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いま熱い「オフラインデータ」ドリブンマーケティング レバレジーズの売れる仕組み支える最先端CRM

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2019年05月23日 08:01  MarkeZine

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 IT業界向け人材紹介などを手掛けるレバレジーズ。マーケティングと事業部門が一体となって事業を推進する同社では、マーケティングチームも最終利益の数値を重要視している。顧客を獲得し、効率的に営業プロセスをアシストするために目を向けたのが「オフライン行動の把握」だという。レバレジーズ マーケティング部 部長の松原英之氏に、その狙いと成果を聞いた。


■「インハウスマーケティング組織を強くする企業が勝つ」がレバレジーズの方針


 2005年創業、現在15年目を迎えるレバレジーズは、IT業界・医療業界向け人材紹介事業やメディア事業、開発事業など多様な事業展開をしているベンチャー企業だ。



レバテックフリーランス


 同社は、業種や国を固定せずに事業ポートフォリオを組むことで安定したビジネスを営んでおり、創業以来ずっと黒字経営を続けている。主力となっているのは「レバテック」「看護のお仕事」などのブランドで展開する人材関連事業である。


 レバレジーズにはもう1つ、大きな特徴がある。それは人材やITなどのリソースを、インハウス型の組織に積極的に投資していることだ。


 レバレジーズ マーケティング部 部長の松原英之氏は「経営トップに『インハウス組織を強化する企業が、将来的に成長する』という考えがあります。マーケティング、エンジニアリング、デザインをできる限りインハウス化し、各事業に最適化していくことで競争優位を得るという方針です。今回の事例も、マーケティング事例というよりはマーケター、エンジニア、デザイナーが揃ったインハウス組織の取組事例として見てもらったほうが正しいと思います」と説明する。



レバレジーズ マーケティング部 部長 松原英之氏


 現在同社にいるマーケティング職種の社員は、新卒を含めて100人ほど。




同社オウンドメディア「meLev」より



 マーケティング組織の構造は、機能軸と事業軸をかけ合わせたマトリクス型になっている。機能軸としては、下記のような区分になっており、各職能グループに属するマーケターは自分の担当事業をサポートする。部員によっては複数の事業を担当したり、通常の担当範囲で目標を達成していたら、担当外の事業をスポットで支援するなど、柔軟な運用を行っている。


広告施策の企画設計を担うプロモーションチーム




カスタマーサクセスを実現するCRMチーム




獲得後のセールスプロセス改善を担うビジネスグロースチーム




交通広告から自社メディアまでインハウスで作るデザイン戦略室




データ分析とBI導入を担うデータ戦略室




全事業のブランドマネジメントを担うブランド戦略室


 これら機能別のチームを「縦軸」とすると、「横軸」にあたるのがプロデューサーやプランナーで構成される事業別のチームだ。マーケティングROIの向上やロイヤルティ調査、競合企業のリサーチなど幅広いタスクをこなす。1つの事業には1つの事業別チームが割り当てられており、事業別チームのリーダーはマーケティング責任者として、事業部長と協働で事業予算の編成にも携わる。


 実務においては、機能軸のチームと事業軸のチームが連携し、プロジェクトチームとして協働することになる。レバレジーズではマーケティング部門に事業貢献が強く求められるため、事業成長へのコミットメントを前提としつつ、専門スキルの育成も実現するために、マトリクス型の組織構造を採用している。



同社オウンドメディア「meLev」より


 マーケティング部の主要なミッションの一つは新規顧客の獲得だ。新規獲得ではデジタル広告を使ったコミュニケーション設計がポイントになるため、成果を出すためにあらゆるデータを利用している。


 特筆すべきは、ユーザーのオンライン行動のデータだけではなく、オフライン行動や応募してきた人材の特徴や性格などさまざまな情報も加味して、売上につながる新規獲得を模索していることだ。以下、詳しく見ていこう。


■効率的に売上成果を出すにはオフライン行動の捕捉が鍵


 オフライン行動のデータとは、たとえばイベント・セミナー・面談への出席状況、電話やLINEでのチャット内容などだ。これらオフライン行動をデータ化する理由は大きく分けて2つある。


