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的確な描写に「弓道警察」も納得? 「スター☆トゥインクルプリキュア」の弓道描写がスゴかった

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2019年05月23日 18:03  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真弓道警察も納得の射型
弓道警察も納得の射型

 「プリキュアに弓道警察が来る!?」。



【画像】別の角度から



 弓道大会の様子が描かれた「スター☆トゥインクルプリキュア」第16話「目指せ優勝☆まどかの一矢!」。ネット上では、放送前からそういった心配の声が多数上がっていました



 しかしそんな不安は放送終了後、一変することとなったのです。実際に「弓道警察」はプリキュアにきたのか? 第16話でどんなことが起きていたのか? 少し見ていきたいと思います。



 「スター☆トゥインクルプリキュア」も放送開始からはや4カ月が経過。全体の約3分の1が終わりました。その勢いは止まるどころか、回を重ねるごとにどんどん面白くなっていますよね。まさに新しい時代のプリキュアって感じです。宇宙を舞台にした斬新さだけではなく、とにかく丁寧に作られているのを感じます。



 この先、例年通りならば6月〜7月ごろに「新しいプリキュア」も加入するでしょうし、新キャラクター「宇宙怪盗ブルーキャット」(声:上坂すみれ)の動向からも目が離せません。この先もどんどん盛り上がっていくのでしょうね。楽しみです。



●弓道警察も納得の描写



 さて、5月19日放送の第16話「目指せ優勝☆まどかの一矢!」は香久矢まどか(キュアセレーネ)の弓道大会参加を通し、「自分を信じることの意味」を問いかける回でした。



 最近ではアニメで「弓道」を扱うと、「弓道警察」と呼ばれる表現の間違いを指摘する人たちが現れると言います(個人的には「弓道警察」は人の心が作り出した形而上の存在だとは思っていますが、便宜上用いることにします)。今話でも、放送前は「プリキュアに弓道警察が来るぞ!!」などと言われていました。



 しかし、それは杞憂(きゆう)に終わったのです。なぜなら弓道警察の出番がないほど、今回のプリキュアの弓道描写は素晴らしかったですし、そんな細かいことを気にする必要もないレベルで、熱くステキな内容だったのです。



 自分は弓道に詳しくないので、元大学弓道部の知人に聞いたところ、今回のプリキュアの弓道描写は、「射法八節」と呼ばれる足踏みから残身までの一連の型や、半月(的を狙う際に、的の半分が弓の左側に重なって見える射型)描写、口割(くちわり)などの射型が正確に描かれていたことや、放った矢がリアルな放物線を描いていること、まどかとライバル那須ゆみかとの順位決定戦では、わざわざ「矢返し(矢は個人の持ち込みなので的に当たった矢を抜いて返さないと足りなくなる)描写」まできちんと入れる徹底ぶりだったようです。また道具の細かい描写もかなり正確だったとのことです。



 さらにアニメ中では「皆中(かいちゅう)」の解説(的に4本の矢が当たること)を入れるなど、小さな子どもにも分かりやすく楽しい進行となっていました。弓道の専門用語は自分も全く知らなかったので良い勉強になりました。きっと綿密で丁寧な取材をされたのでしょうね。



 放送終了後に自分もWeb界隈(かいわい)を見ていましたが、「弓道警察」が出動している様子もなく、彼らも全く違和感を覚えなかったようです。ただ知り合いの元弓道部員は「優勝決定戦で、ある程度連続で当て続けると『的を小さくする』はず。それでも20連続で的に当てる中学生って……すごい…好き……」と驚いていました。彼もまどかの虜になったようです。



 そんな「弓道」の正確な描写は、創業明治十年の弓具店の人にも好評だったようです。



・弓具店のツイート



スタッフの情報により、子供向けアニメ番組プリキュアに弓道大会の場面が映るとの情報を得て見てみました(^ν^)まさか‥まさか、子供向けでこんな場面を見るとは思いませんでした( ; ; )ご丁寧に「皆中」の説明まで‥誰に向けてでもありませんが、こう言いたい。「ありがとう」



 子ども向けだからこそ、こういったところに手を抜かずきちんと描写する。そんな「こだわり」が「スター☆トゥインクルプリキュア」が子どもたちに支持されている理由の1つなのではないかと思います。



●香久矢まどか、弓道大会へ



 この第16話「目指せ優勝☆まどかの一矢!」では、香久矢まどか(キュアセレーネ)の物語が描かれました。自分がプリキュアであることを、宇宙人の調査をしている政府高官の父親に隠していることに負い目を感じているまどか。そんなまどかが父のためにも弓道大会で優勝したいと大会に臨みます。「迷惑を掛けている父のために、優勝したい」のですよね。まどかさん。父親を尊敬していることが伺えます。



