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「僕が逮捕された事を知っていますか?」 村上世彰氏がN高で講義、投資と歩んだ半生語る

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2019年05月22日 20:42  ITmedia NEWS

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写真N高の特別講義に登壇した村上世彰氏
N高の特別講義に登壇した村上世彰氏

 「僕が逮捕された事を知っていますか?」「その理由を知っている人はいますか?」――。投資家で旧「村上ファンド」代表の村上世彰氏は5月22日、角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校「N高等学校」(N高)の生徒向けに開いた特別講義で、生徒にこう問いかけた。



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 村上氏は同日、N高が金融教育の一環で設立した「N高投資部」の特別顧問に就任。生徒が東京証券取引所の上場銘柄を実際に売買して投資のノウハウを学ぶ課外活動で、同氏は全部員に20万円を提供する他、オンライン・オフラインでの講義、レポート添削などを2020年2月まで担当する予定だ。



●「自分も生徒も成長を」



 06年にインサイダー取引で逮捕され、有罪判決を受けた後は、シンガポールに活動拠点を移していた村上氏。長らく表舞台から遠ざかっていたが、昨今は日本国内での活動を再開している。今回は「(授業によって)自分も成長したいし、生徒にも成長して喜んでもらいたい」との思いから特別顧問への就任を決めたという。



 N高は22日から部員を募集し、小論文試験などを課して50人に絞り込む予定。入部に興味がある学生に対し、村上氏の人となりや投資の心構えを伝える目的で開いたのが冒頭の講義だ。村上氏は対話を重視し、自身の体験談を交えつつ、生徒に問いかけたり、質問に答えたりしながら授業を進めた。



●堀江さえいなければ逮捕されなかった。でも友達だ



 村上ファンド事件が起きた約13年前は、いまの高校生は物心つくかどうかの年齢だが、冒頭の質問に対し、50人超が詰めかけた教室内では数人の手が挙がった。逮捕された理由について「インサイダー取引」と答えた生徒もいた。



 第三者が企業の5%以上の株を買い集めることを知っている関係者が、その事実が公になる前に株の取引を行うことはインサイダー規制違反に当たる。村上氏は当時、ニッポン放送株を大量に購入するというライブドアの決定を知った上で、利益を得るためにニッポン放送株を追加取得したのではないか――という旨で罪に問われ、有罪判決を受けた。



 村上氏は当時を振り返って、「堀江(貴文氏)がたった一言、『フジテレビがほしい』『ニッポン放送(の株)を買うことはできますか?』と言っただけ。何のインサイダーでもない」と冗談めかして説明。「僕は当時『堀江ごときに買えるわけがない。お金もないし』と思っていた」と明かした。



 ライブドアが当時、総額800億円のMSCB(株価変動を反映し、転換価額を修正できる条項が付いた転換社債)を発行し、リーマン・ブラザーズに買い取ってもらう――という方法で資金調達したことにも言及し、「めちゃくちゃなメカニズムだ。そんなことをするなんて知るわけがない」と告白。



 「堀江さえいなければ僕は逮捕されなかった。でも(堀江氏は)友達だ。彼に悪気があったわけじゃない」と熱を込めて語り、場内を沸かせた。



●父におねだりで100万円



 村上氏は講義で自身の半生に触れ、「僕はそこそこ裕福な家庭に生まれ、お金をためることと商品の値札を見ることが大好きで、モノを買うことは嫌いだった」と振り返った。



 「お年玉などをコツコツためて、20万円くらいまで貯金したかな。でも、もっとほしかった。投資家だった父親に『おかねちょうだい』と何度も頼んでいたら、小学校3年生の頃に『いくらほしいんだ。言ってみろ』と聞かれ、帯が付いた100万円分の札束をもらった」



 当時は有価証券報告書の読み方も分からなかったが、父親にもらった100万円を元手に、「いつも食卓にあったから」という理由でサッポロビール株を2000株購入。これが“投資家デビュー”だったという。