 「第一に、人材紹介サービスの場合、ユーザーにとってWebサイトはサービスの入り口に過ぎず、登録後の担当者の接し方がブランドイメージを左右する『プロダクトの大切な一部』だと考えています。お客様に対するオフラインでの接し方や、それに対するお客様の反応を、プロダクトに関わるデータとしてきちんと把握するべきだという思いがありました」(松原氏)


 もう1つの理由として挙げられるのが、組織構造としてマーケティング部が事業部門と密接に連携しているがゆえの、売上貢献への強いこだわりだ。


 あくまで事業として利益が出たかどうかが重要だという認識がマーケティング部門にも浸透しているので、「サービス登録人数」などのマーケティング目標を達成するだけでなく、「売上につながる新規顧客をどうすれば集められるか」という意識が生まれる。


 「獲得目標を達成しても事業部門の目標が未達になっては本末転倒ですし、売上がなければROASがどんどん低くなっていきます。マーケティング目標を満たしても売上に繋がらないケースがあることは、我々がオンラインで捕捉している以外の部分にマーケティング改善のヒントがあるのではないか、と考えました」(松原氏)


■オフライン行動データのために自社開発CRMをカスタム


 とはいえ、オフラインの行動をデータ化するにはどうしても手数がかかる。「いわゆる銀の弾丸はないという状況でして、システムに頼れない部分は人力で地道にコツコツ蓄積しています」と松原氏は説明する。


 具体的にどのように収集しているのか。


 かつてレバレジーズではSaaS型のCRM/SFAを活用していた事業もあったが、現在は自社開発のCRM/SFAへとスイッチしている。営業担当者は、自社製のCRM/SFAに営業活動のさまざまなデータや、求職者/事業所のデモグラ情報やサイコグラフィックデータを登録するのだ。






 このCRM/SFAをさらに作り込み、営業がオフラインのユーザー行動データを入力しやすくしたり、電話やLINEなどの営業活動を自動的に蓄積したりできるように開発を進めているという。


■セミナーへの参加、契約締結などのデータを収集


 実際にCRM/SFAを作り込んで取得しているオフライン行動の1つに、オフラインセミナーへの出席・欠席がある。オフラインセミナーへの参加申し込みはWeb上で行うので出席予定者は事前に把握できるものの、実際に出席したかどうかまでフォローできていなかった。


 そこで2018年秋にCRM/SFAを改修。イベント予約者をリスト化して、来場受付が完了したら営業担当者がリスト横のボタンをクリックする仕組みを導入した。ボタンをクリックするだけなので、営業担当者の手間は少ない。こうしてオフラインの「リアルイベントで会話済み」というデータを記録し、リアル行動ログとして蓄積できるようにした。


 オフラインデータをマーケティング施策に取り込む試みのひとつとして、売上発生フラグを活用した広告配信がある。これはGoogleアナリティクスの機能の1つであるMeasurement Protocolを活用した施策で、現在一事業部でテスト稼働中だという。


 Measurement Protocolとは、インターネット接続デバイスで発生したヒットを収集し、Google アナリティクスに送信するための方法だ。たとえば小売業なら、リアル店舗で買い物したユーザーを会員証IDなどで特定し『◯◯という商品を購入した』という履歴をGoogleアナリティクスに渡すといったことができる。


 「レバレジーズでは、CRM/SFAに登録された売上発生フラグをGoogleアナリティクスに戻し、そのデータをGoogle Adsと連携することで有望なオーディエンスに広告を当てていく機能を実装しました。これにより、ROASを高めることができると期待しています」(松原氏)






■IP電話を導入して、電話記録や音声データも蓄積


 収集しているのは、ユーザー側のオフライン行動だけではない。営業担当者の活動も、可能な限り自動で収集できる実装を進めている。2018年1月に稼働させたTwilioによるIP電話もその1つだ。