 今話で最大のテーマとなったのが「自分を信じること」の意味です。年下のライバルである「那須ゆみか」は「友達を作らず、勝つために自分一人で頑張ってきた」女の子。まどかに「友達と仲良しごっこをしているから、弱くなった」と言い放つ芯の強い娘です。



 そんな一人で頑張るゆみかに対し、まどかは「友達と過ごす自分」が正しいのか逡巡(しゅんじゅん)してしまいます。それはゆみかの「他人を受け入れず一人で戦う」「信じるのは自分自身にのみ」という考えこそが、まどかが尊敬する父親と全く同じことを体現していたからにほかなりません。そう、今回の相手は「尊敬する父親」と同じ存在だったのです。



●「自分を信じること」の本当の意味



 まどかは尊敬する父の教えである「弓道は自分と向き合い自分を鍛える武道」そして「最後に頼れるのもまた自分だけ」という教えを信じ、ずっと守ってきました。



 そんな中行われたライバルゆみかとの優勝決定戦。どちらかが矢を外すまで戦いは続きます。緊張感と矢を放ち続ける疲労で極限状態の2人。2人とも「頼れるのは自分だけ」という信念は同じなのです。ただ、ゆみかが「自分を信じる」=「全てを捨て、一人で背負い込む」のに対し、まどかは「自分を信じる」=「友達からの応援を受けた自分を信じる」としたのです。



 「自分を信じること」の解釈に差があったこと、それが勝敗を分けることとなりました。



 まどかは、父から教えられた「最後に頼れるものは自分だけ」という考えを、極限状態の中「自分のイマジネーション」で再解釈し、「友達の存在こそが、今の自分の一部であり、そんな自分を信じる」ことに昇華させ、見事勝利をおさめたのです。それは尊敬する父の教えを守りつつも、それを自分なりに解釈し、新しい道を歩みだしたまどかの第一歩だったのです。



 そしてラストシーンでは厳格なまどかの父も「友達の応援のおかげで勝てた」ことを認めているようでした。それはすなわち、娘の成長を父親が認めたことにもつながります。このまどかと冬貴の父娘の関係性はプリキュアシリーズでも珍しい緊張感があります。番組開始からずっと丁寧に関係性を描いているこの2人。この先、まどかのプリキュア人生に関わるようなもっと「ものすごいドラマ」が待ち構えているような気がしてなりません。



●一人で頑張ることを否定しない



 そして今回のお話で良かったのは、決して「一人で頑張ること」を否定しなかった、ということです。



 プリキュアに限らず子ども向けアニメーションでは「友達を大切に」「友達と仲良く」「友達といれば強くなる」を必然的に描きます。もちろん「友達が大切」は素晴らしいことですし、プリキュアを見ている子どもがこれから生きていく社会では「友達」は必要な概念なのかもしれません。ただ裏を返せばそれは「一人で頑張ること」「友達が作れない子どもたち」を否定することにつながります。それでは「友達を作ることが苦手な子どもたち」をプリキュアは救えないことになってしまいます。



 だからこそ、今回の「スター☆トゥインクルプリキュア」では、決して「一人で頑張ること」も否定しなかったのです。



 実際、ライバルのゆみかはまどかと互角の勝負をしました。2人とも一人で頑張りました。最後の最後、極限状態に置かれたときに、「一人で頑張ることの意味」が異なっただけにすぎなかったのです。



 決して「友達がいない人は弱い」「友達を作ろう!」というような描写にしなかったこと、そういう優しい描写が多々みられるのも「スター☆トゥインクルプリキュア」の良さだと思います。



●いろんな家族像を肯定する世界



 今回は「友達」そして「家族」がまどかの最後の力となりました。「スター☆トゥインクルプリキュア」では、例年にも増して多様な家族が登場します。



 アニメ雑誌『アニメディア』(学研プラス)では、「スター☆トゥインクルプリキュア」の「家族観」について、東映アニメプロデューサーの柳川あかりさんがこんなことを言っています。



・企画当初は「多様性」をテーマにしていたこともあります。今は「多様性がある世界で生きてくためには、“イマジネーション”が必要だ」というところに落ち着いているのですが、当初のテーマであった多様性を家族構成にも活かしたくて、なるべく似通わないようにしました。だから、えれなのお父さんは外国人であり、ひかるのお父さんは年中どこかに行ってしまっていて、なかなか帰ってこない。いろんな家族像を肯定できればと思っています。――お父さんが外国人というのも、これまであまりいなかったパターンですよね。宇宙人がいれば、外国人であっても同じ地球人であることが際立つと思いました。(『アニメディア』(学研プラス) 2019年5月号 P107)