 また、村上氏が1〜2歳の頃から、父親が生前贈与の一環で同氏名義の株を買っており、「三井不動産や近鉄などの株も大量にあり、30〜50倍に値上がりした」そうだ。こうした体験を積むうちに株価が上下するプロセスに興味を持ち、村上氏は中学生から「会社四季報」を読み始めた。



 ただ、高校生の時、同和鉱業(現・DOWAホールディングス)に投資した際、一時は10倍ほどに値上がりしたものの、売り時を逃して利益額を大幅に減らしてしまった。その時に村上氏は、父親から「上がり始めたら買え。下がり始めたら売れ。一番安い値段で買えると思うな。一番高い値段で売れると思うな」との言葉を掛けられ、今も哲学として大切にしているという。



 こうした体験もその後の糧になり、大学卒業時点で資産は数十億円に拡大。村上氏は生徒に失敗も必要だと説き、「N高投資部では、どんどん損をして(銘柄の保有を)やめるという選択をしてもいい。失敗を経験することで、何が世の中で起きているのかを考えるようになってくる」と語りかけた。



●対話を通じてアドバイス



 講義では村上氏がN高生に、「投資部に入ったら、どんな銘柄を買ってみたい?」と質問する一幕もあった。これに対し、生徒は「これからもっと伸びそうだから、電子決済の会社です」「起業に高度な人材を派遣する会社です」「介護のアルバイトをしているので、介護会社に投資してみたいです」――などと思い思いの意見を述べていた。



 答えを聞いた村上氏は、「人材派遣のように、企業の人手不足を解決しながらお金を回している会社は劇的に伸びそうだね。でも、有望な介護の会社はあまり上場していない。自分がやりたい仕事と、投資したい会社は分けたほうがいいかもしれないよ」などと丁寧に論評。



 「今は“イケてない”会社でも、2〜3年後、5年後、10年後には変わっているかもしれない。まずは2〜5年後に人々が『いいね!』と言いそうな会社に投資すると収益を上げやすい。海外から来た労働者を支援する会社はいいかもね」と初心者に必要な視点をアドバイスした。



●お金は汚いものではない



 生徒との質疑応答では、村上氏がN高で教鞭を取ることを決めた理由についての質問が飛んだ。これに対する村上氏の回答は、「『お金は汚いものではない』『稼ぐのは悪いことでない』ということを伝えるために来た」。



 「皆さんに投資家になってほしいと思わないが、投資する経験から何かを感じてほしい。部活動で利益を得た場合も、『何かを買いたい』というよりは、『こういう人を幸せにしたい』『こんな企業を買いたい』といった使い道を考案してほしいし、そういう人を仲間に加えたい」



 好ましい使い道の例は、ZOZOの前澤友作社長が“100万円プレゼント企画”で芸術家志望者にお金を配ったこと。「ZOZOの株価は下がったが、彼はものすごい経済効果と(人の)心を温める効果を生んだ。これもお金がなければできなかったこと。お金があれば、多くの人を幸せにできる」



●10年間ノーギャラ



 今は「一生遊んで暮らせるだけの資産がある」という村上氏は、税金対策も兼ねてこの10年間は“所得ゼロ”で活動しており、投資部での仕事もノーギャラ。仕事のオファーを受けるか否かは、やりがいや意義で判断しているという。特別顧問も「(1年間やってみて)しょうもない、と感じたら辞める」とのことだ。



 村上氏の体験談に聞き入り、質疑応答では積極的に挙手するなど、受講中のN高生の表情は真剣そのものだった。繰り返し手を挙げて意見を述べる人もおり、出席した生徒全員が講義中に発言した。



 村上氏は最後に「恋をした時、相手に好かれたら自分も幸せ。生徒みんなが成長してくれて、喜んでくれることが一番うれしい」と晴れやかな表情で語り、講義を締めくくった。


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