 レバレジーズでは以前からIP電話自体は導入していたが、ログや音声の取得は管理画面から都度手作業で取得する仕組みになっており、IP電話機のセットアップなどの運用負荷が高い状態だった。そこでCRM/SFAリニューアルに合わせてTwilioを導入し、IP電話機を撤廃。CRM/SFA画面上の顧客プロファイルに表示されるダイヤルボタンをクリックすると、そのままユーザーに電話がかけられるようにした。インカムのみで運用でき、発信着信ログや会話音声データも自動で蓄積されている。






 これにより、いつ、誰に、どんな内容でどのような会話を交わしたのかを確認できるようになる。TwilioとCRM/SFAをつなぎ込んだことで、自動的に営業活動のログが蓄積されるようになり、ユーザーが電話を取りやすい時間や、電話をかける回数の分析、最適化が進んでいる。


■LINEのトークも社内に蓄積、顧客対応履歴共有がスムーズに


 さらに、LINEでのコミュニケーション履歴をCRM/SFAに蓄積する仕組みも構築済みだ。具体的には、企業システムとLINEをつなぐ「LINEビジネスコネクト」を活用し、CRM/SFA上でLINEコミュニケーションを取るようにしている。






 通常のLINEだと、会話ログはLINE側に残されている。数年前など過去の発言内容を確認するには時間がかかるし、顧客対応のログは個別のLINEアカウントに蓄積されてしまう。


 だが、CRM/SFAベースで社内にログを残しておけば、その心配はしなくて済む。求職者へ対する対応の経緯を前任者から引き継ぐ時にも、CRM/SFA側に過去ログがあるとスムーズに進む。加えて、派遣人材の紹介サービスの場合、求職時のキャリアコンサルタントと、実際に勤務開始してからのフォロースタッフが別になるケースがあるが、そうした時でもLINEのログが残っていれば、適切なフォローができるという。


 もちろん課題もある。当初想定よりも外出先からのLINE活用が多く、営業担当者からは「社内CRM/SFAに組み込まれたことで、外出先からのレスポンス速度に影響が出る」という意見が聞こえてくるそうだ。こうした点に関しては、セキュアに社外からアクセスできるメッセージアプリを追加開発するなど、営業担当者にとってのUXも重要視していることがうかがえる。


■売上までの見通しが良くなり、予算達成の施策を早めに打てる


 オフライン行動のデータ化を推進することで、どのような効果があったのか。


 人材紹介ビジネスでは、営業プロセスまで含めた生産性向上が事業成長に直結する。オフライン行動のデータ化によりマーケティング活動で獲得した新規顧客がどの程度売上につながるかという将来の見通しが立てやすくなったことで、営業プロセスへの貢献度を上げることができたという。


 「たとえば『今日までに面談した人が月内に成約する確率は何%』という見通しの精度が上がると、目標達成までの計画が立てやすくなりますし、営業担当者の対応キャパシティ以上に流入を増やして余らせてしまうリスクも回避できます。いわゆるパイプラインのコントロール精度向上につながります」(松原氏)


 オフライン行動データの活用が軌道に乗るなか、今後は新たにどういったデータと向き合うつもりなのだろうか。


 いま松原氏が注目するのは、経験を積んだ営業担当者の「読み」だという。「今月の営業売上額がいくらで着地するか」という予測を、ベテラン営業はかなりの精度で当てる。一見、簡単なプロセス別の確率計算で予測できそうに感じるが、実際の営業活動は月末に受注が偏ったり、顧客とコミュニケーションを取ったときの「感じ」や「印象」など数値として捉えにくい定性的な評価がからんでくるので、変数の特定が難しい。


 そういった捉えにくい情報をデータ化し、事業活動に活かしていくという取り組みは、松原氏としても今後の目標だと考えている。


 顧客や営業担当者のオフライン行動データを取得して、サービスを改善し営業プロセスを効率化することに成功しつつあるレバレジーズ。ベンチャーらしいスピード感で、次はどんなデータドリブンマーケティングを実現してくるのか、目が離せない。

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