 いろいろな家族像を肯定したい。雨宮えれなのお父さんはメキシコ人だけど、異星人キャラがいるので「外国人」はすなわち「地球人」という概念になる、ということのようです。前作「HUGっと!プリキュア」では専業主夫から父親不在の家庭、「アンドロイドとその開発者」までさまざまな「家族の形態」が描かれてきましたが、今作でもさまざまなスタイルの「家族」を描いていくようです。



 もちろんプリキュアというアニメーションのメインターゲットは子ども、ひいては「家族」であることから、どんな「家族観」も肯定していくことは当然ではあるのですが、「一様な家族観」に縛られずに生きていくことを、プリキュアを見ている子どもたちとその保護者にあらためて伝えていくことは、本当に真摯(しんし)な姿勢であると思います。



 また、同インタビュー記事では「星名ひかる(キュアスター)」が天文台という「学校外のコミュニティー」を持っていることを積極的に描写し、小さな子どもたちに「学校以外にも、世界が広がっている」ことを伝えたかった旨も語られています。プリキュアを見ているような小さな子どもたちは「親が全て」「幼稚園、学校の社会が全て」と視野が狭くなってしまいがちなところを、少しでも「世界は広いこと」「あなたの存在を認めてくれるコミュニティーは1つじゃない」ことをも訴えかけているのです。



●多様性が当たり前の世界を描く



 「スタ―☆トゥインクルプリキュア」のプロデューサーである、東映アニメの柳川さんはWebや雑誌などさまざまな媒体で、「スター☆トゥインクルプリキュア」は「多様性」を描くのではなく、「多様性が当たり前の世界」を描いていきたい、と語っています。



 「多様性はすでにそこにあるものなので、あえてそれを主張する必要はなく、それが当たり前の世界を描いていく。そして子供たちがこの先『多様性が当たり前の世界』で生きていくためにはイマジネーションが必要である」としているのです。



 そのため「スター☆トゥインクルプリキュア」のオープニングの歌詞に「ムゲンダイマジネーション」、エンディングの歌詞にも「想像力から始まる」などイマジネーションの大切さを伝える表現が使われているのではないかと、僕は思うのです。



 「多様性が当たり前の世界」において、知らない子とお友達になるにはどうするの?



 友達とケンカしちゃったらどうするの?



 お互いの考えが衝突しちゃったらどうするの?



 そんなときは、想像力を働かせよう。



 自分の一方的な価値を押し付けるのではなく、相手がどんなことを考え行動しているのか、どんな思いでいるのか、想像力を、イマジネーションを働かせよう。そして、自分のイマジネーションも大切にしよう。自分の思いをお友達に伝えよう。そのための手助けをプリキュアがするよ。



 そんなことを「スター☆トゥインクルプリキュア」という作品を通して、子どもたちに伝えているのだと僕は思っています。



 世界はすでに多様性にあふれています。



 それは決して楽しいだけではなく、つらいこともたくさんある未来です。そんな未来へ生きる子どもたちへのプリキュアからのメッセージ。「多様性はそこにあるよ。イマジネーションの力を信じよう」。



 それは頭の固いオトナでは難しいのかもしれませんが、これからの世界を生きていく子どもたちにきっと届くはずです。そんなイマジネーションをもった子どもたちがこの先の未来を作っていくのだと思います。



●2018年のプリキュア、数字も絶好調でした!



 2019年5月9日、バンダイナムコホールディングスの決算短信が発表されました。



 2019年度3月期決算(2018年4月〜2019年3月)のバンダイのプリキュアのトイホビー売り上げは「101億円」でした(トイホビー売り上げ:玩具、アパレル、食玩、文具、生活用品などです)。



 これは前年の81億円から20億円も上回る結果(昨対124.7%)です。トイホビー売り上げとしては6年ぶりに100億円を突破しました。「HUGっと!プリキュア」の好調や、プリキュア15周年の商品展開の好調などが主要因だと思われます。



 また、5月14日に発表されたプリキュアの制作会社、東映アニメーションの決算でもプリキュアの国内版権売り上げは9億700万円(昨対123.4%)と、前年を大きく上回りました。



 2018年のプリキュアは絶好調な推移でした。2019年も好調を維持できると良いですね。



●kasumi プロフィール



プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。


このニュースに関するつぶやき

  • これは良&ガチ記事。最近のプリキュア見てないけど、つい読んでしまった。
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  • 観星中の金星「姫ノ城桜子」が面白いですぅ!
    • イイネ!18
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