたら。ものづくりを新規に直にやろうとすると、自分はもちろんだけど、作る側の人もかなり体力を使うので。あと言えることとしては、最初は小さく始めたほうがいいよってことですね、僕らは大きくやろうとしすぎて一時期死ぬかと思ったので(笑)」

―最後に、改めて10YCについて伝えたいことはありますか。

下田:「僕たちの活動は、正義だとか、正義じゃないとかという話がしたいわけではありません。知らないことはディスるけど、知っているとディスらなくなる。買う買わない、支持するしないは置いといて、洋服が完成するまでには、こういう背景があることを10YCを通して知ってもらいたいです。

何かモノを買うときに、どういう風に作られているのだろうと一度立ち止まるみたいな価値観。そういうことを、10YCをファッションブランドとしてだけでなく、価値観を伝えるブランドとして使ってもらえたらうれしいです。それに共感してもらえるんだったら、めちゃくちゃ良い洋服を作っているので、一度買ってみてください(笑)」

おふたりの話を伺っていると、10YCは衣食住の本質に近いブランドだと感じた。例えば、高級フレンチも家庭で作る玉子焼きも同じ「食」、タワーマンションも二階建ての一戸建ても同じ「住」。しかし、人間本来の背伸びしない本質的な衣食住は、家庭で作る煮物だし、二階建ての一戸建てなのではないだろうか。そして、10YCも後者に分類される「衣」だと思う。

そろそろ暑い日も増えてきて、衣装ケースから夏物を取り出した人も多いだろう。衣替えの度に「もう着ないかな」と思って洋服を捨てて、単に新しい洋服をワードローブに加えるのではなく、長く着られる洋服や納得できる洋服をワードローブに加えるのが、いまの時代らしい選択なのかも知れない。

関連サイト
10YC

textコバヤシユウタ(編集部)

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